いくつかの言語は、他の言語よりも学ぶのが難しい。
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- 言語の中には、他の言語よりも学ぶのが難しい言語がある。
- 英語を母国語とする人にとっては、日本語やアラビア語、ハンガリー語といった言語を学ぶのは特に難しい。
- 英語とは大きく異なる文法体系や発音、特徴がその理由だ。
新しい言語を学ぶことは有益な経験かもしれないが、他の新しいスキル同様、多くの練習と努力が必要だ。
当然のことながら、一部の言語は他の言語よりも習得に時間がかかる。アメリカ国務省の外務職員局(FSI)は、英語を母国語とする一般人が他の言語を習得するまでにかかった時間に基づいて、世界で最も人気のある言語を5つのカテゴリーに分類した。
Business InsiderはFSIの基準にしたがって、学ぶのが最も難しい9つの主要言語をまとめた。これらの言語を習得したいと思うなら、少なくとも1000時間、場合によっては2200時間を勉強にあてる心構えをしておこう。
英語を母国語にする人にとって、習得が最も難しい9つの外国語は以下のとおり。
1. 日本語
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ネイティブ・スピーカー:1億2800万人
言語が使われている場所:日本
難しい理由:英語を母国語とする人にとって日本語が難しい理由は、複数の文字表記があり、流暢に読むためには何千もの文字を記憶する必要があるからだ。
日本語はまた、状況によって形式が異なるハイ・コンテクストな言語でもある。「あなた(you)」のような代名詞でさえ、話している相手によって10を超える異なる言い方がある。
2. アラビア語
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ネイティブ・スピーカー:3億1500万人
言語が使われている場所:中東一帯、アフリカ北部および北東部
難しい理由:アラビア語を読むのは、英語を話す者にとって非常に難しい。使われているアルファベットは異なり、母音は省略され、英語と共通する単語はほとんどない。
3. 北京語
Vivek Prakash/Reuters
ネイティブ・スピーカー:9億900万人
言語がつかわれている場所:中国北部および南西部
難しい理由:北京語はイントネーションの違いによって、意味が変わる声調言語だ。例えば、音節「ba」はトーンによって、「8」「引き出す」「持つ」「パパ」のいずれかを意味する。
北京語はまた、数千の文字を持つ複雑な文字体系だ。世界で最も会話に使われている言語だが、習得するのは容易でない。
4. 広東語
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ネイティブ・スピーカー:5900万
言語が使われている場所:中国南部、香港、マカオ
難しい理由:北京語同様、広東語も声調言語だ。ただ、広東語の場合、単語の発音に8種類の異なるトーンがある。これは北京語の2倍だ。
5. 韓国語
Dylan Martinez/Reuters
ネイティブ・スピーカー:7700万人
言語が使われている場所:韓国、北朝鮮
難しい理由:英語を母国語とする人にとって、韓国語が難しい理由の1つに発音が挙げられる。例えば、ニ重子音は単一子音とは異なる発音になる。さらに、韓国語は文末に動詞が来るなど英語とは語順が異なり、敬体と常体を表すマーカーを必要とする複雑な文法体系だ。
6. ハンガリー語
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ネイティブ・スピーカー:1300万人
言語が使われている場所:ハンガリー
難しい理由:ハンガリー語の文法は格体系を中心に構築されていて、特定の単語がどのように組み合わさり、変化するかを決める18の名詞格がある。さらに、ハンガリー語にはいくつかの母音(á、é、í、ó、ö、ő、ú、ü、ű)と子音(cs、gy、ly、ny、ty、sz、zs)があり、英語を母国語とする人にとっては発音が難しい。
7. ベトナム語
Thomson Reuters
ネイティブ・スピーカー:6800万人
言語が使われている場所:ベトナム
難しい理由:ベトナム語は、単語の意味を決める6つの異なるトーンを持つ声調言語だ。母音の数が多いため、英語を母国語とする人にとっては難しい。
文法に関しては、ベトナム語には英語よりも多くの代名詞があり、「類別詞」という、特定の文脈で名詞が変わる特別な単語が使われている。英語を母国語とする人にとっては使い慣れないものだ。その難しさは、「激しい嵐の中での困難を、ベトナム語の文法をマスターする難しさと比べるな」と言われるほどだ。
8. コサ語
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ネイティブ・スピーカー:800万人
言語が使われている場所:南アフリカ、ジンバブエ、レソト
難しい理由:コサ語は、吸着音を使用する多くのアフリカの言語の中の1つ。 歯の裏、口の上部、口の側面の3つの異なる場所ではっきりと発音される18の吸着音がある。
コサ語は高音と低音の2つのトーンを持つ声調言語だ。話者は、名詞の性別に一致する15の名詞格のうちの1つを示す必要がある。言語学者が「膠着語」と呼ぶコサ語には、特定の文脈で単語に付く接頭辞と接尾辞が数多くある。
9. アイスランド語
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ネイティブ・スピーカー:35万人
言語が使われている場所:アイスランド
難しい理由:これまで紹介してきた8つの言語同様、アイスランド語には、単語の文法的役割を表すために異なる語尾を割り当てる格体系がある。例えば、QuoraユーザーのAtli Geir Lárussonさんによると、アイスランド語で「ここに馬がいる」「馬について」「馬から」「馬に」は、それぞれ「hér er hestur」「um hest」「frá hesti」「til hests」になる。
[原文:9 of the hardest languages for English speakers to learn]
(翻訳:Setsuko Frey、編集:山口佳美)