「シリーズものにとって、インターネットは素晴らしい」ネットフリックスCEOにカンヌ不参加の決断などを聞く

ネットフリックスCEOリード・ヘイスティングス

Ethan Miller / Getty Images

ネットフリックス(Netflix)の共同創業者兼CEOリード・ヘイスティングス(Reed Hastings)は、同社はメディアマーケットにおいて、“革命”というよりはほぼ“進化”だと語った。

同氏はネットフリックスはユーザーのテレビ視聴体験を大きく変えたと指摘。「シリーズものにとって、インターネットは素晴らしい」とBusiness Insider Polandに語った。

ネットフリックスの第1四半期は素晴らしいものだった。業績はアナリストの予想を上回り、2018年1〜3月で契約数は742万人増加した。

ローマでの記者会見で同社インターナショナル・プロダクション部門の副責任者、エリック・バーマック(Eric Barmack)は、ヨーロッパ、中東、アフリカで現在55作品を製作中と語った。ネットフリックスは新コンテンツへの投資を加速している。最近ではイギリスのメディア企業Skyと契約、Skyのプレミアム会員はネットフリックスを視聴できるようになる。

リード・ヘイスティングスに同社の今後の計画、そして好きな番組について聞いた。

—— ネットフリックスは今、どのような使命を持っていると考えていますか?

人々に楽しさ、幸せ、エンターテイメントを提供すること。これが会員に対するビジョン。

芸術的なビジョンは、世界中から優れた作品を集めること。そうすることで、人々を楽しませることができる。

—— コンテンツ配信における、ある種の革命をリードしていることをどのようにお考えですか?

ネットフリックスは“革命”ではなく、むしろ“進化”と呼ぶべきものだ。

“革命”とはYouTubeのようなプラットフォームを示す。そして革命には良い面と悪い面がある。

ネットフリックスは、進化したテレビと言える。人々はまだテレビで45分の番組を見ている。そして今はネットフリックスで見ている。これは大革命ではない。大きな進化であり、重要なことだ。

—— あなたは、変化には常にある種の抵抗が伴うと言っています。ネットフリックスにおいて、特に意識していることはありますか?

そう、放送局からは多くの抵抗がある。

我々は最近、Skyと契約したが、長い間、競争相手だった。互いに素晴らしいコンテンツを持っていることは明らかで、ようやく受け入れてくれた。

—— 映画業界はいかがですか? カンヌ映画祭への不参加は正しい決断だと考えていますか?

カンヌ映画祭でコンペに参加するには、劇場公開が必須となる。フランスでは劇場公開された映画は、3年間、ネットフリックスで配信できなくなる。ネットフリックスの会員は映画を見るためにお金を払っており、カンヌのために配信を遅らせることはできない。ネットフリックスは会員第一でなければならない。

それに、ほかにもたくさんの映画祭がある。ベネチア、トロント、ベルリン……。

—— だがコンペに参加しないで、映画を上映することもできました。

なぜ、そのような二流の状況に身を置く必要があるのか? おそらく彼らはいつか態度を変える。大したことではない。

ネットフリックスには新しいコンテンツが次々と登場する。多くはシリーズものだが、素晴らしい映画も登場する。

—— なぜ映画ではなく、シリーズものに力を入れているのですか?

インターネットでは、古いシリーズ作品を簡単に見ることができる。『ペーパー・ハウス(La Casa de Papel)』の話題を聞いたあとに、すぐに作品を見ることができる。

シリーズものにとって、インターネットは素晴らしい。土曜日の夜8時の放映を待つよりも、10倍優れた体験だ。

だが映画の場合は、10倍とはいかない。少しだけ。ほぼペイ・パー・ビューのようなものだ。ネットフリックスは定額制なので、少し優れている。だが映画体験の革命ではない。

—— いつ、どのようにしてオリジナル作品を作ると決めたのですか?

テッド・サランドス(同社コンテンツ最高責任者)は、かなり早くからオリジナル作品が必要だと言っていた。単にタイミングとサイズの問題だった。『リリハマー(Lilyhammer)』で初めてオリジナル作品にチャレンジし、次に『ハウス・オブ・カード 野望の階段(House of Cards)』を作った。素晴らしい事例となった。

—— 最近数カ月でお気入りの作品は何ですか?

『このサイテーな世界の終わり(The End of the F***ing World)』。難しい話だから。今までに見たこともないような作品だ。

最初は本当に、登場人物のことを好きになれない。少なくとも私はそうだった。彼らは奇妙だ。だが見始めると、彼らがどんどん好きになる。そして同時に、彼らはお互いのことを好きになり始める。

—— 契約者数は伸び、次々と新しい作品に投資しています。次の作品は何ですか?

リアリティ番組と、『ウィッチャー』や『1983』のようなローカルコンテンツに力を入れている。世界中で取り組んでいる。日本、韓国、インド、そしてヨーロッパで数多くのコンテンツを製作中。様々な取り組みを進めている。

—— 新しい作品への投資に制限はありますか?

ない。ずっと増やし続けていくつもりだ。

—— これまでのところ、投資家は評価しています。

その通り。投資家は評価している。なぜならユーザーが評価しているから。

(敬称略)

[原題:Szef Netfliksa w rozmowie z Business Insider Polska: "ulepszyliśmy telewizję"

(翻訳、編集:増田隆幸)

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