ソフトバンクがスマホ初心者向け段階定額制プランを発表 ── ドコモ、auのプランと違いは?

ソフトバンクショップ

ソフトバンクは段階制の新プランを発表した。

ソフトバンクは、段階定額制の新データ通信プラン「おてがるプラン」を発表した。提供開始は6月29日。初めてスマートフォンを利用するユーザーであれば、基本料と合わせて月額2480円(税抜)からソフトバンク回線を維持できる。

しかし、発表になったプランの詳細を見る限り、段階制定額プランを導入済みのNTTドコモとauへの“単なる後追い”ではないようだ。

関連記事:本当に安い? ドコモ新料金「ベーシックパック」 —— 検討するなら「月間使用5GB未満の低容量ユーザー」

狙いはフィーチャーフォンからの乗り換えユーザー

ソフトバンク おてがるプラン 料金表

初めてスマートフォンを利用した場合の「おてがるプラン」の料金表(表内はすべて税抜)。ソフトバンク光など対象の固定回線を契約していると、ここから500円(税抜)の割引が受けられる。

Business Insider Japan

ソフトバンク新プランのターゲットは“フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)からスマートフォンへ乗り換えるユーザー”だ。

おてがるプランは、ソフトバンクもしくは他社におけるフィーチャーフォンのユーザー、または6歳から18歳までの新規契約者であれば、月ごとのデータ通信料が1GBまでなら480円、2GBまでなら1480円、3GBまでなら2480円(税抜)となるプラン。同社の「iPhone SE(32/128GB)」もしくは「Android One S3」の購入時にのみ契約できる。

Android One S3

例えば、Androidスマートフォンであれば、1月26日に発売された「Android One S3」のみが対象。

出典:ソフトバンク

また、基本プランとして、24時間国内通話し放題の「スマ放題」(月額2700円税抜)、1回につき5分以内の国内通話が無料となる「スマ放題ライト」(月額1700円税抜)への加入が必須だ。

プランとしては既存のソフトバンクのスマートフォンユーザーも対象機種と対象プランを選択すれば加入できるが、その場合は2年目以降のデータ通信量がそれぞれ+1000円(税抜)となる。対象端末も決して性能重視ではないコストパフォーマンスの高いスマートフォンが選ばれていることから、“乗り換えユーザー狙い”であることは確実だろう。

あえて3GBで速度制限がかかるプラン

多段階定額制のデータプランでは、auが「auピタットプラン」、ドコモは「ベーシックパック」をそれぞれ展開している。しかし、後発であるソフトバンクのおてがるプランは他2キャリアとは大きな違いがある。

それは、データ通信量が3GB以上になると通信速度が上下ともに最大128kbpsに制限されるという点だ。auとドコモのプランの場合は、3GB以降も段階的に料金が上がっていき、20GB以降はソフトバンクと同様の通信制限が課せられる。

スマートフォンを既に使いこなしている人であれば、“3GB”は日常で使ってしまうような容量。けれども、通話やメールがメインでフィーチャーフォンを利用していたユーザーはそこまで多くの容量は必要なく、また料金も上がりすぎない方がよいということだろう。

実際、ソフトバンクの広報担当に今回のプランの提供の意図を聞いたところ「お客様に安心して低料金で使っていただくため」と答えている。

ドコモとauには「完全に同じ」プランはない

ドコモとauにも料金が抑えられる初心者向けのプランはあるのか、各社広報に問い合わせてみた。

●NTTドコモ

ドコモ ベーシックパック

ドコモはベーシックパック+docomo withでオススメ。

出典:NTTドコモ

── フィーチャーフォンからの乗り換えを検討している方へ、オススメのプランはどれになるでしょうか?

ドコモ広報:個人向けのベーシックパックまたは家族向けのベーシックシェアパックに加え、対象機種の購入とご契約で毎月1500円(税抜)引きとなる「docomo with」をオススメしております。

── ベーシックパックは20GBまで料金が上がっていくプランですが、一定の容量で通信を制限できる仕組みはありますか?

ドコモ広報:制限できる仕組みはありませんが、次のステップ(料金)に上がる200MB前にお知らせメールをお送りしています。一方、ベーシックシェアパックであれば、代表回線からのお申し込みで回線ごとの上限容量を設定していただけます。

●au(KDDI)

auピタットプラン

auはピタットプランをオススメ。

出典:KDDI

── フィーチャーフォンからの乗り換えを検討している方へ、オススメのプランはどれになるでしょうか?

KDDI広報:auピタットプランになります。また、対象機種の端末料金が最大3万7800円(税込)割引となる「初スマホ割」も実施中です。

── auピタットプランは、20GBまで料金が上がっていくプランですが、一定の容量で通信を制限できる仕組みはありますか?

KDDI広報:制限方法はありません。次のステップ(料金)までの残りデータ量は「デジラアプリ」や「データチャージサイト」でご確認いただけます。


ちなみに、おてがるプランの条件に合わせて「月間1GBまで」かつ「5分間かけ放題」「光回線セットや長期利用特典を除く」で毎月の料金を計算すると、ドコモは月額3400円(税抜、docomo with適用後)、auは1年目・2480円(税抜、2年目以降は3480円税抜)となる。

3キャリア比較

各キャリアオススメのプランで、通話は「5分かけ放題」、データ量は「1GB以内」、「光回線セットや長期利用特典を除く」で試算した結果(表内はいずれも税抜)。

Business Insider Japan

したがって、ソフトバンクのおてがるプランと完全に同じものは他2キャリアにはない。フィーチャーフォンからの乗り換えを考えており、スマートフォンで通話も含め手軽に使いたいというユーザーにはオススメできる。

(文、撮影・小林優多郎)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み