Wayalandの完成予想図。
Pierpaolo Lazzarini
世界中で海沿いの都市が、海面上昇によってますます危機に晒されている。
未来指向の建築家や都市プランナーの中には、浮遊都市が解決策になると考える人たちがいる。海面が上昇しても、そこに浮かび、洪水を避けることができるからだ。
イタリアの建築事務所ラッザリーニ・デザイン・スタジオ(Lazzarini Design Studio)は、Wayalandと名づけた浮遊都市のコンセプトデザインを作成した。太陽光エネルギーを利用した豪華なピラミッド型の住宅で、CEOのPierpaolo Lazzarini氏は、アラブ首長国連邦やイタリアの海岸沖での建設を目指している。
だが、Wayalandはまだ設計プロセスが始まったばかり。
2018年5月、同事務所は最初のピラミッドを建設するための費用、約42万ドル(約4600万円)をクラウドファンディングで集め始めた。クラウドファンディングの最初の支援者は、国が浮遊都市を公式に都市として認めた場合、Wayalandの「市民」になることができる。
詳しく見てみよう。
Wayalandは20個のピラミッドで構成される。
Pierpaolo Lazzarini
家が10軒、20室のスイートを備えた3つのホテル、2つのレストラン、その他にまだ用途が決まっていない小さな建物が5つ。
Pierpaolo Lazzarini
初期の計画によると、1つは温室になる予定。
Pierpaolo Lazzarini
温室では葉野菜やトマトなど様々な作物を栽培。
Pierpaolo Lazzarini
最大の建物は高さ100フィート(約30メートル)、10階建て。総面積は約7万2100平方フィート(約6700平方メートル)。
Pierpaolo Lazzarini
家の価格は未定。
Pierpaolo Lazzarini
だが、きっと豪華だろう。
Pierpaolo Lazzarini
ピラミッドのデザインは、マヤと伝統的な日本建築を組み合わせたものからインスピレーションを得たとLazzarini氏は我々に語った。
Pierpaolo Lazzarini
グラスファイバー、カーボンファイバー、スチールで作られ、4本のケーブルが海底に伸びている。水位に合わせて上下する。
Pierpaolo Lazzarini
太陽光エネルギーが各建物に電力を供給。
Pierpaolo Lazzarini
モーターも付いており、移動できる。
Pierpaolo Lazzarini
ピラミッドの中心部には、居住者や訪問者がボートをとめられるスペースがある。
Pierpaolo Lazzarini
最初に建設されるピラミッドは、2階建の小さなホテルになる予定。建設費用は約42万ドル。同事務所はクラウドファンディングでの調達を考えている。
Pierpaolo Lazzarini
1200ドル(約13万円)出資すると、ホテルに一泊できる。クラウドファンディングが不成立の場合、全額が返金される。
Lazzarini氏にとって、水上プロジェクトはこれが初めてではない。同氏は2013年、ジェット・カプセル(Jet Capsule)と名づけた卵型のモーターボートの販売を開始した。
Pierpaolo Lazzarini
現実的には、Wayalandが建設される可能性は極めて小さい。似たような構想を描いた建築家は、地面から離れた設計における困難に直面した。多くの場合、沿岸域の浮遊都市の建設に対して、厳しい環境面での規制が存在する。
Pierpaolo Lazzarini
だが現時点では、同事務所は2022年までに最初のピラミッドの建設完了を目論んでいる。
Pierpaolo Lazzarini
コンセプトビデオは以下。
[原文:This proposed city of $420,000 floating pyramids is seeking 'citizens']
(翻訳:Setsuko Frey、編集:増田隆幸)