韓国の美の基準に波紋、女性キャスターが眼鏡でテレビ出演

韓国のキャスター、イム・ヒョンジュ氏。コンタクトレンズ着用時(左)と眼鏡着用時(右)。

韓国のキャスター、イム・ヒョンジュ氏。コンタクトレンズ着用時(左)と眼鏡着用時(右)。

MBC News/YouTube/Business Insider

  • 韓国の女性ニュースキャスターが眼鏡をかけて出演し、波紋を呼んだ。
  • イム・ヒョンジュ(Lim Hyeon-ju)氏は、毎日コンタクトレンズとつけまつげをつけていた。早朝の番組に出演するため、起床は午前2時40分。
  • だが目の乾燥がひどく、集中できないため、眼鏡に変えた。
  • 眼鏡の男性キャスターはよく見るが、大手テレビ局の女性キャスターが眼鏡をかけて出演したのは初めて。

韓国の女性ニュースキャスターが、同国の女性に対する厳しい美の基準に反旗を翻した。番組にコンタクトレンズとつけまつげをやめ、眼鏡で出演した。

イム・ヒョンジュ氏は朝6時からの放送に備えて、毎朝2時40分に起きる。同氏は4月から、その朝の番組にブラックとゴールドの丸眼鏡で出演するようになった。

韓国では眼鏡の男性キャスターはよく見るが、大手テレビ局の女性キャスターが眼鏡をかけて出演したのは初めてと、同国の聯合ニュースは報じた

毎日コンタクトレンズとつけまつげをつけていたため、目の乾燥と疲れがひどく、目薬を差さなくてはならないほどだったと同氏は聯合ニュースに語った。仕事にも支障が出るほどだった付け加えた。

同氏のインスタグラムの投稿には、何百もの応援メッセージが寄せられた。

「朝のニュース番組のために早起きしなければならないが、睡眠時間や準備の時間が足りないときは眼鏡をかけたくなる。準備の時間や疲れを減らすと、よりニュースに集中できる気がした」

「視聴者もニュースが見たいのであって、キャスターではないはず」

イム氏も初めて眼鏡で出演したときは「少し勇気が必要だった」と付け加えた。だがその後、何千もの続けるべきとの応援メッセージから勇気をもらった。それ以来、眼鏡での出演を続けている。

毎日の放送で眼鏡をかけ続けている。画像は5月2日の放送より。

毎日の放送で眼鏡をかけ続けている。画像は5月2日の放送より。

MBC News/YouTube

韓国人女性は、美に対して高い基準を持っていることで知られている。同国は1人あたりの美容整形手術の回数が世界一、毎年約100万回の手術が行われている。

韓国では業種を問わず、完璧にメイクをしていなければ、プロ意識が欠けていると見なされることもあるとクオーツ(Quartz)は伝えた

クオーツによると、最近の調査でも回答者552人のうちの半数以上が、同僚女性が眼鏡をかけているのを一度も見たことがないと答えた。だが韓国では、30歳以下の70%が近視と伝えられた。

さらに、韓国では履歴書に写真を貼るのは当たり前、同様に身長や体重の記入も求められるため、多くの応募者は魅力的に見せなくてはというプレッシャーを感じていると語った。

2016年に同国の求人サイトが行った調査によると、採用担当者の60%以上が外見は採用に影響すると回答した。

美容整形手術の広告が目立つ、韓国の地下鉄の駅。

美容整形手術の広告が目立つ、韓国の地下鉄の駅。

Ahn Young-joon/AP

ギャラップ・コリアの2015年の調査によると、19~29歳の韓国人女性の3人に1人は、すでに美容整形手術を受けている。

最もポピュラーなのが「二重手術」で、まぶたにラインを入れ、目が大きく見えるようにする。もう1つは「スマイル整形」で、口角を上げ、常にほほ笑んでいるように見えるようにするものだ。

[原文:A South Korean reporter wore glasses on TV in a dramatic break with the country's insane beauty standards for women

(翻訳:Ito Yasuko/編集:増田隆幸)

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