2020年までにHR(人材)ビジネスで世界No.1になる目標を掲げるリクルートの勢いが止まらない。
「人材募集のグーグル」とも呼ばれていたIndeedを2012年に約1000億円で買収したリクルートホールディングスが、求人企業レビューサイトを運営する米・グラスドア(Glassdoor)を約1270億円で買収する。
リクルートホールディングス・社長兼CEOの峰岸真澄氏。
REUTERS/Yuya Shino
リクルートは2018年5月9日、グラスドアの全株式を12億ドル(約1270億円)で取得することに合意したと発表した。株式の取得は2019年3月期第2四半期中に完了する予定だ。買収費用はリクルートが保有する現預金でまかなう。
2007年に米カリフォルニア州ミルバレーで創業したグラスドアは、求人情報検索サイト「glassdoor.com」を運営し、企業に関する口コミ情報を収集している。口コミの種類は、企業評価やCEO評価、給与、福利厚生の基本的な情報に加え、採用面接時の質問や感想なども含まれる。社員数は約750人で、77万社に関する4000万を超えるレビューを保有する。
GlassdoorのHPより
リクルートは、グラスドアのデータベースがIndeedの求人検索機能と補完関係にあると考え、今回の買収に踏み切った。買収後、グラスドアとIndeedは統合せず、協働しながら事業の拡大を図っていく。既存のグラスドア経営陣は引き続き運営の指揮をとるという。
そして、グラスドアの今後の運営と拡大の鍵を握っていくのが、リクルートホールディングス執行役員でHRテクノロジー領域の責任者である出木場久征氏。出木場氏は早くからIndeedの成長ポテンシャルを察知し、2012年の買収とその後のIndeedの拡大に大きく貢献してきた。
リクルートは「2020年に世界No.1」に向けてまた一歩、歩みを進めた。
(文・佐藤茂)