キティホークの「フライヤー」。
Kitty Hawk
- キティホークは「空飛ぶ車」を開発している、謎に満ちたスタートアップ。グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏が出資している。
- 同社は6月6日(現地時間)、空飛ぶ車「フライヤー」の最新版を発表。見込み客向けにテストフライトの提供を開始した。CNNのレポーターが実際に空を飛んだ。
- フライヤーの操作は、ジョイスティック2本を使うだけ。同社は、1時間足らずのトレーニングで飛べるようになるとアピールしている。
- 同社CEOは、社会に受け入れられることが最優先であり、テストフライトでさまざまなことを検証したいと語った。
キティホーク(Kitty Hawk)が最初の機体を披露したのは2017年のこと。それ以来、フライヤーが改善を加えられ、現在、プレオーダーを検討している人向けにテストフライトを提供している。
同社は最新版フライヤーの37秒の動画を公開、CNNのレポーター、レイチェル・クレーン(Rachel Crane)氏がジャーナリストとして初めてフライヤーを操縦した。
安全上の理由から、フライヤーのテストフライトはラスベガスにある施設の水上でのみ行われている。
クレーン氏は、わずか1時間、トレーニングを受けただけで、水面から約3メートル上を時速約10キロメートルで飛行した。
グーグルの自動運転車の開発に携わっていた同社CEO、セバスチアン・スラン(Sebastian Thrun)氏はいつの日かフライヤーが人口密集地の上空を時速160キロで飛べるようになることを目指している。
「“マインクラフト”で遊ぶのと同じくらい、操作は簡単」とスラン氏は語った。
動力源はリチウムポリマー電池、1回の充電で約20分間飛行可能。機体には10個のモーターと2本のジョイスティックがある。CNNのクレーン氏はマスターするのは簡単と語った。
「ジョイスティックは非常に直観的。だが、座り心地には改善の余地がある」とクレーン氏。
「間違いなく、振動が感じられる」
Kitty Hawk
保有する機体は多くないが、キティホークはビジネスパートナーやインフルエンサーなどを対象にすでに約1500回のテストフライトを実施しているとCNNは報じた。
同社の現在の目標は、フライヤーを顧客の手に届けること。ウェブサイトでプレオーダーを受け付けている。
スラン氏はフライヤーを人々に受け入れてもらうことが同社にとっての最優先事項と語った。
「我々にとって安全以外に最も重要なことは、社会に受け入れられること」とスラン氏はCNNに述べた。
「人々は、この機体で空を飛びたいと思うだろうか? この機体が隣の家にあってもいいと思うだろうか? 我々がラスベガス湖にこのトレーニング施設を作ったのは、それが理由です。皆さんから学ぶためであり、皆さんの反応を見るため」
CNNのレポーターによるテストフライトの様子は、こちら。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)