#きのこたけのこ国民総選挙、データ分析勝手にやったら意外な結末になった

きのことたけのこ

明治が実施中の「きのこの山」と「たけのこの里」総選挙を編集部で勝手に情勢分析。

明治のロングセラーお菓子「きのこの山」と「たけのこの里」が、2018年2月26日から国民総選挙を実施中だ。「きのこ党」「たけのこ党」「どっちも党」の3陣営に分かれ、公式サイト、Twitter(1票で10倍)、商品購入(1票で20倍)による投票を呼びかけている。国民総選挙公式特設サイトによると、5月10日に中間集計を発表するとのことだが、選挙に華を添えるのがメディアの情勢分析。ということで、頼まれてはいないが勝手に分析してみた。

三本勝負その1:ビッグデータ解析

女性、若年層に浸透するたけのこ

2017年の衆院選では、立憲民主党がTwitterをフル活用し無党派層の取り込みに成功した。今回の総選挙でも、3党は選挙戦当日にTwitterアカウントを開設。フォロワー数で大きく引き離されている「どっちも党」は「泡沫候補」扱いし(ごめんなさい)、本命2党を、ユーザーローカル社のSNS分析ツール「Social Insight」で比較した。

フォロワー比較

きのこ党、たけのこ党の4月のTwitterアカウントのフォロワー数推移。

ユーザーローカルのSNS分析ツール「Social Insight」を利用。

4月30日時点のフォロワー数はきのこ党2万3350人に対し、たけのこ党が2万8366人と5000人ほど上回る。気がかりなのは、両党とも4月の1カ月でフォロワーが1000人以上減少している点。選挙期間が長いためか、マンネリ風が吹いている様子。両陣営は引き締めが課題と言える。

支持者の内訳をみると、たけのこ党の方が、女性支持率が高い。また、たけのこ党支持者の平均年齢は18歳で、きのこ党(24歳)に比べて若年層への浸透が進んでいる。

性別比較

年齢比較

きのこは熊本、たけのこは鹿児島で優位な戦い

また、支持者の地域分布を分析したところ、きのこの支持者は熊本県に集中していることが判明。理由を探るべく「熊本県 きのこの山」で検索してみたが、特筆すべき結果は発見できなかった。一方、たけのこ党支持者は、群馬県、鹿児島県、岩手県に多い。鹿児島県はたけのこ生産量で全国トップ争いをしているが、それ以上の相関関係は見いだせなかった。

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赤に近づくほど数値が高い。

4月の月間投稿回数は全体的にたけのこ党が多いが、中身を精査すると大半が投票へのお礼リプライ。Twitter投票でのたけのこ優位がうかがえる。

投稿回数

各アカウントの投稿回数。

三本勝負その2:有権者調査

土俵際のきのこ派「これまでか……」

筆者はこれまで、深く考えることなく、きのこの山を選んできた「何となくきのこ党」だった。ところが、公式サイトで現在の票数を確認すると、100万票以上の大差でたけのこの里がリードしている。驚いて調べてみると、過去の人気投票でもたけのこの里が勝利しており、ネット上では「決着がついているのに、総選挙をやる意味があるのか」という指摘すらあった。

kinokotakenoko

5月1日時点ではたけのこが大量リードしている。

総選挙公式サイトより

物心ついたときから何となくきのこ党だった筆者は、今更ながら劣勢に気づき、出口調査ならぬ身内調査を敢行。すると家族に「きのこの山って、ポッキーの失敗作でしょ」と一刀両断にされ、自分が家庭内野党であることまで判明。

納得できないので、今度はBusiness Insider Japan編集部にて聞き取り調査。こちらでも、即「当確」は打てないまでも、たけのこの里が優勢だった。

増田部員は「チョコとクッキーの融合がおいしい」とコメント。滝川部員は「きのことたけのこのミックス袋を買うと、子どもたちがたけのこばかり食べるので、いつもきのこが余る。ってか、きのこ好きなんているんですか」(←だったらなぜミックス袋を買う?)。

