ウラン-9
Screenshot/YouTube via Russian Defense Ministry
ロシアは5月上旬、無人のロボット戦闘車両「ウラン-9(Uran-9)」をシリアに配備したと発表した。ロシア国営メディアのスプートニクが伝えた。
ウラン-9は、この発表の数日前、モスクワの赤の広場で毎年行われる戦勝記念パレードに登場した。
スプートニクは、ウラン-9は「シリアでの戦闘でテストされた」と伝えた。シリアでは7年間も内戦が続き、死者数は40万人以上と伝えられる。そのシリアでロシアは最新兵器をアピールし、実戦に投入している。
一方で、ナショナル・インタレストは「ウラン-9が戦闘に使用されたのか、シリアのどこに配備されたのかは定かではない」と伝え、ディフェンス・ニュースも、なぜウラン-9を戦闘で見かけないのかと疑問を投げかけた。
ウラン-9は離れた場所からリモコンで操作し、対戦車ミサイル、ロケットランチャー、機関砲などの装備を誇る。詳細を見てみよう。
開発は国営企業ロソボロネクスポート(Rosoboronexport)、2016年9月に初めて公開された。
偵察、歩兵支援などを行うウラン-9。2018年の戦勝記念パレードにて。
Reuters
専用車両からオペレーターが手動あるいはプログラムによって操縦。操縦可能な範囲は車両から約3キロ以内。
ウラン-9を操縦する様子。プロモーションビデオより。
Screenshot/YouTube via Rosoboronexport
各種センサー類、レーザー警戒システム、熱/電気光学カメラを搭載。
Screenshot/YouTube via Russian Defense Ministry
出典 : army-technology.com
武装は、9M120アカータ対戦車ミサイル×4、シュメーリMロケットランチャー×6、30mm2A42機関砲×1、7.62mm機関銃×1。
Screenshot/YouTube via Russian Defense Ministry
出典 : army-technology.com
自動砲塔からの視界。日中は約4マイル(約6キロ)先の目標を自動で捉えることができる。だが、射撃はオペレーターが操作する。
Screenshot/YouTube via Rosoboronexport
だが武装の詳細よりも、武装しているという事実の方が重要だろう。
Rosoboronexport
ディフェンス・ニュースは以下のように記した。
「無人戦闘車両をいかに展開し、操縦するかは今後の課題であり、現在の戦場における差し迫った問題。操縦が戦術レベルにあるとすれば、どの階級の者が操縦するのか。全ての行動に対して常に責任者がいて、オペレーターはウラン-9をタブレットを使って、離れた場所から操縦するのか? 車両はオペレーター(あるいはその上官?)にどのような情報を送り返すのか? ターゲットの決定は自動で行われるのか、射撃の前に人間が確認するのか? 映像で操縦するとしたら、不正アクセスをいかにして防ぐのか」
出典 : Defense News
ロシア国防省による映像。
ロソボロネクスポートによる映像。
[原文:Russia says it has deployed its Uran-9 robotic tank to Syria — here's what it can do]
(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)