Reuters
- 「ティンダー(Tinder)」や「オーケーキューピッド(OkCupid)」「マッチ・ドットコム(Match.com)」といったデートアプリやサイトを運営するアメリカのマッチ・グループ(Match Group)の決算は、金融街の予想を上回った。
- 同社のCEOマンディー・ギンズバーグ(Mandy Ginsberg)氏は投資家に対し、フェイスブックの業界進出の脅威は、バーや教会、その他の独身者が恋人を見つける手段と変わらないと語った。デートアプリ市場は"それ1つでどのような場面にも通用する"ものではないと言う。
- マッチ・グループの最新の株価はこちら。
デートアプリ「ティンダー」などを運営するマッチ・グループは8日(現地時間)、第1四半期の決算を発表した。同社の業績は好調だが、人々の注目はフェイスブックの業界進出に集まっているようだ。
「短期的にはフェイスブックのデート機能をめぐる不透明さが、懸念材料となるだろう」投資銀行ジェフリーズ(Jefferies)のアナリスト、ブレント・ティル(Brent Thill)氏は顧客向けのメモに書いた。
マッチ・グループの株価は1日、フェイスブックがデート機能の追加を発表した後、20%以上急落した。だが、マッチ・グループはフェイスブックに市場シェアを奪われるとは心配していない。
同社はフェイスブックの潜在的な脅威に対して自身の立場を弁護し、投資家に対し、フェイスブックに顧客を奪われることはないと説明した。マッチ・グループのCEOマンディー・ギンズバーグ氏は9日に行われた電話会見で、バーや教会、その他の独身者が恋人を見つける手段同様、フェイスブックがマッチ・グループと直接競合し、その顧客を奪うことはないだろうと述べた。同氏はデートアプリ市場は"それ1つでどのような場面にも通用する"ものではなく、ユーザーは平均して3つのデートアプリを並行して使っていると指摘した。
「調査部門によると、大半の独身者はデータやプライバシーの観点から、フェイスブックをデート目的で使用したくないと考えています」ギンズバーグ氏は言う。「さらに重要なことに、友人や家族とつながる目的のソーシャル・ネットワークで、見ず知らずの人から連絡されたくはないのです」
ギンズバーグ氏はまた、同社の成長をけん引するティンダーのアプリが2017年、フェイスブックではなくSMSでサインアップできるようにしたところ、2カ月でフェイスブックでサインアップする新規ユーザーは100%から25%に減ったと明かした。ユーザーたちは、友人や家族とのネットワークとデートは分けたいと言う。
「フェイスブックのテクノロジーを通じてデート相手を探すユーザーが出てくる可能性はあり、それによってカテゴリー全体がさらに拡大するかもしれません」ギンズバーグ氏は言う。「我々の幅広いプロダクト・ポートフォリオがあれば、わたしたちはそこから利益を得ることができると考えています」
マッチ・グループは1株あたりの調整後利益を0.26ドルと報告、ブルームバーグが調査した金融街のアナリスト予想の0.24ドルを上回った。売り上げも4億740万ドルと、3億8615万ドルの予想を超える結果となった。
マッチ・グループの株価は2018年に入って8%以上伸びている。
(翻訳、編集:山口佳美)