Alex Wong/Getty, REUTERS/Rebecca Cook
- テスラの四半期決算発表において、同社CEOイーロン・マスク氏は、ウォーレン・バフェット氏の投資原則の1つを“時代遅れ”と語った。
- バフェット氏は自身が長年アピールしてきた「戦略的な堀」の重要性を繰り返すことでその批判に応えた。
- Business Insiderが取材したバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の2018年の定時株主総会の記事はこちら。
ウォーレン・バフェット氏にはイーロン・マスク氏の批判にかかわっている時間はない。
5月5日(現地時間)、ネブラスカ州オマハで開かれたバークシャー・ハサウェイの定時株主総会で、バフェット氏はテスラの決算発表でのマスク氏のコメントに関して質問を受けた。
マスク氏のコメントは、バフェット氏が長年アピールしてきた重要な投資の方程式の1つ、戦略的な「堀」に関するものだった。すなわち、ある業界への破壊的な新規参入を防ぐためのバリアになるものを戦略的な「堀」とする考え方についてだ。
「何よりも、“堀”は時代遅れだと思う」とマスク氏は語った。
「古風で、何やら素敵な考え方だ。だが進出してくる敵に対する防御が“堀”だけなら、その企業は長くは続かないだろう。重要なのはイノベーションのスピード。これこそが競争力の基本的な決定要因となる」
バフェット氏はこれに直接は応えていない。
「低コストな生産は、極めて重要な堀だ」とバフェット氏は応じた。その一方で、「イーロンはいくつかの領域で、逆転し、成功するかもしれない」と認めた。
またバフェット氏は「彼は、私たちに甘い思いをさせてはくれないと思う」とジョークを述べた。
バフェット氏は、投資先の1つであるガイコ(Geico)を引き合いに出し、マスク氏が声高にアピールする技術的な先進性は、それだけでは企業のコストを下げることはできないと続けた。
結局、バフェット氏は間違いなく、同氏がトライし、証明してきたやり方を続けていくだろう。マスク氏が好むと好まざるとにかかわらず。
Business Insiderが取材したバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の2018年の定時株主総会の記事はこちら。
(翻訳、編集:増田隆幸)