若者の声をもっと政治に届けよう —— 超党派の若手国会議員が5月11日に記者会見を行い、「若者政策推進議連」の発足と登録団体の公募を発表した。5月24日付で設立し、年内に被選挙権年齢や供託金の引き下げ、インターネット投票導入の検討を進めながら、若者に関する政策に関する基本法の議員立法成立を目指す。
議連会長に就任予定の牧原秀樹衆院議員(右から3番目)。
記者会見には自民、公明、立憲民主、日本維新の会、共産の各党の議員が参加。これに国民民主党を加えた計6党が中心となって進めていく。現時点で参加を内諾しているのは約20人。引き続き、各党若手議員に呼び掛ける(内諾している議員一覧は記事の末尾)。
若者政策推進議連(以下、若者議連)を発足させる理由について、議連会長に就任予定の自民党・牧原秀樹衆院議員は「若者の投票率が低いと言われる一方で、2016年参院選において青年局長をやっていた時から、『こういう政策をやってほしい』という若者の声を聞いてきた。この議連では、党派の壁を超えて、そうした声を政策に生かす場にしていきたい」と語る。
また、立憲民主党の落合貴之衆院議員は「20年近く、若者の政治参加に関わっているが、残念ながら投票率は下がり続けている。このままでは、政治家になりたい人がいなくなり、政治を担う人材の裾野が狭まってしまう」と、若者の政治参加の現状について危機感を示した。
未曾有の国難を迎える我が国において、真に持続可能な社会をつくっていくためには、将来に責任を持つ世代が中心となり、未来志向の政策を実現していかなければならない。
このためここに「若者政策推進議員連盟」を設立し、若者の声を積極的に吸い上げながら、在るべき社会、そしてそれを実現するための施策等の検討を行っていく。
「若者政策推進議員連盟 設立趣意書」より
当面は「若者の政治参加」を検討課題とするが、将来的には働き方や社会保障など、若者政策全般を取り扱う。
若者議連が考える若者政策とは:(1)若者の政治参加など(直接的に)若者に関する政策、(2)社会保障や財政など(もっと広い範囲での)若者が責任世代として成し遂げるべき政策
若者と一緒に進める議連
「今まで国政に若者の声を直接届ける仕組みがなかったので、多くの若者団体に登録してもらいたい」と語る自民党・鈴木隼人衆議院議員
若者議連では、「若者が直接国政に声を届けることができる仕組み」を導入するため、議連に登録する若者団体を募集する。若者団体は議連のHPから登録すると議連の勉強会等に参加し、政策議論に加わることができる。
この記者会見に先立って3月20日に行われた若者団体との意見交換会では、将来世代が検証できるようにエビデンスに基づいた政策立案(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、EBPM)や、政策立案過程に若者がより参加できるよう政府の審議会に一定数の若者を参加させるなどの提言が行われた。
現時点で議連参加を内諾している議員は下記の通り。
自民党:牧原秀樹(衆)、小林史明(衆)、小倉将信(衆)、鈴木隼人(衆)、中曽根康隆(衆)、山下雄平(参)、佐藤啓(参)、元榮太一郎(参)
公明党:三浦信祐(参)、佐々木さやか(参)、平木大作(参)
立憲民主党:落合貴之(衆)、石川香織(衆)、中谷一馬(衆)、堀越啓仁(衆)
国民民主党:岸本周平(衆)、奥野総一郎(衆)、城井崇(衆)
日本維新の会:浦野靖人(衆)、丸山穂高(衆)、森夏枝(衆)
共産党:藤野保史(衆)(敬称略)
(文、写真・室橋祐貴)