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- モルガン・スタンレーは、アメリカの航空会社が利益率を上げ、株価を回復するためには、乗客の定員を減らさなければならないと指摘した。
- 直感に反するかもしれないが、燃料価格の高騰は航空会社の利益率を上げる可能性がある。
- アメリカの全ての航空会社の株価は、2018年に入って伸び悩んでいる。
アメリカの航空各社の株価は、ここ数カ月低迷している。モルガン・スタンレーは今週、航空会社が乗客の定員を減らさない限り、この傾向は続くだろうと顧客向けのメモで警告した。
2018年に入って燃料価格は高騰しているが、モルガン・スタンレーは以前、これは航空各社にとって、より賢くお金を使わなければならなくなることから、良いことだと述べていた。そして、投資家はありえないと考えているかもしれないが、増大するコストの埋め合わせをすべく乗客の定員を減らさなければ、株価は伸びないだろうという。
「燃料価格の高騰と供給に対する懸念が合わさって、航空各社の株価は低迷し続けるだろう」モルガン・スタンレーのアナリスト、ラジーブ・ラルワニ(Rajeev Lalwani)氏は16日(現地時間)、顧客向けのメモの中で述べた。「各社の業績改善のためには、乗客の定員削減が必要だと我々は考えている。特にビッグ4(デルタ、サウスウエスト、アメリカン、ユナイテッド)に関しては」
フライト時の空席という形で現れる"過剰な定員"は、航空各社にとって座席の売れ残りや、ひいては利益率の低下を意味する悪い知らせだ。残念なことに、モルガン・スタンレーは定員削減の可能性は低いと言うが、決算発表の時期が近付くにつれ、投資家の頭に最初に浮かぶのはこの点だろう。
「現在の業績見通しに幹部が満足しているとは思えないが、何らかの大きな発表があるとは見ていない」ラルワニ氏は言う。
アメリカの4大航空会社の株価は、2018年に入ってからいずれも下がっている。最も値を下げているのはサウスウエスト(22%減)で、同社は客室の窓が割れ、犠牲者を出す事故にも見舞われた。大手4社の中で最もパフォーマンスが良いのはユナイテッド・コンチネンタル(1.32%減)だ。一方、S&P 500は同じ時期に約1%上がっている。
「航空各社の株価がここから上がっていくためには、利益率の拡大が目に見えることがカギだと我々は見ている」モルガン・スタンレーは言う。「我々の意見では、その最初の一歩は燃料価格が高騰した環境で、増大するコスト削減のために達成されるだろう」
[原文:The airlines need to make an unlikely move to boost performance (UAL, AAL, LUV, DAL)]
(翻訳、編集:山口佳美)