コインチェックの売上見込は626億円、「仮想通貨ブーム」の2018年3月期

マネックスグループは2018年4月26日、決算発表の中で、完全子会社化した仮想通貨取引所コインチェックの2018年3月期の売上高が626億円にのぼるとする見込みを示した。

コインチェックは、ハッキングで流出した仮想通貨NEMの保有者に対して、概算で466億円を返金。売上高から販売費・一般管理費88億円と、NEMの補償などに伴う特別損失473億円を差し引いた税引前利益は63億円となった。

営業利益は537億円と、前年の7億1900万円から大幅に増えた。2017年には日本国内でも仮想通貨の取引がブームとなり、コインチェックは、使いやすいUI(ユーザーインターフェース)で多くの利用者を引きつけた。今回の業績見込みは、昨年の同社の勢いを裏付けるものと言えそうだ。

Monex&Coincheck

マネックスグループの松本大社長は、4月26日夜の個人投資家向けオンライン説明会の中で「上場企業の責任として、グループ入りしてから10日の企業としては、かなり突っ込んだ開示をしたと思っている」と述べた。

コインチェックのビジネスは、海外の取引所などから仮想通貨を仕入れて、利益分を上乗せしたうえで利用者に販売する「販売所」のモデルが中心とされる。今回の業績見込みでは、コインチェックが保有する仮想通貨を売却した際の収入から、同社がその仮想通貨を取得した時の価格にあたる「売却原価」を差し引いた額を626億円の売上高として計上した。

仮想通貨流出事件後の2018年2月と3月についても、ビットコインの取引業務は継続しており、20億円の売上高があり、5億円の営業利益を確保したという。

一方で、コインチェックは利用者からの損害賠償請求訴訟を抱えている。損害賠償などで必要な費用について松本氏は最大で20億円程度との見通しを明らかにした。「さまざまな例を調べ、法律事務所が保守的に保守的に考えた結果、最大で20億円程度という計算になった」と説明している。

マネックスグループは、コインチェックが傘下に入ったことで、日本、アメリカ、アジア・パシフィックの3地域の証券業と並ぶ、4つめの柱としてクリプトアセット(暗号資産)事業を挙げている。

松本氏は「コインチェックがグループ入りしたことで、新しい収益の柱ができ、グローバルとあいまって様々なコラボレーションができる」と、期待感を示した。

ただ、コインチェックの事件後、金融庁が交換業を営む企業に対する監督を強化したことで、みなし業者の撤退が相次いでいる。2018年に入って以降は、仮想通貨全体の価格が低迷するなど、事業環境の不透明感は増している。

(文・小島寛明)

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