本当に安い? ドコモ新料金「ベーシックパック」 —— 検討するなら「月間使用5GB未満の低容量ユーザー」

ドコモショップ

NTTドコモは4月27日、新データプラン「ベーシックパック」および「ベーシックシェアパック」を発表した。両プランともに5月25日から提供開始予定だ。

では具体的に、どのようなユーザーが安くなるのだろうか。光回線などのセット割を考慮せず、単純にデータ量で比べてみた。なお、本記事の金額はずべて税抜、ISP利用料やユニバーサルサービス料などは除いた金額で計算している。

低容量プランで1GBほど持て余しているなら安くなる

ドコモ 吉澤社長

2017年度決算説明会の中で新データプランを発表したNTTドコモ社長の吉澤和弘氏。

まず、この新データプランのポイントは以下の3点だ。

  • データの利用量に応じて4段階で変化する
  • 最低利用料金が従来プランより安くなった
  • “ドコモ回線継続利用期間”もしくは“dポイントの6カ月累計獲得数”に応じて、割引される

ドコモ 個人向けプラン比較

上段の暖色の行が新プラン、下段の寒色の行が従来プラン。ベーシックパックの場合、月間20GBを超えると最大128kbpsの速度制限が発生する。

Business Insider Japan

個人で利用する際は「ベーシックパック」を契約する。基本的には、毎月のデータ量が10GB程度前後するようなユーザーは、使わなかった月の料金が抑えられるため、年単位で見るとお得になる。

では、多数派だと思われる「月ごとにあまり変動のないユーザー」はどうだろう?

従来の「データパック」と比較してみると、月間1GB未満しか利用しないユーザーであれば、月額で最大600円ほど抑えられる。また、月間2GB以上3GB未満のデータ量であれば最大1000円お得だ。

逆に、月間1GB以上2GB未満のユーザーは最大500円高くなってしまうので注意だ。

料金比較

従来プランと比較すると、最低利用時の料金が抑えられた形。上下にならべた新旧で料金プランを比較して見てほしい。

Business Insider Japan

つまり、「データSパック」と「データMパック」を契約していて、月末までのデータ量に1GB以上余裕のあるユーザーは、いまより安くなる可能性が高いということだ。

なお、ドコモはベーシックパック提供開始1日前の5月24日にデータSパック、データMパックの新規申込受付を終了する(契約中のユーザーは引き続き利用可能)としている。

家族向けは「月間15GB以内」であれば最大500円安い

ドコモ家族向けプラン 料金比較

上段の暖色の行が新プラン、下段の寒色の行が従来プラン。ベーシックシェアパックの場合、月間30GBを超えると最大128kbpsの速度制限が発生する。

Business Insider Japan

家族で利用する際は「ベーシックシェアパック」を契約する。家族向けプランは、前述の個人向けプランほど複雑ではない。理由は、料金の目安となるデータ量が、従来のプランの最大容量と同一だからだ。

新料金が効果的なのは、従来の「シェアパック10」(月額9500円)、「シェアパック15」(月額1万2500円)を契約しているユーザーだ。月間5GB以上10GB未満のステップ2であれば9000円、月間10GB以上15GB未満のステップ3であれば1万2000円となり、それぞれ月額で500円安価になる。

ちなみに、月間5GB未満のステップ1は、最大5GB利用できる従来プラン「シェアパック5」と同じ6500円になっているため、新料金でもメリットもデメリットもないということになる。

料金比較

家族向けプランは最低利用料金が変わらず、月間5GB以上15GB未満のデータ量がお得になる格好。

Business Insider Japan

まとめると、家族向けには、月間15GB以内のデータ消費ですんでいる世帯であれば、ベーシックシェアパックへ移行すると月額コストを抑えられるということになる。

ちなみに、家族向けも(個人向けと同じく)シェアパック5/10/15の新規申込受付は5月24日に終了する。

お得にならないのは「大容量が必要なユーザー」

ドコモ 吉澤和弘社長とスライド

NTTドコモは、今回の新プランを「利用の少ないお客に対しての還元」と位置づけている。

逆に、今回の新料金の恩恵を受けられないのは、個人であれば“月間5GB以上”、家族であれば“月間15GB以上”利用する場合だ。

例えば、個人向けのベーシックパックであれば、月間5GBを超えると月額7000円のステップ4に突入する。月額7000円というと、毎月20GB使える「ウルトラデータLパック」の月額6000円を1000円も超えてしまうため、割高だ。

My docomoのデータ使用量の確認

ドコモの契約者向けサービス「My docomo」では料金や利用データ量の確認ができる。月間10GBを使うような筆者のようなヘビーユーザーは、今回のデータプランへは移行すべきではない。

最近では、YouTubeやネットフリックスをはじめとする動画ストリーミング、SportifyやGoogle Play Musicなどの音楽ストリーミングサービスなど、データ使用量の激しいサービスもメジャーになってきた。

こういったサービスをLTE回線などでフルに活用しているユーザーは、月間5GBはすぐに超えてしまう。また、家族に複数人同じようなユーザーがいれば、月間15GBも超えるだろう。

「自分は結構使ってるな」と自覚のある人は、今回の新料金はメリットがない可能性が高いので、安心して「従来プラン継続」で良さそうだ。

なお、普段使っているデータ使用量がわからない場合は、ドコモの契約者向けサービス「My docomo」にアクセスして、直近の使用データ量を確認してみるといいだろう。

(文、撮影・小林優多郎)

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