「ライトボックス・ジュエリー」は、デビアスが初めて手掛ける合成ダイヤモンドのブランドだ。
Lightbox Jewelery
- デビアス(De Beers)は、合成ダイヤモンドを販売する新たな会社を立ち上げた。
- こうした「手頃な」人工ダイヤモンドは、価格にうるさいミレニアル世代をターゲットにしたものだ。
- 合成ダイヤモンドは「カーボン・シード」と呼ばれる非常に小さなダイヤモンドにガスと熱を加えて作られる。
ダイヤモンド生産の最大手が、合成ダイヤモンドが与えるインパクトは本物だと認めた。
かつて人工の石を売ることはないと明言していた世界の天然ダイヤモンド市場の約30%を握るデビアスは29日(現地時間)、合成ダイヤモンドのみを販売する新しい会社を立ち上げると発表した。
これは同社にとって歴史的な瞬間だ。そして、人工の石に対する同社のこれまでの発言に逆らうものだ。
「デビアスの焦点は、天然ダイヤモンドだ」デビアスの調査開発の元責任者サイモン・ローソン(Simon Lawson)氏は2015年、ブルームバーグに語っていたと、CNN Moneyは報じた。「我々はその売り上げを食うようなことはしない」
デビアスが新たに立ち上げた「ライトボックス・ジュエリー(Lightbox Jewelry)」は、その社会的、経済的な意識の高さからダイヤモンドの代替品を選ぶ傾向が強まっているミレニアル世代を狙うものだ。9月から販売開始となるライトボックス・ジュエリーの価格帯は、200ドル(0.25カラット)から800ドル(1カラット)だ。
フォーブスが引用したモルガン・スタンレーの報告書によると、合成ダイヤモンドは2020年までに市場シェアの7.5%を獲得する可能性がある。
ライトボックス・ジュエリーにリリースの中で、デビアスのCEOブルース・クリーバー(Bruce Cleaver)氏はこうした合成ダイヤモンドを手頃な代替品と位置付けている。「永遠」ではないが「今」は理想的だと言う。
合成ダイヤモンドは見たところ、天然ダイヤモンドとよく似ている。これらのダイヤモンドは非常に小さなダイヤモンドのかけらから作られていて、採掘されたダイヤモンドと物理的構造も化学組成も同じだ。ダイヤモンドの「シード(種)」にガスと熱を加えることで、ゆっくりとダイヤモンドが形成される。
その過程は10~12週間だ。
「裸眼では見えなくても、拡大すれば簡単に区別がつく」ように、クリーバー氏はデビアスの合成ダイヤモンドにはロゴを入れると言う。
同氏はまた、その価格は他の製造業者のものよりも手が届きやすく、色の展開もより大胆なものになると述べている。
「我々の大規模な調査によって、消費者が合成ダイヤモンドをどう見ているかが分かってきた。おもしろくてかわいい、高すぎない商品だ。ここに、これまで見過ごされてきたチャンスがあると我々は考えている」クリーバー氏はリリースの中で述べた。
これは、より安価な合成ダイヤモンドが価格にシビアなミレニアル世代の志向をうまく捉えているというだけの話ではない。これらのダイヤモンドは、社会的な意識の高い商品を買いたいというミレニアルのもう1つの志向を捉えているのだ。"ブラッド・ダイヤモンド"のリスクがない合成ダイヤモンドを選ぶことで、彼らは心穏やかに眠ることができる。
(翻訳、編集:山口佳美)