日本のミレニアルに照準 —— エイト証券がロボ・アドバイザー運用資産10億ドルを目指す

各国の紙幣と硬貨

Matt Cardy/Getty Images

エイト証券は日本で、ロボ・アドバイザーによる資産運用の拡大を図る。狙う顧客層はミレニアルだ。

香港に拠点を置く8グループ(Eight Group)傘下の同社は、今年2月、東京証券取引所に上場する投資信託(ETF)でポートフォリオをつくるロボ・アドバイザー・サービス「クロエ(Chloe)」を始めた。スマートフォンアプリのサービスで、今後5年で、日本における運用資産残高(AUM)を10億ドル(約1100億円)まで伸ばす方針だ。エイト証券取締役兼 8 グループ CEOのミカエル・アブドゥッラー(Mikaal Abdulla)氏が4月11日、都内の記者会見で明らかにした。

米リサーチ・コンサルティング会社のアイテ・グループは、日本でのロボ・アドバイザーによる運用資産残高は2016年の約2億ドルから、2020年には最大95億ドルまで増加すると予想している。40歳以下の世代が全体の利用者の8割を占める見通し。

「約17兆ドルの個人金融資産を誇る日本では、史上最大の資産の継承が行われていく。しかし、既存の金融機関は、今のミレニアル世代のニーズに合わせたサービスを行っていない」とアブドゥッラー氏。「日本でロボ・アドバイザーによる資産運用サービスが大衆化されるのは2020年以降だろう」と述べた。

ミカエル・アブドゥッラー氏

会見で話すエイト証券取締役のミカエル・アブドゥッラー氏

中西亮介/BUSINESS INSIDER JAPAN

「クロエ」のアプリでは、ユーザーが旅行資金や車の購入、結婚資金などの目標を選択。その達成目標の時期や運用可能金額、運用スタイル(積極型、安定型、保守型の3種類)を設定すると、アプリが投資ポートフォリオを提案する。会見では、アブドゥッラー氏が自らアプリを使いながら説明した。1万円から資産運用を始められ、投資顧問料は年間ポートフォリオの評価額の0.88%だという。アブドゥッラー氏によると、国内の同アプリのダウンロード数は現在までに4000回。そのうちの7割以上が40歳以下だという。国内のロボ・アドバイザー市場では既に、お金のデザインやウェルスナビなどがサービスを提供している。

(編集:佐藤茂)

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