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- 中国のスタートアップ企業は女性を「プログラミング・モチベーター(programming motivator)」として採用している。ニューヨーク・タイムズが伝えた。
- プログラミング・モチベーターの仕事は、男性プログラマーのやる気をアップさせること。彼らと話をしたり、ときには肩を揉んだりする。
- こうした取り組みは、中国でも批判を集めている。
中国のスタートアップ企業は、女性従業員の採用に力を入れている。だが、彼女たちの仕事はプログラマーやエンジニア、デザイナーではない。
彼女たちは「プログラミング・モチベーター(programming motivator)」と名づけられた仕事のために採用されている。男性従業員と話をしたり、彼らのために朝食を買ったり、肩を揉んだりするのがその仕事。ニューヨーク・タイムズが伝えた。
ニューヨーク・タイムズによると、プログラミング・モチベーターの仕事は批判を集めている。
少なくとも7社のスタートアップ企業がプログラミング・モチベーターの採用を進めていた。だが、こうした採用活動への批判を受け、その数は減ったとニューヨーク・タイムズは記した。批判を受けた企業の一つが、大手企業のアリババ。同社は「外見が優れた」女性従業員の採用広告を削除した。
こうした表現は中国の採用広告では一般的、しばしば性別による差別があり、女性の応募者に特定の身体的特徴を要求していると、ニューヨーク・タイムズは人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの言葉を引用した。また同紙は、アリババ、バイドゥなど複数の企業が、優秀な男性従業員を採用するために「美しい女性」の存在をアピールしていると伝えた。
性差別を禁じた中国の法律は、曖昧でほとんど実行されていないと同紙。
あるスタートアップ企業でプログラミング・モチベーターとして働く女性は、同紙に男性従業員はしばしば彼女に仕事についての愚痴、ときには男性従業員同士ではできないような愚痴をこぼすと語った。彼女にはまた、ストレスが溜まったプログラマーをマッサージすることや、会社のために彼らと遊ぶことが求められている。
「彼らには時々話をし、ストレスを和らげるために遊んでくれる人が本当に必要」と彼女はニューヨーク・タイムズに語った。
この仕事に必要な条件について、スタートアップ企業の人事担当者は、明るい雰囲気、化粧、身長158センチ以上、そして「顔立ちが整っていること」と同紙に語った。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、アリババの2015年の採用広告には、応募条件として「外見が優れていること。飛び抜けていなくてもよいが、プログラマーたちにとって十分魅力的であること」とあり、中国で人気のタレント「蒼井そら」に似ていることがそれとなく求められていた。また「毎朝、プログラマーやエンジニアを起こすこと」と「仕事へのやる気を与え、元気づけること」も条件に含まれていた。
2015年、別の企業の人事担当者も、女性モチベーターの存在は大勢の男性従業員の仕事の効率を高めると語っている。
(翻訳、編集:増田隆幸)