世界で最も安価なプライベートジェットは、まさにゲームチェンジャー

世界で最も安価なプライベートジェット

シーラス・エアクラフトのビジョン・ジェット。

Hollis Johnson/Business Insider

  • シーラス・エアクラフトのビジョン・ジェットは小型、単発、カーボンファイバー製のプライベートジェット
  • 価格は約200万ドル(約2億2000万円)、世界で最も手頃なプライベートジェットで、競合のほぼ半額。
  • 乗員は最大7名。
  • 最大巡航速度:時速約555キロ、実用上昇限度:2万8000フィート(約8500メートル)、最大巡航距離:約1850キロメートル(最大巡航速度での飛行時)。

ほとんどの人にとって、ジェット機を所有することは現実ではなく夢のような話。結局のところ、プライベートジェットに何百万ドルも費やすことができる人はほとんどいない。

だが、シーラス・エアクラフト(Cirrus Aircraft)は最新のビジョン・ジェット(Vision Jet)で、夢を現実に近づけようとしている。

ビジョン・ジェットの価格は約200万ドル(約2億2000万円)。現在、最も手頃なプライベートジェットで、価格は競合のほぼ半額。

シーラス・エアクラフトはもともとは1980年代半ばに、シーラス・デザインとして設立された。小型、単発のプロペラ機でよく知られている。ビジョン・ジェットは同社の歴史に新たな1ページを加えた。

同社のマット・バーグウォール(Matt Bergwall)氏によると、ビジョン・ジェットは同社にとって新規顧客の獲得のみならず、ジェット機への乗り換えを決断した既存顧客の維持にも役立つ。

ビジョン・ジェットの開発には10年以上かかった。試作機は2008年に初飛行を行ったが、金融危機で開発が遅れた。事実、ビジョン・ジェットの生産は2016年12月まで待たなければならなかった。

Business Insiderは、ビジョン・ジェットを体験する機会を得た。我々は、バーグウォール氏とビジョン・ジェットが待つニュージャージー州モリスタウン空港に向かった。

