相次ぐ企業買収で急拡大を続けるRIZAPグループの売り上げと利益が、いずれも過去最高に達した。2018年3月期決算では、グループ全体の売り上げ(売上収益)は約1362億円だったが、今期(2019年3月期)は一気に1.8倍の2500億円を目指すという。
瀬戸健社長は「前期の先行投資によって、今期は大幅な増収増益を見込んでいる」と述べた。
決算について説明するRIZAPグループの瀬戸健社長。
RIZAPグループが2018年5月15日に発表した2018年3月期決算によると、売上収益は、前年の同期と比べて約42%増え、約1362億円。営業利益も約135億で約33%増えた。
グループの事業の柱は「ボディメイク事業」だが、積極的なM&A(合併・買収)を続けている。瀬戸氏は「我々は、M&Aにともなう、毎月平均で10社を超える調査を行っている。その中で1社のM&Aが成立するかどうかだ」と説明する。
グループを構成する企業の分野はアパレル、インテリア、雑貨、出版などと極めて幅広い。2018年4月には、プロサッカーチームの湘南ベルマーレの株式49.95%を取得している。前期中に、新たにグループに加わった主な企業は以下のとおりだ。
- トレセンテ=ブライダルジュエリーなど宝飾品の販売
- 堀田丸正=意匠撚糸の製造・販売など
- ビーアンドディー=スポーツ用品の小売
- ワンダーコーポレーション=書籍、ゲーム・音楽・映像ソフトの販売・買取など
- サンケイリビング新聞社=サンケイリビング新聞の発行など
女性用下着の販売などを手がけるマルコは、2016年7月にRIZAPグループに入った。グループ入り前の2016年3月期には、営業利益が6億円の赤字だったが、グループ入り後の2018年3月期には9億円の黒字に転換した。
インテリア雑貨のパスポートは2016年5月にグループに入った。2017年3月期の営業利益が5億5900万円の赤字だったが、2018年3月期には1億5100万円の黒字を達成したとしている。
一方で、カジュアルウェアを販売するジーンズメイトは2017年2月にグループに入った。2017年3月期は、営業利益が8億2900万円の赤字だったが、2018年3月期は、6億900万円の赤字。赤字幅こそ減少したものの、黒字転換には至っていない。今期は、路面店の出店を抑える一方で、ショッピングセンターへの出店を強化する計画だ。
瀬戸氏は「下降トレンドの会社にグループに入ってもらっている。企業を再生して、赤字になる予定の企業を黒転(黒字に転換)していることが非常に大きい」と強調する。
相次ぐM&Aなどにともない、グループの負債の合計は約77%増え、1314億9200万円となった。
(文・写真:小島寛明)