Flickr/Marco Verch
- ペットフード最大手の3社は、競合ブランドの脅威にさらされている。
- 消費者の志向の変化が、市場シェアに変化をもたらしている。
- ペットを飼う人々は、ペットの健康にも関心が高い。より健康的なフードを買うために、より多くを払うこともいとわない。
- ペットフード会社にとっては、最も良いフードを売ることが競争に勝つ道だ。
ペットフード業界の最大手は、後続に気を付けなければならない。
現在、業界を独占しているのは、ネスレ(Nestle)の「ピュリナ(Purina)」、マース(Mars)の「ロイヤルカナン(Royal Canin)」、コルゲート(Colgate)の「ヒルズ(Hill's)」の3ブランドだが、消費者志向の変化によって、競争が激しくなっていると、UBSのアナリスト、ピナール・エルガン(Pinar Ergun)氏は5月30日(現地時間)、顧客向けのメモに書いた。
「ペットフード業界をリードするブランドが、消費者の"変化するニーズ"に追いつけずにいることを示すサインがある」エルガン氏は言う。「挑戦者にとって、市場シェアを奪う大きなチャンスだ」
世界のペットフード会社トップ10。日本のユニ・チャームも入っている。
Petfoodindustry.com
しかし、上位3ブランドが認識すべき、消費者トレンドがある。できる限り健康的なペットフードに対する需要だ。
「ペットフードを選ぶとき、飼い主や獣医は価格よりも栄養価を重視することが多い」エルガン氏は指摘する。UBSの消費者調査によると、飼い主の90%はペットを家族の一員と考えていて、「健康に良いことが証明されているものにより多くのお金を払う意思があるため、高品質な商品に対する需要は高い」
事実、価格は消費者が重視するポイントの3番目に過ぎない。「ペットの飼い主がブランドを選ぶとき、最も重視するのはバランスの取れたヘルシーなフードであること」エルガン氏は言う。「獣医が何を勧めているかが2番目、価格はその次だ」
そして今、ゼネラル・ミルズ(General Mills)の「ブルーバッファロー(Blue Buffalo)」 が消費者の支持を集め、上位3社を脅かそうとしているようだ。「アメリカで高まる高級ペットフードに対する需要によって」ブルーバッファローが市場シェアを伸ばしていると、エルガン氏は言う。
2008年から2017年にかけての市場シェアの伸び。
Euromonitor, UBS
企業は今こそ研究開発予算を使って、商品の質が最も重視される競争に臨まなければならない。飼い主たちはペットの食事に非常に関心が高く、業績のいい企業は健康志向の強い飼い主向けの商品を展開している。
「価格やブランドの認知度、製造者よりも、使われている肉の種類やバランスの取れた内容、天然/オーガニックであることの方が重視されている」エルガン氏は言う。
[原文:3 pet food suppliers are dominating the industry — but the competition is heating up]
(翻訳、編集:山口佳美)