2009年から同価格! コストコはなぜロティサリーチキンを4ドル99セントで売り続けるのか

2009年から値上げなし! なぜコストコはロティサリーチキンは5ドルで売り続けるのか

チキンの価格は変えないとコストコは述べた。

Paul Sakuma/AP Images

  • コストコのロティサリーチキンは、2009年からずっと4ドル99セント
  • コストコの経営層は、お客様のためにコストを負担し低価格を維持することは幸せなことと語った。
  • だが、その裏には賢明な事業戦略がある。

コストコは、4ドル99セントのロティサリーチキンの価格を上げることよりも、利益を削ることを選択した —— だが、それは悪い戦略ではない。

ロティサリーチキン・ブームは1990年代に始まり、今も相変わらずの人気。コストコおよびニールセンによると、2017年、アメリカのスーパーマーケットでは6億2500万個のロティサリーチキンが売れた。コストコは2017年度に8700万個を販売、2010年度に比べて3600万個増加した。

その間に、従業員や調理にかかるコストは上がっており、ロティサリーチキンのコストもそれに伴って上がっている。だが、コストコは2009年から価格を変えていない—— 数年前、鳥インフルエンザが流行し、鶏肉の価格が上がった年でさえ

「他社がチキンの価格を4ドル99セントから5ドル99セントに値上げした際に、4ドル99セントの価格を維持することで、毎年3000万ドルから4000万ドルの粗利益を失う覚悟を決めた」とコストコのCFOリチャード・ガランティ(Richard Galanti)氏は2015年の決算報告の際に語ったとシアトル・タイムズは報じた

「生き残りをかけて決断した」

だが、これは間違った決断でもなければ、顧客のための無欲な優しさでもない。

コストコ店内

Charles Krupa/AP Images

コストコの戦略は“まとめ買い”をベースとしている。つまり、そのままでは顧客は頻繁には店舗に来ない。それを補うために、コストコはガソリンやフードコートの商品をはじめ、様々な商品を低価格で提供し、来店を促進している。そして、顧客が一度店舗に足を踏み入れれば、買うつもりのなかった商品を購入する確率は高くなる。

これはコストコだけの戦略ではない。他店も同じ戦略でロティサリーチキンを販売している。

「チキンとサラダを買った顧客は、ワインを1本、手に取るかもしれない。それが我々の考えていること」とシカゴの食料品店チェーンMariano'sのマーチャンダイジング担当バイス・プレジデント、ドン・フィッツジェラルド(Don Fitzgerald)氏は2018年1月、ウォール・ストリート・ジャーナルに語った

コストコは、より大型で効率的なオーブンを導入し、プラスチックの使用量が少ない容器を使用することで、チキンの調理にかかるコストを削減するための投資を行っていると同紙は伝えた。

また、3億ドルを投じて、ネブラスカ州に鶏肉の処理工場を建設中。ここでは週に200万羽のチキンが処理される予定で、さらなる原価削減が期待されている。

コストコはロティサリーチキンのみならず、1ドル50セントのホットドッグとソーダのセットの価格にも頑固な姿勢を保っている。このセットは提供が始まった1985年から値段が変わっていない。

コストコが発行している雑誌「Costco Connection」の2009年版で、出版部門のアシスタント・バイス・プレジデント、デビッド・フラー(David Fuller)氏はその理由を以下のように説明した

コストコは「ビジネスはフェアな利幅で運営しても、十分にやっていける」ことを証明したかったとフラー氏。

「価格をこれだけの長期間にわたって据え置きにすることは、『市場が払う価格』をベースにするのではなく、『原価』をベースにビジネスを運営した場合にどんなことができるかについて、明確なメッセージを発信している」

[原文:Why Costco charges only $4.99 for a rotisserie chicken

(翻訳:まいるす・ゑびす、編集:増田隆幸)

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