Kickstarter
- 世界初の3Dヘッドフォンを開発するという触れ込みで、OssicはクラウドファンディングサイトのKickstarterとIndiegogoで300万ドル(約3億3000万円)を集めた。
- 同社は2万2000件のプレオーダーを獲得、1件あたりのコストは199〜299ドル。
- 同社は先週末、資金不足で事業を停止すると発表した。
- Ossicによると、出荷したヘッドフォンは250セットのみ。支援者の出資金は戻ってこない。
クラウドファンディングに苦労して稼いだお金を注ぎ込むことは、すなわちリクスを負うこと。常に実現しない可能性がある。
直近の失敗事例は、3DヘッドフォンメーカーのOssic。同社はKickstarterで270万ドル、Indiegogoで50万ドルを集め、2万2000件のプレオーダーを獲得していた。1件あたりのコストは199〜299ドル。
だが同社は事業を停止、もうヘッドフォンは出荷できないとウェブサイトで告知した。支援者の出資金は戻ってこない。
「我々は追加の資金調達ができなかった。もうお金がない」とウェブサイトには記されていた。
Tech Insider
「可及的速やかに事業を停止する。我々はこの6カ月間、献身的に業務を行った。無給で、会社存続のためにあらゆる手を尽くした」
またウェブサイトには他の出資者から数百万ドルを集めたと記されていた。
Ossicによると、同社が作ったヘッドフォンは、250セットのみ。主に999ドルの「開発者用ユニット」だ。
同社はサラウンドサウンドを実現するVRヘッドフォンを開発するために資金を集めた。世界初の3Dヘッドフォンと呼ばれ、多くのセンサー、チップ、ソフトウエアを搭載していた。
2016年、テックインサイダーはKickstarterでのキャンペーンを紹介。Ossicは、ヘッドフォンはユーザーの耳や頭の形を計測し、ユーザーごとにサウンドをカスタマイズするとアピールしていた。
テックインサイダーはその時、Ossic X ヘッドフォンのプロトタイプを試し、「まるでオーディオのVR」と記した。
ヘッドフォンは頭の位置を追跡することも可能だった。今後の主流となり、VRアプリにはこの機能が組み込まれた可能性もあった。
ポピュラーサイエンス、マッシャブル、ゲーム・インフォーマーをはじめ、多くのゲーム系、テック系の雑誌やウェブサイトが同社のヘッドフォンを取り上げた。
Ossicのメンバー。
Indiegogo
新しいハードウエアを作ることは大きな挑戦。企業はアジアの複雑な工場事情に精通し、また多くの場合、生産スケジュールを確保するために数百万ドルの前金を支払わなければならない。全ては今までにない製品を作るためだ。
だが結局、そうしたチャレンジはOssicのチームには荷が重すぎた。
この事態に抗議する支援者のフェイスブックグループのメンバーは、48時間で1800人に達したとグループの管理者は語った。
「グループへの参加を感謝します。この馬鹿げた事態から大きなリターンを得るという目標が達成できることを心から願っています」とグループの管理者は記した。
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Indiegogo
(翻訳、編集:増田隆幸)