ロボットの活躍シーンはますます増えていく。
Ocado
- 米スーパー大手クローガー(Kroger)は、英ネットスーパー大手オカド(Ocado)と提携し、食料雑貨50品をわずか数分で梱包できるロボット倉庫の建設を目指す。
- この提携により、オカドはアメリカのスーパー業界の未来を左右する強大な力を手にすることになる。
- オカドのチーフ・テクノロジー・オフィサー、ポール・クラーク氏は、ハーバード・ビジネス・レビューで、同社のロボットに関する考え方を披露し、その将来を垣間見せてくれた。
- 「今はまだAIの“黎明期”。消費者はまだその真価を実感していない。だが、その時が来たら、AIは強力な新しいドラッグとなるだろう」
クローガーはアマゾンと戦うための、強力な新しい武器を手に入れた。
英ネットスーパー大手オカド(Ocado)だ。オカドは食料雑貨50品をわずか数分で梱包できるロボットを持っている。
クローガーは5月17日(現地時間)、オカドの最先端テクノロジーをアメリカに導入するために同社と提携したと発表。提携の一環としてオカドは、アメリカ最大級のスーパー、クローガーが近未来的なロボット倉庫を少なくとも20カ所に建設することを支援する。
この提携により、ロボットを「強力な新しいドラッグ」と捉えているオカドは、アメリカのスーパー業界の未来を左右する強大な力を手にすることになる。そしてクローガーも、アマゾンと戦うための強力な援軍を手に入れた。アマゾンは現在、複数の都市で食料雑貨の配送を買収したホールフーズの店舗から行っている。
「オカドが現在保有しているオンラインスーパーのフルフィルメント(受注、決済、配送などの一連の作業)のサポートにおけるロジスティクスとテクニカル面での専門性によって、クローガーはこの分野においてウォルマートとアマゾンの双方を凌駕するかもしれない」とカンター・コンサルティング(Kantar Consulting)のダイアナ・シーハン(Diana Sheehan)氏は語った。
これは、アメリカの消費者にとって何を意味するだろうか?
すなわち、食料雑貨のオンラインで、より早く、より安価な商品配送が実現するということだ。また同時に、ロボットの存在感も高まる。
オカドのチーフ・テクノロジー・オフィサー、ポール・クラーク氏は、ハーバード・ビジネス・レビューの記事で、同社のロボットに関する考え方を披露し、その将来を垣間見せてくれた。
「今はまだAIの“黎明期”」とクラーク氏。
「消費者はまだその真価を実感していない。しかし、その時が来たら、AIは強力な新しいドラッグとなるだろう。消費者は、全ての製品がこの新しいレベルのスマートを持つことを求め、アプリやサービスがさらにスマートになることを渇望し、その他のAIと“スマートに連携”することを期待するようになる」
クラーク氏によると、オカドは顧客の注文に対応するために「多数の専用ロボット」を「高度に自動化された」倉庫の中で稼働させている。
同氏はまた、社会におけるロボットの役割に対して壮大なビジョンを抱いており、ロボットは「人間の心では解決できない」問題を解決するための鍵になると語った。
「この分野への理解を深めることは、進行する高齢化社会において、いかにしてリモートで医療、介護、そして人との交流を提供するかといった大きな社会課題に挑戦することにつながる」と同氏。
「AIは気候変動、環境汚染、貧困といった課題がもたらす影響を覆すことにも役立つかもしれない。全てが我々の手の中にある今、この技術をうまく活用することが極めて重要だ」
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)