グラタビニュム(Gratavinum)などのナチュラルワインが議論を巻き起こしている。
Gratavinum/Facebook
- ナチュラルワインはごくわずかな添加物、もしくは無添加で作られたもの。ワインの最新トレンドとソムリエの最高峰と称される“マスターソムリエ”のアルパナ・シン氏は語った。
- 同氏によると、ナチュラルワインの評価は業界の中でも分かれている。
- ナチュラルワインは従来のワインに比べると、発泡していたり、味がばらついて、不鮮明なこともある。
次にディナーに出かけた際、店のワインリストに見慣れない言葉を見かけるかもしれない —— ナチュラルワインだ。
ナチュラルワインは、Nomaなどの世界最高峰のレストランで提供され、マンハッタンの新興レストランではワインリストのほとんどをナチュラルワインが占めている。だが、マスターソムリエによると、ナチュラルワインの評価は業界の中でも分かれている。
ナチュラルワインは、保存料や添加物をごくわずかに使用、もしくは無添加で作られたワイン。マスターソムリエのアルパナ・シン氏は「発泡している」ことがあり、「奇妙な」香りがすると語った。特に「納屋のような」香りがするとのことだ。
我々は、複数のレストランを経営する元テレビ司会者で料理評論家でもあるシン氏に、シカゴで開催されたジェームズ・ビアード・リーダーシップ・アワード(James Beard Leadership Award)の会場で、ミレニアル世代を中心としたロゼブーム以外のワイン業界でのトレンドについて聞いた。
シン氏は人気が高まり、議論を巻き起こしているナチュラルワインを新トレンドとしてあげた。
「ワインが論争を招くことがあるとすれば、ナチュラルワインは大論争を招いている。関係者の中でも、ナチュラルワインのメーカーが酸化防止剤として硫黄を使わないことについて意見が分かれている。時々、発泡していることがあったり、奇妙な香りがすることもある」と同氏は語った。
「ワインはクリーンで、納屋のような香りがしてはならないという人がいれば、一方で『違う、添加物を加えず、地球と大地に忠実に作られたものが、ワインのあるべき姿』という人もいる」
マスターソムリエのアルパナ・シン氏。
Sarah Jacobs/Business Insider
ガーディアンは最近の記事で議論が分かれるナチュラルワインを取り上げ、「従来のワインよりも香りが強く、不鮮明で、ジュースっぽく、酸味が強くて、ブドウの味に近い」と記した。
シン氏は人気が高まるにつれ、顧客への説明が重要になっていると指摘した。
「説明は不可欠。顧客はフレッシュで、クリーンで、メリハリのあるソーヴィニヨン・ブランのようなワインを期待している。だがナチュラルワインは、発泡していたり、不鮮明で、奇妙な香りがし、酸味が強い。すると顧客は『このワインは悪くなっているのではないか?』と思う。それに対して『違います。これはこういうワインなのです』と説明しなければならない」
個人的に、シン氏はナチュラルワインを否定しない。だが「キャベツのような香りがする飲み物を飲みたくないときもある」と語った。
(翻訳:忍足 亜輝、編集:増田隆幸)