中国の若者は海外ブランドより中国ブランドが好き —— スマホに続き、EVでも逆転なるか

ウィリアム・リー氏

打倒テスラを目指すNio

Ng Han Guan/AP

  • 中国の若者は、ヨーロッパ製品やアメリカ製品が中国製品より優れているとは考えていないようだ。かつて親世代はそう考えていた。
  • 自国製品への認識の変化は、中国のスマートフォン市場において中国メーカーがアップルを上回る一因となった。
  • EVスタートップ、Nioの創業者ウィリアム・リー氏は、中国の自動車市場において同社とテスラの間にも同じことが起き得ると考えている。

中国の消費者は数十年の間、海外製品に憧れ、欧米製品は中国製品よりも品質が高いと考えてきた。だが、その考え方は次第に覆されつつある。

1985年以前に生まれた中国人は、自国ブランドよりも「海外ブランドの方が高品質というマインドセット」を持っていると北京モーターショー2018でウィリアム・リー(William Li)氏は語った。

だが1985年以降に生まれた人々のマインドセットは異なる。

「私が初めてイギリスへ行ったのは1997年、中国とヨーロッパの差は極めて大きいと感じた」とリー氏。

「だが、1990年代に生まれた中国人は、ヨーロッパやアメリカを訪れても、大きな差があるとは思わない」

リー氏は、EVスタートアップNioの創業者、この新たなマインドセットがテスラとの競争に際して追い風になると考えている。

こうした中国の消費者のマインドセットの変化は、従来、欧米企業がシェアを獲得していた数々の市場で見られるようになった。クレディ・スイスが3月に発表した調査によると、中国の若者はますます「国内ブランドを好む」ようになっている。

調査によると、90%以上の若者が、中国ブランドの家電製品を好んで購入していた。また食品や飲料、日用品などを製造する中国企業の国内シェアは、この約10年で3.3%上昇し、70%近くにまで上昇したとニールセンは伝えた。

「中国の消費者、とりわけ若い世代は、海外ブランドの方が優れているという固定観念にとらわれていない。現在、中国の消費者は中国は優れており、メイド・イン・チャイナは全く悪いものではないと考えている」とクレディ・スイスの中国消費者調査部門の責任者チャーリー・チェン(Charlie Chen)氏は3月、サウス・チャイナ・モーニング・ポストに語った。

中国のスマートフォン市場はファーウェイ(Huawei)、OPPO、Vivo、シャオミ(Xiaomi)などの中国企業が押さえている。アップルはトップ5に入る唯一の海外企業だが、ここ数年で中国企業に大きくシェアを奪われた。

アップルのシェアは2015年の54%から、37%まで下落した。

リー氏は、スマートフォン市場での中国企業の躍進は、品質に関する認識の変化の他に、もう1つの要因があると考えている。つまり、スマートフォンは「ローカル・サービス、ローカル・ソフトウエア、ローカル・データで成立するほど」、ユーザーにより良いサービスを提供できることだ。

「だからこそ、サムスンやiPhoneは中国マーケットでシェアを減少させた」とリー氏は語った。

2015年にiPhone 6sでピークを迎えたアップルは、以降、シェアを大きく減らした。

2015年にiPhone 6sでピークを迎えたアップルは、以降、シェアを大きく減らした。

UBS

この流れは自動車業界にも影響を及ぼし始めている。中国メーカーは2017年、国内シェアの44.2%を獲得2014年は38.4%だった。リー氏は、今後10年で中国自動車メーカーのシェアは65%になるとの強気の姿勢を示した。

JAC(安徽江淮汽車)、ジーリー(吉利汽車)、SAIC(上海汽車)といった多くの中国メーカーの自動車の価格が海外ブランドと変わらなくなってきていることを考えると、このシェアの伸びは極めて目覚ましいものと同氏は続けた。

リー氏は中国の消費者の新しいマインドセットが、EVマーケットにも広がることを期待している。そうなればNioは、2017年に中国での売り上げを前年の倍となる20億ドルに伸ばしたテスラと戦うことができる。

テスラは現在、中国の高級自動車マーケットを席巻するステータスシンボルとなっている。だが、リー氏はNioや他の中国のEVメーカーは、「中国人消費者をより深く理解しており、独自のソフトウエアを開発して、消費者の好みに合わせることができる」ため、最終的には逆転するだろうと語った。

[原文:Chinese consumers don't idealize American products the way they used to — and that’s bad news for Apple and Tesla

(翻訳:忍足 亜輝、編集:増田隆幸)

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