稼ぐリクルート、求人検索エンジンIndeedが好調 —— グラスドア買収で収益増を狙う

リクルートホールディングスの収益が過去最高を更新した。売り上げは初の2兆円を超え、海外企業買収を積極的に続けてきたリクルートの海外売上高は1兆円を突破した。

リクルート・銀座

メディア&ソリューション事業は依然としてリクルートの稼ぎ頭。伸び率ではIndeedを核にするHRテクノロジーが断トツだ。

Business Insider Japan

リクルートの売上高は2018年3月期、前年比12%増加し2兆1734億円となった。企業価値を評価する指標の一つである利払い前・税引き前・減価償却前利益(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization=EBITDA)は2584億円で、11%増加した。

規模ではメディア&ソリューション、伸び率はHRテクノロジーが断トツ

リクルートのビジネスは、HRテクノロジーとメディア&ソリューション、人材派遣の3つのセグメントで構成されている。その中で一番太い柱がメディア&ソリューション事業で、連結ベースEBITDAの60%(1561億円)を占める。人材派遣ビジネスは2番目に大きく727億円。求人情報検索のIndeedをコアに置くHRテクノロジーのEBITDAは306億円と、メディア&ソリューションの5分の1程度に過ぎない。

一方、3セグメントの伸び率を見ると、HRテクノロジー事業が一番大きく2018年3月期は83%(EBITDAベース)と驚異的な成長を遂げている。当然、成長をドライブさせているのがIndeedだ。Indeedの売り上げは前年から61%増え19億7600万ドル(約2170億円)となったが、2011年度と比較すると23倍の増加を記録している。

メディア&ソリューションは一番の稼ぎ頭ではあるが、EBITDAベースの伸び率では3.1%と3セグメントの中では低い。2018年3月期は、住宅と飲食分野における領域で売上収益が減少し、結婚と旅行分野は微増にとどまった。また、国内市場における派遣社員の実稼働者数が継続的に増加する中で、リクルートの人材派遣事業のEBITDAは11%の2桁成長を実現させている。

リクルートホールディングス峰岸真澄社長

2018年5月15日、リクルートホールディングスの収益が過去最高を記録したと説明する峰岸真澄社長。

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リクルートは2018年5月に、求人企業レビューサイトを運営する米グラスドア(Glassdoor)を約12億ドル(約1300億円)で買収すると発表している。今後、求人検索のIndeedとレビューのグラスドアを組み合わせることで、人材採用のプロセスのさらなる効率化を狙い、収益の拡大を図っていく。

5月15日の決算発表会登壇した峰岸真澄社長兼CEOは、HRテクノロジーに投資を集中させていくとした上で、「アメリカで強いブランド力を持つグラスドアとIndeedは補完関係にある。求職者にとっても、企業にとっても採用のプロセスを効率化していきたい」と話した。

グラスドア株式の取得は2018年7月〜9月に完了する予定だが、リクルートは2019年3月期、2兆3020億円(5.9%増)の売上収益を見込む。EBITDAの見通しは、前年比10%増の2850億円とした。

(文・佐藤茂)

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