服を採点、アマゾンEcho Look「スタイルチェック」を試してみた

Echo Look

Amazon

アマゾン「Echo Look」の一般販売が6月6日(現地時間)、アメリカで始まった。価格は199ドル(約2万2000円)、ハンズフリー・カメラを搭載したパーソナル・スタイル・アシスタント。

もしあなたが服選びに時間がかかるタイプなら、筆者と同類。5着あれこれ試した末、結局、着なかった服をデスクの椅子に放り投げ、山のようになってしまうこともある。後でたたむのが大変。

そこまでしても、選んだ服が気に入らないこともある。だから、Echo Lookのことを聞いたときには興味をそそられた。アマゾンは「スタイル・アシスタント」とアピールしている。

Echo Lookは、アマゾンのAIアシスタント、アレクサ(Alexa)を搭載。つまり、Echoシリーズの他の製品と同様の機能があり、さらにスタイル・アシスタントという特別な機能を持つ。

服を着て、全身写真か6秒の動画を撮影すると、コーディネートの一覧が作成でき、コレクションとして付属のアプリでチェックできるようになる。コレクションはシーズン、色、イベントや、そのほか好きなカテゴリーで分類できる。

この機能はクローゼットが服でいっぱいで、何があるか覚えておけない人には有効だろう。筆者には必要なさそうだ。

筆者が気に入ったのは、スタイル・チェック機能。2つの異なる服装の写真を比べ、どちらが良いかを教えてくれる。

1週間、Echo Lookに服を選んでもらった。どんな感じか、見てみよう。

開封:付属品は、スタンド、壁に取り付けるためのパーツ、電源コード。

Echo Lookの箱に入っていたもの一式。

Echo Lookの箱に入っていたもの一式。

Alyssa Pagano


1日目:初日はシンプルな服にした。白シャツとライトブルーのジーンズ vs 黒のタートルネックとダークなジーンズ。

Echo Lookのスタイル・チェック(1日目)

DAY 1 Screenshot from Echo Look

白シャツと明るいジーンズの組み合わせがわずかの差で勝った。理由は色合いが良いから。

だが、靴はもう一方の方が良いらしい。なので、靴を変え、黒のブーツと白シャツ、明るいジーンズでもう1度スタイル・チェックをしてみた。すると、ポイントが2%アップした。

Echo Lookは、機械学習のアルゴリズムを使い、「ファッション・スペシャリスト」のチームに相談しながら、あなたのコーディネートを分析する。

ユーザーは、おすすめのスタイルを聞くこともできる。これはアマゾンにとってメリットがある。

もし、お気に入りのパンツがあるのに、それに合うトップスを1つか2つしか持っていないなら、似合いそうなアイテムをLookに聞くことができる。Lookはアマゾンからいくつか届けてくれるだろう。

2日目:もう少しカラーとデザイン性のある服でトライ。小麦色のストライプが入ったタンクトップと黒のパンツ vs ブラックとブルーのデニムのジャンプスーツ。

Echo Lookのスタイル・チェック(2日目)

Day 2 Screenshot from Echo Look

接戦だった。タンクトップとパンツの方が、形が良く、フィットしている。でもカラーは、ジャンプスーツの方が似合っているとアレクサ。

今回は、フィット感よりもカラーの方が重要らしい。タンクトップとパンツより、ジャンプスーツの方が高得点だった。

だが、ジャンプスーツが選ばれたのは、今、流行っているからという可能性もある。アマゾンによると、アプリの判断基準には「今のトレンド」も含まれている。

3日目:ジャケットを比較。ブルーのワックスコットンのジップアップ・ジャケット vs オレンジのボタン・ジャケット。

Echo Lookのスタイル・チェック(3日目)

Day 3 Screenshot from Echo look

オレンジのジャケットが1日目、2日目に比べて大差で勝った。63% vs 37%。オレンジのジャケットの方がカラーが似合っていて、スタイリンクが良いとのこと。

中に着ていたものが同じということには触れられていないため、スタイル・アシスタントがそのことに気づいたかどうかは分からない。

4日目:同じパンツと靴にして、シャツだけ替えた。オフホワイトのモスリンシャツは袖をロール・アップ vs かっちりした半袖シャツ

Echo Lookのスタイル・チェック(4日目)

Day 4 Screenshot from Echo Look

アレクサは、オフホワイトのシャツの色が他と合っていて、形も似合っていると判定した。

これが筆者お気に入りのスタイル・チェックの使い方。服を大体決めてから、アプリを使って、どのトップスや靴がより似合っているかをチェックするのが好き。

5日目:金曜日は仕事用の服装ではなく、ディナーに何を選ぶのかを試してみた。ボクシーなブルーのチュニックとブラック・ジーンズにブーツ vs 白のワンピースにブラウンのレースアップ・ヒール。

Echo Lookのスタイル・チェック(5日目)

Day 5 Screenshot from Echo Look

驚いたことに、1番差がついた。白のワンピースが34%の差をつけて勝った。その唯一の理由が「シルエットがきれい」だから。

「形が似合う」や「フィット感が良い」と何が違うのかは分からない。ワンピースは確かにウエストが少し強調され、一方、ブルーのシャツはだらっとした感じ。

でも今回はブルーのシャツとジーンズで行くことにした。その夜は雨で、肌寒かったから。

Echo Lookに服を選んでもらったこれまでの4日間、スタイル・アシスタントのアドバイスに逆らってはいけないような気がしていた。でも、思い出した。

Echo Lookがアシスタントなら、ボスは私。ときにはボスの特権を振りかざしてもいい。

結論。

Echo Look

Amazon

Echo Lookは楽しかったけれど、筆者はずっと使おうとは思えなかった。

お気に入りの服装の写真を保存しておくことは、お気に入りのコーディネートを忘れてしまうとか、最後に着たのがいつだったか思い出せないという場合には役立つが、自撮り棒を使えば自分でできる。

スタイル・チェック機能は楽しいが、服を選ぶ基準がなんだかはっきりしない。例えば、形が似合うというだけではなく、その理由を詳しく知りたい。そうすれば、今後の服選びに生かすこともできる。

とはいえ、アレクサのようなAIアシスタントを買おうと思っているのであれば、Echo Lookのスタイリング機能はボーナスのようなもの。199ドルで購入できる。

[原文:I let Amazon's new Echo Look choose my clothes for a week — here's how it went

(翻訳:Ito Yasuko/編集:増田隆幸)

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