アルファロメオ 4C スパイダー。
Hollis Johnson
- ポルシェ 718 ボクスターSとアルファロメオ 4C スパイダーは、ヨーロッパが生んだスポーツカーの傑作。
- どちらも直列4気筒ターボエンジンを搭載。
- 価格は、4C スパイダーが7万4000ドルから、一方、718 ボクスターSは9万ドルから(日本での価格は消費税込みで、4C スパイダーが849万円、718 ボクスターSは888万円)。
- 4Cは718よりも、よりダイレクトで感情を刺激するドライビング体験を提供してくれた。
- だが、我々は718に軍配を上げた。
現代社会において、感情を刺激してくれるものは数少ない。その1つがオープンのスポーツカー。ルーフを開けると、車に乗る楽しさ、自由、そしてどこまでも続く道が手に入る。すべてがドライビングの素晴らしさだ。
陳腐? その通りだ。だが偉大なスポーツカーに乗った瞬間、あなたは陳腐さが持つ真実にすぐに気づくはず。
そして、ヨーロッパが生んだ偉大な2台が、ポルシェ 718 ボクスターS、アルファロメオ 4C スパイダー。
718 ボクスターSは、大成功を収めたボクスター・シリーズの最新バージョン。以前は、911の弟分的存在だったが、近年、ポルシェはターボなどを追加、ボクスターはもはやポルシェのエントリー版ではない。
4C スパイダーは、2014年、アルファロメオがアメリカ市場に復帰する道を切り開いた。現在、アルファロメオは高性能セダンのジュリアやSUVのステルヴィオを投入し、ラインナップを拡大している。
4Cは少し奇妙な存在だ。似た車は存在しない。小さなフェラーリのようであり、イタリア版のロータスと言える。楽しさ100%。
となると疑問は1つ、どちらがベターなのか?
まずは4C スパイダー。
Hollis Johnson
4C スパイダーはユニーク。フロントエンジンの124スパイダーの生産が終了してから四半世紀、我々はようやく小型軽量なイタリアン・スポーツカーを手に入れた。
Hollis Johnson
スタイリッシュ、だが古典的な美しさとは違う。軽快かつ力強いデザイン。
Hollis Johnson
ドライバーズシートのドアを開けると、4Cの大きな秘密が分かる。キャビンはカーボンファイバー製。
Hollis Johnson
ドライバーズシートはベーシックだが魅力的。インフォテインメントやサウンドシステムは必要最小限。
Hollis Johnson
アルパインのステレオが搭載されている。90年代風だ。総じてインテリアや装備は、特に車の価格を考えると平均以下。もう少しお金をかけた方が良いと感じる。ミニマルであることと、上質でないことは違うはずだ。
Hollis Johnson
7インチのデジタルメータも同様。
Hollis Johnson
また身長183センチ以上なら、乗り込むのに苦労するだろう。幸運なことに私は大丈夫だった。
Hollis Johnson
だがエンジンは、そんなマイナスを吹き飛ばす。1.7リッター直列4気筒ターボエンジン、237馬力。6速DCT、後輪駆動。
Hollis Johnson
重量はわずか1060kg、0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は時速260km/h近い。
Hollis Johnson
走らせてみよう!
Hollis Johnson
良く晴れた日、ワインディングロードを走ったとする。4C スパイダーは最高だ。直列4気筒ターボはあなたを夢中にさせる。ターボラグなど全く感じることはない。6速DCTの動作も完璧。
そしてハンドリング。良いという表現に留まらない。グレート。4Cはパワーステアリングを装備していないので、縦列駐車は苦痛。だがワインディングロードではテレパシーのよう。コーナーを思い描いたとおりに駆け抜けていく。
結論、4C スパイダーは世界最高のハンドリングを持つスポーツカー。
次は、718 ボクスターS。
Benjamin Zhang/Business Insider
現行のボクスターは2016年に登場、初代ボクスターは1997年に登場した。スタイリングはより革新的なものに進化している。だが、アイデンティティは失われていない。
Benjamin Zhang/Business Insider
写真は1999年型の986 ボクスター。
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インテリアはドイツ車らしく効率的。室内は驚くほど広い。身長2メートルでも問題ない。
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計器類は古風なアナログメーター。他のポルシェ車同様、タコメーターがセンター。
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ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム(PCM)を搭載。Apple CarPlayにも対応。
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バックカメラも搭載。4Cはなかった装備だ。
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718 ボクスターのマテリアルと造りは世界最高級。全てがソリッドに組み合わされている。レザーは柔らかく、金属パーツやスイッチがアクセントになっている。
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ボクスターはまた驚くほどの収納スペースを持つ。
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エンジンの後ろには約125リットルのトランク。
Benjamin Zhang/Business Insider
フロントには147リットルのトランク。スーツケースが入る。
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今回、ボクスターは大きく変わった。ポルシェはボクスターに新しい名前と新しい名前を与えた。718は、1950年代に数々のレースで優勝した4気筒のレーシングカーに由来する。
Porsche
2.5リッター4気筒ターボエンジン、350馬力。718 ボクスターの乗り心地は?
Porsche
4C スパイダーと同様に素晴らしい。だが2台は大きく違う。4Cはゴーカートのようで、718はより上品で洗練されている。
同時に718 ボクスターSは卓越した性能を誇る。ポルシェによれば、PDK仕様車の0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は285km/h。カーブでもボクスターSは極めて安定していた。どんな路面状態でも常に最高の性能を発揮する。
だが4C スパイダーと比べると、道路からのインフォメーションはピュアなものではなかった。加えて、エンジンサウンドは、フェラーリV8のような4Cの4気筒ターボの方が魅力的だった。
結論。
Benjamin Zhang/Business Insider
勝者は......718 ボクスターS。
One more thing……
Hollis Johnson
最後にもう1点。
4C スパイダーについて一晩、じっくり考える必要はない。4Cはピュアなドライビング体験を求める人にとって、完璧なスポーツカー。あなたがもしそうなら、4Cはあなたのものだ。
(翻訳、編集:増田隆幸)