2017年、ホンダジェット(HondaJet)を体験した空港だ。

世界で最も安価なプライベートジェット、シーラスのビジョン・ジェットを見てみよう。

シーラスのビジョン・ジェット! モリスタウン空港で我々を待っていた。

シーラスのビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


全長:約9.4メートル、全高:約3.3メートル、全幅:約11.8メートル。主な競合機は、

シーラスのビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


ホンダジェットとセスナのサイテーション ムスタング。だが両機とも価格は倍近い。

ホンダジェット

ホンダジェット。

Hollis Johnson

関連記事:5億5000万円のHondaJetに乗ってみた。プライベートジェットの新境地だ。

組み立てはミネソタ州ダルースにある同社工場。

ミネソタ州ダルースにある同社の工場

Cirrus Aircraft


すぐに周りの機との違いに気づく。実際は写真で見るよりも大きい。最大の特徴はV字尾翼、そして、

ビジョン・ジェット、後方から

Hollis Johnson/Business Insider


機体の上部にあるウィリアムズ・インターナショナル製FJ33-5Aターボファンエンジン。ノズルはわずかに上方を向いており、高温のガスが機体後部に当たることはない。

ビジョン・ジェット。後方から。

Hollis Johnson/Business Insider


エンジンのクローズアップ。

機体上部に取り付けられたエンジン

Hollis Johnson/Business Insider


推力は1800ポンド(約820キロ)。

エンジン

Hollis Johnson/Business Insider


同社の全ての飛行機と同様に、CAPSという緊急パラシュートシステムを搭載。ノーズの中にある。

ビジョン・ジェット。前方から。

Hollis Johnson/Business Insider


テスト飛行でパラシュートを使用したところ。

パラシュートを使用したところ

Cirrus Aircraft


機体はアルミニウムではなく、カーボンファイバー製。カーボンファイバーはアルミニウムよりも軽くて強い。

カーボンファイバー製のビジョン・ジェット。

Hollis Johnson/Business Insider


キャビンの後ろには貨物室。

荷物室

Hollis Johnson/Business Insider


カーボンファイバー製の壁が見える。

荷物室の内部

Hollis Johnson/Business Insider


乗り込むと、驚くほど広いキャビンと、大きな窓が目に入る。

ビジョン・ジェットのキャビン入口

Hollis Johnson/Business Insider


キャビンは大人5名と子供2名用のスペース。幅は約1.6メートル、高さは約1.2メートル。立ち上がることは難しい。

客室

Hollis Johnson/Business Insider


革張りの内装は心地よく快適。素材と製造の品質は確かなようだ。

革張りの内装

Hollis Johnson/Business Insider


USBに加えて、オプションのエンターテインメント・システムもある。緊急用にブラインドで覆われたトイレもある。

USBとオプションのエンターテイメントシステムのプラグ。

Hollis Johnson/Business Insider


コックピットはパイロットが1人で操作できるよう設計されている。

ビジョン・ジェットのコックピット

Hollis Johnson/Business Insider


直感的なグラスコックピットはガーミン製。

ガーミン製のコックピット

Hollis Johnson/Business Insider


3つのタッチスクリーンが並び、管制官とのやりとりからナビゲーションシステム、無線まで全ての操作が可能。

タッチスクリーンのクローズアップ

Hollis Johnson/Business Insider


パイロットの頭上には、緊急用の酸素マスクとパラシュートのレバー。

酸素マスクとパラシュートのレバー

Hollis Johnson/Business Insider


乗り心地は? まさしく信じられないものだった。

ビジョン・ジェット、前方から。

Hollis Johnson/Business Insider


エンジンの始動は、自動車にあるようなスタートボタンを押すだけ。

エンジンの始動ボタン

Hollis Johnson/Business Insider


操縦はサイドスティックで行う。

サイドスティック

Hollis Johnson/Business Insider


離陸すれば、パイロットは最新のARシンセティック・ビジョン・テクノロジーが使える。特に悪天候時に有用なツール。

ARシンセティック・ビジョン・テクノロジー

Hollis Johnson/Business Insider

※ARシンセティック・ビジョン・テクノロジー:コンピューターで機体周辺の状況を映像化する技術。

バーグウォール氏の操縦で、驚くべきペースで滑走路を進んだ。離陸距離はわずか2036フィート(約620メートル)。

離陸に向かうビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


離陸後、我々はニューヨーク市周辺の混雑した空を飛んだ。バーグウォール氏は、この機が本当にジェット機であることを管制官に説明しなければならなかった。高度を約2500フィート(約760メートル)に保つ必要があったため、最初の数分はかなり揺れた。だが、いったん高度1万6000フィート(約4900メートル)まで上昇すると安定した。

飛行中のコックピット

Hollis Johnson/Business Insider


騒音はかなり大きい。会話にはヘッドセットが必要だった。ホンダジェットでは必要がなかったものだ。

飛行中のコックピット

Hollis Johnson/Business Insider


前面は温室のようなデザインで、前方にある2つの座席は、キャビンにある席よりも温度が5〜6℃くらい高くなる。

コックピット付近。外から。

Hollis Johnson/Business Insider


翼を見ると、ゴム製の防氷ブーツが見える。

ゴム製の防氷ブーツ

Hollis Johnson/Business Insider


シーラスによると、最大巡航速度は高度2万8000フィート(約8500メートル)で、時速約555キロ。

ビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


最大巡航速度の時速約555キロ、高度2万8000フィートで飛行した場合、最大巡航距離は約1850キロメートル。経済巡航速度の時速約444キロの場合、最大巡航距離は約2220キロメートルまで伸びる。つまりロサンゼルスからカンザスシティへ、ダラスからニューヨークへの飛行が可能。

ビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


現在までのところ、販売は非常に好調、約600機が売れた。つまり、同社は今後数年をかけて、納入していかなければならない。だが、納入を待つだけの価値があると感じた。

ビジョン・ジェット

Hollis Johnson/Business Insider


[原文:I flew on the cheapest private jet in the world and it's truly a game changer

(翻訳:conyac、編集:増田隆幸)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい