アマゾンの音声AI「アレクサ」、車と家庭でのシェア拡大を狙う新戦略

アマゾンがコネクテッド・コンシューマー(インターネットに接続された機器を使いこなす消費者)の生活に不可欠な存在となるための2面戦略が、ここ数週間でいくつかアップデートされた。

同社の音声AI「アレクサ(Alexa)」の車におけるシェア、そしてスマートホーム分野でのリーダーとしてのポジションをさらに確立するための取り組みについてのニュースが浮上した。

アマゾンの1つ目の取り組みは、「Alexa Everywhere」戦略の一環として、家庭以外でのアレクサのシェアを拡大させること。

もう1つは、消費者向けのIoT機器が急速に増えている中、家庭におけるシェアを独占するために新しいテクノロジーやプラットフォームを開発することだ。

WiFi環境のある家庭におけるスマートスピーカー普及率。

WiFi環境のある家庭におけるスマートスピーカー普及率。

BI Intelligence

アマゾンの2面戦略の最新のアップデートは以下の通り。

専用のエコー端末をコネクテッドカーに導入

アマゾンはインドで、コネクテッドカー(インターネットに接続されている自動車)専用のエコー(Echo)端末をテスト中、年内に世界的に展開する計画だ。インドのニュースサイト、ファクター・デイリー(Factor Daily)が伝えた

テスト中の車載用エコーは、車のインフォテインメントの核となることが期待されている。一方、同社はすでに複数の自動車メーカーと提携して、アレクサを使ったボイスコントロールの車への搭載に取り組んでいる。

さらにアマゾンは救急車サービス企業、ブリュースター・アンビュランス・サービス(Brewster Ambulance Service)と提携し、救急車にエコー・ドット(Echo Dot)を搭載、マサチューセッツ州とロードアイランド州の救急隊員をサポートする。

家庭でのシェア独占を目指し、家庭用ロボットを開発

「アマゾン・ラボ126(Amazon Lab 126)」は、エコーのような新製品や新サービスの開発部隊。ブルームバーグによると、ラボ126はカメラと画像認識ソフトウエアを搭載した家庭用ロボットの開発に取り組んでいる。

コードネーム「ベスタ(Vesta)」と呼ばれている家庭用ロボットは、2019年に発売される見通し。もちろんアレクサを搭載しているだろう。ロボットは「モバイルアレクサ」として機能し、エコー端末が設置されていない場所でユーザーの後をついて回るとブルームバーグは予想している。

アレクサは家庭においてトップシェアを誇っている。ロボットは、それを維持するための大きな戦略の一部となるだろう。アマゾンはすでにスマートスピーカーの世界市場の52%を占めているが、競争は激しさを増している。

競合がアマゾンよりも先に、音声AIを搭載した家庭用ロボットのような新製品を発表すれば、アマゾンの優位は崩れてしまう可能性がある。


アマゾンは、日々強まるユビキタス・コンピューティングのトレンドをリードし続けるために、アレクサを多くのデバイスに搭載しようとしている。ユビキタス・コンピューティングとは、日常的なもの全てにコンピューターを搭載しようというアイデア。あらゆるものとのやり取りが可能になることで、逆にユーザーがコンピューターを使う必要性が少なくなる。

こうした流れにおいては、アレクサは消費者の生活の中心的存在であり続ける。家庭から車、そして車を降りてスマートフォンを使う時も。

これは、アマゾンにとっては良い兆候だ。アレクサとエコー端末への依存度が高まることは、同社がスマートスピーカー市場でのパイオニアとしての優位、そしてスマートホーム分野での優位を維持することにつながる。

[原文:Amazon expands Alexa's presence in the car and home (AMZN)

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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