GAPが犯し続ける「小売業における致命的なミス」とは ?

ギャップのセールの看板

ギャップは頻繁にセールを行うことで知られる。

Mallory Schlossberg/Business Insider

  • ギャップ(GAP)は頻繁に値引きセールを行っている。アメリカでは現在、オンラインで購入すれば最大70%オフになるセールの最中だ。
  • 小売業者の中には、こうしたセールの規模を縮小する動きもあるが、ギャップにその気配はない。
  • モルガン・スタンレーによると、2月と3月のセールはここ7年間で最も多かったが、4月は前年に比べて少なかった。

ギャップ値引き天国だ。

アメリカでは、その店頭およびオンライン・ストアで、12日夜(現地時間)まで「ほぼ全てのアイテムが」50%オフになっていた。オンラインで買えば、さらに20%オフになるという。

これは集客のためのマーケティング戦略というだけではない。Business Insiderがオンライン・ストアをチェックしたところ、数少ない限定アイテムを除き、ほぼ全てのアイテムが値引きされていた。

夏向けのジーンズ

夏向けのジーンズは、すでにセールになっていた。

Gap

今回のセールは4日間限定だったが、ギャップが値引きセールを行うのは、まれではない。実際、店頭に掲げられた40%オフの表示は見慣れた光景だ。

複数の店の値引き動向を追跡しているモルガン・スタンレーの「四半期値引き指数」によると、ギャップ社の2月と3月のセールはここ7年間で最も多かったが、4月は前年に比べて少なかった。

同レポートによると、アメリカン・イーグル(American Eagle)やアバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)といった競合他社も2018年の第1四半期には値引きを積極的に行っていた

だが、こうした値引きセールは、マイケル・コース(Michael Kors)やコーチ(Coach)、ラルフローレン(Ralph Lauren)といった多くの小売業者の動きとは異なる。これらの店舗は値引きセールはブランドイメージを傷つけるとして、セールを減らす考えを示している。

Business Insiderはギャップにコメントを求めたが、回答は得られていない。

ラルフローレンのCEOパトリス・ルーベ(Patrice Louvet)氏は2017年8月、値引きが同社のブランドイメージと利益率の脅威になっていると述べた。ルーべ氏は、買い物客は「エキサイティングな」アパレルにしかお金を使わないと言い、「似たような商品を次から次へと値引きしたところで、エキサイティングとは言えない」と語った。

不況の中、価格を重視する消費者にアピールするため、アメリカの小売業者はこの10年、大規模な値引きを行ってきた。その結果、消費者は値引きに慣れ切ってしまい、なかなか正規の価格で買うという発想がなくなった。

ギャップやバナナ・リパブリック(Banana Republic)、オールド・ネイビー(Old Navy)といったブランドを手掛けるギャップ社のCEOアート・ペック(Art Peck)氏は、セールを減らすことを「チキン・ゲーム」に例えた。

小売業者がセールを行う主な理由の1つは、在庫整理だ。抱える在庫が増えすぎないよう、ギャップを含め、多くの小売店がその合理化と縮小を模索している。

2017年の最初の決算発表で、ペック氏はギャップの商品がデザインから店頭に並ぶまでにかかる時間を10カ月から10週に短縮したと述べた。

サプライチェーンのスピードを速めることで、ギャップは変化するトレンドにより速く対応することができる。在庫も提案するスタイルも、より需要にあったものにすることが理想だ。そうすることで、値引きセールに回さなければならない売れ残りを減らすことができる。

これが実現するかどうかは、これからだ。

[原文:Gap is doubling down on one of retail's deadliest mistakes (GPS)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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