売り上げ増! 米大手百貨店が見出した"小売業の崩壊"を生き抜く術とは

買い物客

Reuters/Natalie Behring

  • アメリカの百貨店メイシーズ(Macy's)の第1四半期決算は市場の予想を上回り、その売り上げは2期連続で増加した。顧客が店舗に回帰していることを示した。
  • 顧客を呼び込むため、同社は値引きセールを行うよりも、店舗での体験を向上させることに力を注いできた。
  • メイシーズの成功は、消費者が依然として実店舗に価値を見出していることの表れだ。
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メイシーズは、"小売業の崩壊"を生き抜く術を見つけたようだ。

2018年第1四半期決算で、同社の売り上げは2期連続で増加したことが分かった。歴史あるメイシーズの回復力を投資家に示した形だ。

ショッピングモールの閉鎖が続くアメリカでは小売店の数も減少しているが、メイシーズは売り上げの回復がまぐれでないことを証明した。これは、継続的な値引きよりも体験を提供することで、顧客を取り戻そうとする新たなスタートだ。

「望みがある、というのは重要なことだ」ニューヨークに拠点を置く、小売業専門のコンサルティング会社Retail DoctorのCEOボブ・フィブス(Bob Phibbs)氏はBusiness Insiderに語った。「どんなビジネスでも、戦いに勝つのはちょっとした差だ」

宣伝や値引きセールに依存するのではなく、メイシーズはようやく顧客が求めるものに耳を傾けるようになったと、フィブス氏は指摘する。オンラインでは、アマゾンのような企業が検索エンジンとともに卸売店のような機能を果たし、消費者は常により安い価格を見つけることができる。小売業者が生き残るためには、ブランドを安っぽく見せる値引きを続けることで消費者の気を引くのではなく、"他の店にはない何か"を提供する必要があると、フィブス氏は言う。

実際、同社はビクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)シアーズ(Sears)といった小売店が陥っている大幅値引きの繰り返しからは脱出したように見える。顧客を失い続けるノードストローム(Nordstrom)も、セールは顧客にとって魅力的ではないと認めている。

「我々のビジネスは生活必需品を扱っているわけではない」メイシーズのCEOジェフリー・ジェネット(Jeffrey Gennette)氏は、直近の決算発表の会見で述べた。「我々が扱うのは体験だ」

同社は最近、ニューヨーク・シティにあるコンセプト・ショップ「STORY」を買収した。このショップは、何か新しいものがないかと顧客が店舗に戻ってくるように、6~8週間ごとに在庫を入れ替えている。VRやAR(拡張現実)も導入し、売り場の家具を客の実際のリビングに置いたらどうなるか確認できるオプションもある。店内でのショッピング体験を向上させるため、モバイル決済も採用している。スターバックスやチポトレ(Chipotle)にように、メイシーズは会計をスムーズにし、列に並ぶ必要をなくそうと投資している。

フィブス氏は、顧客がどこへ向かっているのか、何を求めているのかを予測するデータが活用できれば、伝統的な小売業者もeコマースの時代に成功することは可能だと考えている。こうしたデータがあれば、より需要にあった在庫を揃えることができるため、値引きをする必要がなくなり、顧客がオンラインで注文した商品を実店舗で受け取れるようになれば、無料配送サービスを提供するよりもコストを大幅に抑えられると同氏は言う。

「小売業界でこれほど激しい競争は見たことがない」ジェネット氏は言った。「そして、我々はどうすればビジネスを成功に導けるのか、毎日全力で取り組まなければならない」

メイシーズの1株あたりの調整後利益は0.42ドルと、ブルームバーグのアナリスト調査の予想0.35ドルを上回った。既存店売り上げも4.2%増と、金融街の予想1%を大きく上回った。

メイシーズの株価は2018年に入って25%近く伸びている。

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Markets Insider

[原文:Macy's has figured out the formula to survive the retail apocalypse (M)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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