A.T.カーニーのランキングによると、香港は世界で最も影響力のある都市の1つだ。
Bobby Yip/Reuters
世界の主要都市はその全てが平等に作られているわけではなく、一部の都市が国際的なビジネス、文化、政治でより大きな影響力を持っている。では、世界で最も影響力のある都市はどこだろうか?
この疑問に答えようとしているのが、経営コンサルティング会社A.T.カーニー(A.T.Kearney)が毎年行っている「グローバル都市調査」だ。この調査は、どのグローバル都市が「競争力を高めているか、そして、その都市の成功要因は何か」に目を向けるものだ。
ビジネス活動、人的資源、情報交換、文化的経験、政治的関与の5つのカテゴリー、20を超える評価基準をもとに、カテゴリー別のスコアを算出、合算し、総合ランキングを作成している。
調査の結果、ニューヨークとロンドンがともにライバルを大きく引き離し、それぞれ1位、2位につけた。トップ21には世界各地の都市がランクインしているが、ヨーロッパの都市が多くを占めている。
世界で最も影響力のある都市を見てみよう。
21位 ウィーン(オーストリア)
Natural History Museum Vienna
世界的に見れば、オーストリアは比較的小さな国かもしれない。しかし、首都ウィーンの影響力は無視できない。石油輸出国機構(OPEC)の本部もある。
20位 サンフランシスコ(アメリカ)
Andrey Bayda/Shutterstock
石を投げればフェイスブックやグーグル、その他多くの巨大テック企業の本社に当たるサンフランシスコは、テクノロジーの中心地だ。
19位 上海(中国)
REUTERS/Aly Song
中国本土の主要な金融センターのある上海は、世界で最もコンテナ貨物量の多い港でもあり、あらゆる貿易のグローバル拠点となっている。
18位 トロント(カナダ)
Inga Locmele/Shutterstock
トロントは、取扱時価総額で世界第7位を誇る証券取引所を有する、世界的に重要な都市だ。
17位 メルボルン(オーストラリア)
Zephyr_p/Shutterstock
ランクインしたオーストラリア2つの都市のうちの1つ。メルボルンは留学生にとって最も良い都市に選ばれた。
16位 ベルリン(ドイツ)
VanderWolf Images/Shutterstock
ドイツはヨーロッパの大国で、その首都が世界有数の影響力を誇る都市の1つであることは当然だ。ビジネス活動の分野で高い評価を得ている。
15位 シドニー(オーストラリア)
PomInOz / Shutterstock
調査の結果、南半球で最も重要な都市であるシドニーは、オーストラリアの商業と金融の中心で、英語圏とアジアをつないでいる。
14位 モスクワ(ロシア)
MarinaDa / Shutterstock
世界最大の国ロシアの首都モスクワは、国の穀物生産の主要拠点でもある。博物館や美術館を訪れるには世界最高の都市だ。
13位 マドリード(スペイン)
Shutterstock/LucVi
スペイン語圏における商業の主要拠点であるマドリードは、ビジネス活動の分野で高評価を得た。
12位 ソウル(韓国)
Chung Sung-Jun/Getty Images
2017年に朝鮮半島の緊張が高まるにつれ、韓国の首都ソウルの世界的重要性は大きく増した。商業の主要拠点でもあり、サムスンといった大手ブランドも拠点を置いている。
11位 ワシントンD.C.(アメリカ)
Jason Reed/Reuters
アメリカで最も重要な政治の中枢であることから、ワシントンD.C.は世界で最も影響力のある都市だとする見方もある。ホワイトハウスや連邦議会議事堂といった国の機関に加え、世界銀行や国際通貨基金(IMF)を含む国際機関も置かれている。
10位 ブリュッセル(ベルギー)
Greg Sandoval/Business Insider
欧州連合(EU)の本部があるベルギーの首都ブリュッセルでは、政治と官僚制度が最重要課題。他の多くの主要都市と比べると比較的小さいが、EUのおかげでその重要度ははるかに高い。
9位 北京(中国)
Raj Eiamworakul / Unsplash
世界で2番目に大きい経済規模を誇る、中国の首都であり政治の中心地である北京は、当然のことながら影響力が大きい。フォーチュン・グローバル500に名を連ねる企業の本社が、他のどの都市よりも多く置かれている。
8位 シカゴ(アメリカ)
Sarah Jacobs/Business Insider
2つの商品取引所があり、貿易がシカゴの主要国際都市としての重要性を高めている。小麦、トウモロコシ、豚肉などの農産物が、シカゴ・マーカンタイル取引所で取り引きされている。
7位 シンガポール
Suhaimi Abdullah/Getty Images
アジアの都市国家シンガポールは、金融と海運業で支配的な力を持つ。シンガポールのコンテナ港は世界最大の港の1つ。石油産業の主要拠点でもあり、世界で消費される石油のほぼ半分がシンガポールを通過する。
6位 ロサンゼルス(アメリカ)
Sean Pavone/Shutterstock
ハリウッドを有するロサンゼルスは、映画の撮影スタジオやテレビ局など、ショービジネスが盛んな街だ。西海岸に位置しているため、アジアとの貿易拠点にもなっている。
5位 香港(中国)
Apple
かつてイギリスの統治下にあった香港は、1997年に中国に返還された。アジア最大の金融センターの1つで、重要な港湾都市でもある。
4位 東京(日本)
Rachel Premack/Business Insider
東京圏で4000万近い人口を有する日本の首都は、世界で最も教育水準の高い都市の1つで、高等教育を受けている人の割合が高い。
3位 パリ(フランス)
Shutterstock
アートとファッションで知られるフランスの首都パリは、情報交換でも世界最高の都市と評価された。
2位 ロンドン(イギリス)
Gic/Pixabay
ブレグジット(EU離脱)が世界の中心としてのロンドンの役割をわずかに低下させそうだが、現時点では世界2位の影響力を持つ都市だ。ヨーロッパの金融ハブであるロンドンの金融街シティは、世界経済にとって不可欠な存在だ。
1位 ニューヨーク(アメリカ)
Shutterstock
トランプ大統領の拠点、ウォール街、国際連合の本部などを有するニューヨークが世界で最も重要な都市とみなされていることに、驚きはない。
[原文:The 21 most influential cities in the world]
(翻訳:Hughes、編集:山口佳美)