「慶應大学ときのこの山は、生理的に嫌い」(西山部員)という、暗い過去を思わせるものもあったが、たけのこ党支持者は「(きのこの山は)チョコとクッキーが分かれている意味が分からない」という点で結束していた。

きのことたけのこ

ちなみに、写真撮影に協力してくれた山口部員は、「たけのこは手が汚れる」からきのこ支持。

一方、少数派のきのこ党支持者に聞くと2人は、「昔はたけのこ派だったけど、きのこ派に変わった」という寝返り組だった。「年を取って、たけのこのもさもさ感が受け付けなくなった」「歯にはさまるようになった」と、2人とも加齢で好みが変わったことを告白。もしや、Twitter分析で、きのこの党フォロワーの年齢が高かったのも、それが理由か……。ってことは、投票方法をネットじゃなくてはがきにしていたら、きのこの党が勝てたのでは? 戦略を誤ったか、きのこ。

ふと見ると、浜田編集長もきのこ党支持を打ち出している。あれ、当初は「どっちも同じじゃん」と言ってませんでした?と突っ込むと、「きのこが人気なさすぎてかわいそうだから」。こっちは同情票だった。

きのこ党、数だけでなく一人ひとりの熱量でも負けてる気がする。もはやこれまでか、と腹をくくりかけたその時、それまで黙っていた高阪部員(きのこ党支持者)が、手を挙げた。

「GWですし、科学的に決めません?」

なぜここでGWが出てくる? その答えは、3連休明けの5月1日に明らかになった。

三本勝負その3:科学調査

外観を同じにすると、味の違いが分からない部員続出

連休谷間の5月1日、複数の部員が旅のお土産を持参する中、高阪部員だけはタッパーを持って現れた。ふたを開けると、2つに仕切られた容器に、チョコレートの塊が詰まっている。

「味だけで判断できるよう、きのことたけのこを溶かしてきました」

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何かが高阪部員のやる気スイッチを起動した。

高阪のぞみ提供

高阪その2

Aがたけのこ、Bがきのこ。

高阪部員は3連休最終日の4月30日、きのこの山とたけのこの里のチョコの部分をクッキーからはがして溶かし、刻んだクッキーを混ぜて固めて、「ブラインド(目隠し)試食」できるように加工していた。

パッケージ裏

上がたけのこ、下がきのこ。よく見ると、内容量はきのこが多い。鶏卵が入っているのはたけのこのみ。

あなた、これ、科学的というより魔女では……。しかしきのこの山の名誉挽回のために休日を捧げた高阪部員の熱意に、何となくきのこ党も感涙。会議の前に緊急試食会を実施する運びとなった。

その場にいた15人に事前にどちらを支持しているか確認。ここではきのこ派6人、たけのこ派8人と拮抗していた。次に、見た目では区別できない状態に加工されたきのこの山とたけのこの里をそれぞれ試食しておいしい方を選んでもらった。

アンケート結果

その結果は……

「同じじゃん」(小林部員)

「一緒ですよ、一緒」(増田部員)

「うん、全く同じ」(川村部員)

違いが分からない部員が続出する中、山口部員が原材料ラベルを指さし、声を張り上げる。

「原材料が微妙に違います。たけのこに入ってる鶏卵が、きのこにはない。きっと味も違うはず」

そうだ、明治の採用面接だと思って、まじめにやれ。

強烈なたけのこ支持者が、途中で「私には分かる。Aこそたけのこだ」とネタばらしする事故がありながらも、何とか全員が試食し、その結果が明らかになった。

「会議の開始が遅れた」「ってか、私が好きなのは、味そのものじゃなくて、たけのこの里の触感だから」など、一部からクレームが出たものの、高阪部員の自称「科学的なやり方」は、たけのこ票の一部を引きはがし、浜田編集長が「味だけだったら、きのこが全然おいしいじゃん。みんな見た目に騙されているんじゃない?」ときのこ派を高らかに宣言する結果に。そして、泡沫扱いしてた「どっちも党」が第2党に躍進するという、思いがけない結末も招いた。

きのこ党陣営の皆さん、選対本部長にうちの高阪、いかがでしょうか。いい仕事しますよ。

(文・写真、浦上早苗)

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