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- カナダロイヤル銀行(Royal Bank of Canada)は、台湾の表記を「国」から「中国の省」に変更した。
- おそらく2018年、金融機関としては初のケースだろう。台湾の表記に関する中国からの政治的要求を受けてのことだ。
- 2週間ほど前に、カナダの航空会社が中国民用航空局からの要求を受けて、同様の変更を行ったばかり。
カナダロイヤル銀行は、台湾の表記を「国」から「中国の省」に変更した。
同行の顧客が、台湾に送金しようとした際、表記が「台湾(中国の省)」となっていることに気づいたとされる。スター・バンクーバー(Star Vancouver)が伝えた。
同行は、変更した時期についてのスター・バンクーバーの質問には答えず、代わりに「ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)の表記を利用した」と述べた。
「顧客のニーズに対する我々のコミットメントの一環として、台湾の表記を変更するためにシステムのアップデートを行う予定」と同行は声明で述べた。
カナダロイヤル銀行のウェブサイトでは現時点、まだ複数箇所で台湾は国として記載されている。だが、間もなく新たな表記に変更されるようだ。
台湾外交部の広報担当者は報道メディアに対して、問題を認識しており、駐カナダ代表処(大使館に相当)に対して同行とカナダ政府に懸念を表明し、同行の措置の取り消しを求めるよう伝えたと述べた。
中国政府は台湾を1つの省と見なし、しばしば国際的な場でその主張を繰り返している。
2018年、現在までに中国は、ウェブサイトで台湾を国と記載している数多くの外国企業に対して、表記を変更するよう警告した。マリオットホテル、ザラ、ギャップは、いずれも中国当局からの要求に直面している。また数十の航空会社が4月、同様の文書を受け取った。
エア・カナダを含め、少なくとも18の航空会社が要求を受け入れた。エア・カナダの予約ページは以前、台北の空港の所在地を「TW」と記していたが、今では「CN」となっている。CNだと、台湾かどうか分からない。
現状、エア・カナダのウェブサイトでは「Taiwan, CN(台湾、中国)」となっている。
(翻訳、編集:増田隆幸)