iPadが仕事用に使えない2つの「欠陥」

アップルは今週、「Mac Pro」の新型モデルについて、多くのことを明らかにしたが、iPhoneとiPadのようなタッチスクリーン機能の搭載は当面期待できなくなった。

iMac Retina 5Kディスプレイモデル

iMac Retina 5Kディスプレイモデル。 素晴らしいが、タッチ機能はない。

Skye Gould/Tech Insider

アップルの広報担当者はその理由をこう説明した。

他社は全ての製品にタッチ操作を搭載しようとしたが、結果としてできたのは妥協の産物であり、本来あるべき優れたノートPC体験、優れたタブレット端末体験を奪ってしまった。iPhoneやiPad、トラックパッドまで、アップルはマルチタッチテクノロジーの採用においてパイオニアだ。私たちは優れた顧客体験と商品を届けることに注力しており、それを可能にしているのがタッチスクリーンだ。だが他の製品では、それぞれの特性に合わせてよりよいキータッチの方法を実現する。『MacBook Pro』のためのタッチバーを開発したのもその一環だ」

最後の一文はさておき(筆者はタッチバーが便利だとは思わない)、アップルの伝統的な製品「Mac」デスクトップシリーズが、タッチインターフェイスと距離を置くことに関しては、受け入れられることだ。

マイクロソフトのやり方は違う。Business Insiderのマット・ワインバーガー(Matt Weinberger)は、巨大なキャンバスに絵を描けるiMacのような、マイクロソフトのデスクトップPC「Surface Studio」を気に入っている。しかしアップルは、製品間の差別化を図り、顧客に複数の商品を買うことを促している。

マイクロソフト

デスクトップPCの画面に絵を描きたいなら、マイクロソフトだ。アップルではそうはいかない。

Darren Weaver/Business Insider

どちらの哲学が優れているのか? ビジネスの観点では、アップルの戦略が正しい。コンピュータが欲しいなら、Macを買うといい。タッチスクリーンがほしいなら、iPhoneもしくはiPadを買おう。アップルは、それらの機能が1つになった「オールインワン」製品ではなく、一緒に使うことでより高いパフォーマンスを発揮できるよう設計している。2つの製品を両方とも購入してほしいのだ。

私が同意できないのは、この部分だ。

何年もの間、iPadを所有している者として、私はiPadがオールインワン製品を超えるアイテムだと信じている。iPadは堅実なデスクトップと素晴らしいiOSの混合体だ。そして私は、本当にそれがノートパソコンに置き換わる存在になり得ると考えている。実際に2~3年間、旅行や課題進行のときに、メインコンピュータとしてiPadを使用した。iPadはまた、素晴らしいブルートゥース機能を搭載した画面プロテクターにもなるLogitech(ロジテック社)のキーボードのおかげで、最良のポータブル機器にもなった。しかし、ここ2年のiPad(特にiPad Proシリーズ)のPRは、ノートパソコンの代替機を目指すものではない。だが、mini、Proを含むすべてのiPadはたった2つの簡単なことを改良してくれれば、より有用なデバイスになり得るし、ノートPCを代替できるだろう。

1)適切なファイルシステム「Finder」

iCloudドライブ

iPhoneとiPadに搭載のiCloudドライブ。Macに搭載されたFinderの安定性には遠く及ばない。

Dave Smith/Business Insider

iOSは、ハードドライブの全てのファイルとドキュメントを、文字で検索できるFinder(ファインダー)のような管理システムがビルトインされていない。

断っておくが、アップルはiPhone、iPad、またはMacで保存したファイルにアクセスするための方法として、2014年にiCloudドライブを発表した。しかしそれは不安定で、フォルダを新規作成したり、フォルダ名を変えたり、ユーザーに使い勝手がいいようにドキュメントを整理するなどのカスタマイズが自由にできない。一部のフォルダの名前を変更したり、好みに合わせて並び替えることはできるが、それらはMac側で行う必要がある。さらに、ファイルは全てアプリごとのフォルダに分けて保存される。

一方、Macには、ファイル検索から管理まで、ワンストップでかなえてくれるFinderがある。Finderは、私のMacで最も使用頻度の高いアプリだ。自分が作成したあらゆる書類を探すことができ、1つのフォルダに異なるタイプの書類を保存できるため、それら全てを後から簡単に見つけ出すことができる。簡単にフォルダを作成し、削除し、自分の好みによって編集できる。私にとって、Finderは必須であり、なぜそれに匹敵するiOS版アプリがないのか不思議でならない。この種のシステムは、おそらくiPhoneではあまり重要ではないのだろう。しかしそれはおそらく、iPadがノートパソコンの後継機器になり得ない最も大きな理由だ。あらゆるデバイス(特にiPad)において、適切にファイルを並べ替えたり、再編成することは可能なはずだ。

2)マウスとトラックパッドのサポート

アップルはそのマルチタッチテクノロジーを愛している。しかし、もし同社が人々に、より多くのiPadを購入してほしいと望むなら、より多くのインプット方法を許容すべきだ。特に、デスクトップコンピュータの歴史において最も使用され、また従来の機能の1つであるマウスを使えるようにすべきだ。

私は1日の大半をPCの前で過ごす。タッチスクリーンは、正確さ、細やかさに欠ける。スクリーンをタッチするために腕を伸ばさなければならず、写真やビデオ編集では特に効率が悪い。小さな5インチのiPhoneスクリーンに限って言えば、タッチスクリーンはすばらしい。しかし、10インチもしくは12インチのiPadになったとき、その使い心地は「素晴らしい」とは言い難い。

「Magic Mouse 2」

「Magic Mouse 2」

Apple

アップルには、iPadでもブルートゥース機能を搭載したマウスとトラックパッドを使えるようにしてほしい。アップルはこれらの周辺機器を用意しているが、どちらもiPadでは使えないのだ。 私は膝の上やコーヒーテーブルの上で作業できるiPadの携帯性を愛している。ブルートゥースキーボードおよびマウス、トラックパッドが使えればなおいい。アップルは、170ドル(約18600円)のスマートキーボードと100ドル(約11000円)のアップルペンシルがiPadをさらに完全な「プロ」仕様にしてくれるとアピールするが、iPad用のブルートゥースマウスやトラックパッドは発表されなかった。

この件についてアップルに問い合わせたところ、同社はiPadがキーボードを用意する理由を明快に説明してくれた。

「人々はすばらしいタイピング体験を望んでいます。このキーボードがあれば、より速くタイピングできます」

だが、マウスとトラックパッドも、iPadでの作業効率を上げてくれるはずだ。アップルはこの件についてはまだ明確な回答ができていない。彼らはスクリーンの細かな部分にタッチするためにアップルペンシルを使うよう勧めるが、私がiPad、iPhone、Macを所持する理由は、そもそもペンシルを使いたくないからだ。

私は心から、アップルがiPadにこれらの機能を追加することを願っている。今でもすばらしいデバイスではあるが、PCの代わりにはならない。 キーボードはよくなったが、今のままではiPadを安心して仕事に使うことができない。

※この記事は筆者の主張に基づくものです。

[原文:Apple could make the iPad a true laptop replacement if it just had these 2 simple features

(翻訳:本田直子)

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