米朝首脳会談開催 —— 北朝鮮国民にとって唯一の身近な外国、国境に接する中国の都市に行ってみた

北朝鮮と中国の国境を写した衛星写真

Google Maps/Business Insider

中国の丹東市は、北朝鮮の新義州市から約1マイル(約1.6キロメートル)も離れていない。だが、2つの都市はこれ以上ないほど異なっている。

2つの都市を隔てるのは、川幅の狭い鴨緑江のみ。人々は国境を越しに、簡単に互いの生活を見ることができる。

丹東市は通常、北朝鮮から中国に渡るトラックの最初の立ち寄り先であり、北朝鮮の人々が唯一見ることができる中国、つまりは唯一見ることができる外の世界。

「2つの国を隔てる川やフェンスの向こう側に見える生活に、これほどの違いがある場所は世界中、どこにもない」とロイターのカメラマン、Damir Sagolj氏は記した

丹東市と新義州市の暮らしを見てみよう。

丹東市と新義州市は、中国と北朝鮮の国境に隣接している。

国境の衛星写真

中国の丹東市は、はるかに小さい隣国の新義州市と鴨緑江をはさんで向かい合っている。

Google Earth/Business Insider


2つの都市を隔てる鴨緑江は川幅が1マイル(約1.6キロメートル)もない。左が新義州市、右が丹東市。

鴨緑江を行く船の上から

Eugene Hoshiko/AP


両国間の主な貿易ルートとして機能する中朝友誼橋(写真左)で結ばれている。

中朝友誼橋

Emily Wang/AP

中国は北朝鮮の最大の貿易相手。2017年、国連制裁に応じて北朝鮮との貿易を削減した。

以前はもう1つ、橋があった。だが、右側の橋は1950年にアメリカ空軍によって爆破され、以後、修理されることはなかった。途中までしか残っていない橋は、現在「鴨緑江断橋」として知られている。

出典:South China Morning Post, China Internet News Center

衛星写真で見たは、上から見た「中朝友誼橋」と「鴨緑江断橋」。

衛星写真

Google Earth


鴨緑江断橋は中国側で観光名所となっている。望遠鏡を使って橋の先を見ることができる。

望遠鏡をのぞく男性

Damir Sagolj/Reuters


丹東市と新義州市は1マイルも離れていないが、両市の生活は大きく異なるようだ。壊れた橋から見える様子がこちら。

丹東市と新義州市は1マイルも離れていないが、2つの市の暮らしは大きく違って見える。丹東市は現代的な街が広がり、新義州市は時代遅れの工業地帯のようだ。鴨緑江断橋から見た様子。

「経済はあまり発展していないようだが、最善を尽くしているように見える」と双眼鏡をのぞいていた観光客のLu Mingyang氏は語った。

出典:South China Morning Post

新義州市には、壊れかけた工場のようなものが並んでいるのが見える。

荒廃した工場

Aly Song/Reuters


一方、丹東市はにぎやか。2016年の人口は180万人。写真は、地元名物のあさりを食べている様子。

あさりを食べる人々

Reuters

出典:The Guardian

ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドもあり、BMWやレンジローバーに乗る市民もいるとガーディアンは伝えた。

ケンタッキーフライドチキンの配達用自転車

出典:The Guardian

また丹東市には、北朝鮮料理のレストランを開く朝鮮民族がかなりの数、住んでいる。中国人客が食事を楽しむ傍らで、北朝鮮のプロパガンダ番組が流れている。

北朝鮮料理のレストラン

Helene Franchineau/AP


中国 - 北朝鮮文化センター(China-North Korea Cultural Centre)もある。2017年9月、北朝鮮アーティストの絵画を展示した。

中国 - 北朝鮮文化センター

Aly Song/Reuters


2018年はじめ、金正恩委員長が海外からの投資に対し「好条件」を与えると発言して以来、丹東市の不動産価格は上昇。

丹東市ニュー・ゾーンの完成予想模型

最も人気のエリアとなっている丹東市ニュー・ゾーンの完成予想模型。

Philip Wen/Reuters

出典:Bloomberg

関連記事:Housing prices along China's border with North Korea have skyrocketed since Kim Jong Un's visit to Beijing

ニュー・ゾーン(New Zone)は、最も人気のエリア。

ニューゾーンの風景

Philip Wen/Reuters

建設中のさまざまな高層マンションと「OneCafe」という名前の大きなカフェ。

ニュー・ゾーンはこれまで、北朝鮮と独自の関係を築いてきたことを意味する。新しい、巨大な橋が建設されたが、まだ開通していない。北朝鮮側の橋の先には空き地が広がる。

新鴨緑江橋

新鴨緑江橋は、どこにもつながっていない。2016年9月。

Reuters


Business Insiderは2017年、こう着状態にある新鴨緑江橋を紹介する動画を作成した。


丹東の料理はシーフードが中心。黄海に近いことを考えると意外ではない。市内の生鮮市場。

生鮮市場

Philip Wen/Reuters


露店も広がっている。

露店

Google Maps



一方、国境を挟んで隣接する新義州市の暮らしは大きく違って見える。

新義州市の人々

Aly Song/Reuters


鴨緑江で、野菜を洗う女性と子ども。

野菜を洗う女性と子ども

Aly Song/Reuters


船に乗って鴨緑江を下り、丹東市を見ることのできる幸運な北朝鮮人もいる。

鴨緑江を下る船

Jacky Chen/Reuters


国境を警備する兵士。鴨緑江河口の中州、黄金坪をパトロール。

兵士

Jacky Chen/Reuters


丹東市では、北朝鮮と国境を接する街というユニークな地理条件を生かし、鴨緑江を巡るツアーが行われている。

中国人観光客

ボートから降りる中国人観光客。

Kevin Frayer/Getty


ボートに乗って北朝鮮に近づく観光客。ボートでは、パンやビスケットを詰めた小さな袋が売られていることもある。観光客はそれを買って、北朝鮮の兵士や子どもたちに向かって投げると、オーストラリアのSBSニュー スは報じた。

ボートに乗った観光客

Kevin Frayer/Getty

出典:SBS News

結婚写真を撮るためにボートをチャーターしたカップル。

結婚写真を撮るカップル

Damir Sagolj/Reuters


鴨緑江の遊歩道には土産物の露店。中国や北朝鮮の国旗など、さまざまなものが並ぶ。

土産物の露店

Kevin Frayer/Getty


本やおもちゃのピストル。

本やおもちゃのピストル

Damir Sagolj/Reuters


揚げたカニ。

揚げたカニ

Damir Sagolj/Reuters


日が暮れると、住民はライトアップされた中朝友誼橋を背景に遊歩道をぶらつく。対岸の新義州市は完全に闇に包まれている。

ライトアップされた中朝友誼橋

Kevin Frayer/Getty


投資家は金委員長が2018年3月、北京を訪問したことによって、中国と北朝鮮の貿易が再び成長し始めることを期待している。

金委員長と習近平主席

3月、金委員長は中国を訪問。習近平主席と会談した。

KCNA/via Reuters

彼らは、最終的に、丹東市が香港と中国本土との間の南東境界線の都市で、その特有な立場で近年繁栄した、深セン市の次となることを望む。



[原文:Take a tour of the closest Chinese city to North Korea — the nearest thing to the outside world most North Koreans will ever see

(翻訳:Setsuko Frey、編集:増田隆幸)

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