まさにカオス…… 写真で見る、アメリカ大使館の移転で激化するイスラエルとパレスチナの衝突

デモ

イスラエルの国境付近ではタイヤが燃やされていた(ガザ地区、2018年5月14日)。

.AP Photo/Adel Hana

アメリカ大使館のエルサレム移転をめぐり、パレスチナのガザ地区とヨルダン川西岸地区では14日(現地時間)、大規模な抗議デモが起きた。

イスラエル軍の銃撃により、少なくともパレスチナ人52人が死亡、2400人以上が負傷した

アメリカのトランプ大統領は2017年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館をテルアビブからエルサレムに移すと発表していた。

国際社会の大半はこの動きを非難し、トランプ大統領の決断がこの地域に暴力をもたらすのではないかとの懸念が広まっていた。こうした恐れは14日、大使館の開設にパレスチナ側が激しく反発、イスラエル軍と衝突したことで、現実のものとなった。

現地の混乱を写真で紹介しよう。


アメリカ大使館がエルサレムに開設されたこの日、ガザ地区とヨルダン川西岸地区ではパレスチナ人が数千人規模の抗議デモを実施。これを抑えようと、イスラエル軍が出動した。

集まるパレスチナ人

イスラエルとの国境付近に集まるパレスチナ人たち(ガザ地区、2018年5月14日)。

Mohammed Salem/Reuters

抗議デモはガザ地区を中心に起きた。

地図

Samantha Lee/Business Insider

デモには男性だけでなく、女性や子どもも参加。

デモに参加する女性

Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

イスラエル軍の銃撃により、少なくとも52人のパレスチナ人が死亡、数千人が負傷している。

催涙ガスの攻撃から逃れようとするパレスチナ人たち

イスラエル軍の催涙ガス弾から逃れようとするデモ参加者。

Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

デモの参加者に対し、イスラエル軍は手りゅう弾や催涙ガス、実弾を使用した。

手りゅう弾を投げるイスラエルの国境警備隊

パレスチナ人のデモ参加者に対し、手りゅう弾を投げるイスラエルの国境警備隊(ベツレヘム、2018年5月14日)。

Mussa Qawasma/Reuters

デモに参加するパレスチナ人の中には、石やその他の物体をイスラエル兵に向かって投げる者もいたが、多くは平和的に抗議を唱えていた。

石を投げるデモ参加者

スリングを使ってイスラエル兵に向かって石を投げるパレスチナ人デモ参加者。

Mohammed Salem/Reuters

パレスチナ側の広報担当者は国際社会に対し、「我々の勇気ある人々に対するイスラエル軍による恐ろしい虐殺」を止めるよう、介入を呼びかけた。

催涙ガス弾を撃つイスラエルの国境警備隊

パレスチナ人デモ参加者に向け、催涙ガス弾を撃つイスラエルの国境警備隊。

Mussa Qawasma/Reuters

15日は、イスラエルの建国により、数十万のパレスチナ人が住む場所を失った「ナクバ」から70年を思い起こす日だ。

避難するパレスチナ人

デモの最中に怪我を負い、避難するパレスチナ人。

Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

アメリカ大使館の移転は更なる侮辱だとして、多くのパレスチナ人がナクバの前日に立ち上がった。

遺体を抱く男性

病院の霊安室で弟の遺体を抱く男性。デモに参加し、亡くなったという。

REUTERS/Mohammed Salem

エルサレムに大使館を移転するというトランプ大統領の決断は、国際社会から広く非難されていた。大統領の決断がこの地域に暴力をもたらすと恐れたのだ。

燃えるタイヤを動かすデモ参加者

ヨルダン川西岸地区で燃えるタイヤを動かすパレスチナ人デモ参加者。

Mussa Qawasma/Reuters

こうした恐れは14日、現実のものとなった。

バリケードを組む

ヨルダン川西岸地区のラマラ近くで、バリケードを組むパレスチナ人デモ参加者。

Mohamad Torokman/Reuters

一方で、新たな大使館の開設に際し、トランプ大統領の娘婿で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏は一連の暴力を非難した。

大声で抗議する男性

大声で抗議する男性(ガザ地区、2018年5月14日)。

Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

「今日まで続く抗議活動とそれが招く暴力は問題の一部であり、解決策の一部ではない」クシュナー氏は述べた。

搬送されるパレスチナ人医療関係者の女性

イスラエル軍が撃った催涙ガス弾に遭い、搬送されるパレスチナ人医療関係者の女性。

Mohamad Torokman/Reuters

14日の暴力と国際社会の懸念にもかかわらず、トランプ大統領は「イスラエルにとって大きな日だ。おめでとう! 」とツイート、エルサレムの大使館開設を祝った。

避難するデモ参加者

イスラエル軍が撃つ催涙ガス弾から避難するパレスチナ人デモ参加者。

Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

大使館の移転をめぐっては、何週間も前から抗議デモが続いていた。

燃えるタイヤを蹴るデモ参加者

Mohammed Salem/Reuters

人権団体は、ガザ地区での動向に強い懸念を示している。

パレスチナの旗を掲げる少年

黒煙が立ち込める中、パレスチナの旗を掲げる少年(ガザ地区)。

AP Photo/Khalil Hamra

アムネスティ・インターナショナルは、状況は「国際法及び人権に対する許しがたい違反、侵害だ」と説明している。

負傷した若者を搬送する医療関係者

デモの最中に負傷した若者を搬送するパレスチナの医療関係者(ガザ地区)。

AP Photo/Adel Hana

民主党のチャック・シューマー上院議員など、アメリカの政治家の中には、トランプ大統領の大使館移転の決断を歓迎する者もいる。

デモに参加する女性

AP Photo/Adel Hana

しかし、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員など、デモに対するイスラエルの対応に注目する政治家もいる。

スローガンを唱えるデモ参加者

タイヤを燃やし、スローガンを唱えるパレスチナ人デモ参加者(ガザ地区)。

AP Photo/Khalil Hamra

サンダース議員は14日、「武器を持たないデモ参加者をイスラエルが銃撃するのは、ハマスの暴力によって正当化されるものではない」とツイートした。

石を投げるデモ参加者

抗議デモの最中、イスラエル兵に向かって石を投げるパレスチナ人デモ参加者(ガザ地区)。

AP Photo/Khalil Hamra

衝突は15日、さらに悪化する見込みだ。

黒煙を背に歩くパレスチナ人女性

AP Photo/Khalil Hamra

抗議デモがエスカレートするにつれ、犠牲者の数は増え続けている。

ひまわり畑

ガザ地区に隣接するイスラエル側に広がるひまわり畑。後方には煙が漂う(2018年5月14日)。

REUTERS/Amir Cohen

[原文:Unbelievable photos show how chaotic the scene is on the ground where Israeli forces are killing Palestinians protesting the US embassy move]

(翻訳、編集:山口佳美)

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