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「正しさ」にお金を使いたい——ミレニアル世代が考える「ラグジュアリー2.0」とは?

ミレニアルのリビング風景

若者の「◯◯離れ」が叫ばれて久しい。1990年代には約15兆円あった国内アパレルの市場規模は、2016年には9兆円台と大幅に減少しているという。国内新車販売総台数も、1990年の778万台をピークに減少し、2016年度は519万7107台となっている(日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会調べ「2017年度新車販売統計」)。

ファッション誌『VOUGE GIRL』の創刊に携わり、現在は『Numéro TOKYO』のエディトリアルディレクターなどとして活躍する軍地彩弓氏は、今後、経済活動の中心となるミレニアル世代の消費行動について「コスパがいいものを合理的に選択することが身についている」と分析する。

「何でもシェア」の背景に2つの大きな震災

インタビュー中の軍地さん

ファッション誌の編集に関わる中で時代の変化を感じてきた軍地彩弓さん。「まだ10年くらいのブランドが、ラグジュアリーブランドとして認められるなど、歴史があることが絶対的な価値ではなくなっています」

「ミレニアル世代の親の多くはバブル世代で、高級ブランド品や輸入車などがステイタスとなっていました。しかし、ミレニアル本人は生まれたときから不景気。さらに子どものころに阪神淡路大震災や東日本大震災が発生し、所有したものがゼロになってしまうことを経験したり見聞きしたりしています。そのため、“ものを所有することは必ずしも幸せではない”という価値観を持っているんです。その上、年金も社会保障も当てにできず、それでいて人生100年時代と言われ、自分の身は自分で守らなくてはならない。

合理性を追求した大きな価値変革が起き、2013〜2014年ごろからは『シェア』というキーワードを耳にするようになりました。当時はカーシェアリング、シェアハウス、シェアオフィスなど大型のものが中心でしたが、2015年ごろからは服やバッグなど消費財にまで及んでいます」(軍地氏)

8万円のTシャツも、ストーリーがあれば購入

こうした状況ではあるが、消費すること自体を避けているわけでは決してないという。

「例えば、クリスチャン・ディオールが初めて女性デザイナーを起用したことを記念して、2017年に発売した7万9000円のTシャツ。『WE SHOULD ALL BE FEMINISTS』とプリントされていて、ミレニアル世代にも売れている。これを身につけることで、私はこれに賛同する、というメッセージを周りに伝えられるからです」(同)

バブル時代にステイタスだったブランド品も、ただ高級だから、ただ有名ブランドだから、ではなくそのブランドの持つストーリーに共感するという、これまでとは違う形で受け入れられている。つまり「ラグジュアリー」の定義が過去とは変わったのだ。

ものづくりの裏側まで考えて、ものを選ぶ

軍地さんポートレート

「かつては高くて有名なブランドが“ラグジュアリー”でしたが、今は違います。ファッションブランド『sacai』のデザイナー・阿部千登勢さんがこう言っています。

『ラグジュアリーブランドが一流かと言えば私の中ではそういうわけではありません。最近では誤解を招くことを避けたいので『本物』という言葉を使うようにしてます。ものづくりのクオリティが高いか、納期が守れているか、スタッフは外部に対して正しい対応をしているか、全てのことに気を配れているかが大切だと思っています』(2017年2月6日付け「Fashionsnap.com」)。

今はネットの情報を通じて、消費者にもものづくりの裏側が見える時代。工場にどう対応しているか、売り方はどうかが見えてしまう。ラグジュアリーは“正しさ”が重要になってきているんです。しかも、それはマスメディアによって一方的に決められた“正しさ”ではなく、自分が正しいと思う人、共感できる人が認める“正しさ”。一人ひとりが自分の価値観に近い人を集めた別々のタイムラインを持っていて、そのインフルエンサーが勧めることで購買意欲が喚起されることが多い」(軍地氏)

ものづくりの裏側まで考えてものを選ぶ。その目があるからこその低消費時代。当然、生き方も変わってくる。ひたすらお金を稼ぐことよりも、会社に縛られず自分の好きな仕事、社会的意義のある仕事を志向するようになった。

定住、定職はリスク。「動けること」が重視される

2拠点ライフには車が不可欠

「"定住”、“定職”にリスクを感じ、自由に動きたいという人が増えました。そうした暮らしのためにも、多くのものを所有することは不要。それよりもむしろ仲間と時間や空間を共有することや、例えばフェスやキャンプなどに行って体験するということに価値を置くようになりました。平日は都心で働き、週末は地方で楽しむといった2拠点生活をする人も増えています。今後、さらに“動けること”“動くためのツール”の重要性が高まるでしょう」と軍地氏は語る。

高級品を持つより「日々楽しむこと」こそが贅沢

 女性社員初の常務役員となった加古慈さん

2018年よりLexus InternationalのExecutive Vice Presidentを務める加古慈さん。 「レクサスCT」、そして2018年冬頃発売予定の「レクサスUX」のチーフエンジニアを務める。

レクサスのチーフエンジニアを務める加古慈氏も「ラグジュアリーの定義は多様化し、高いもの=ラグジュアリーではなくなった」と感じているという。

「ベルギーに駐在していたとき、現地の同僚に『ラグジュアリーとは?』と問いかけたんです。ある人は『自分の知識や経験ゆえに、カシミアの中でもより高品質なものとそうではないものを見分けられること』と答え、ある人は『手間暇かけてつくった料理を気の置けない仲間や家族と時間をかけていただくこと』と語り、またある人は『自分の好きなものに囲まれ、生活の質を高めて日々楽しむゆとりのある暮らし』と答えました」

答えはそれぞれだが、共通するのはやはり、ものを所有することではないということ。ものを使って得られる感動や時間、体験に重きが置かれている。

ディーラーは、ただ“車を売る場”ではない

ストーリーのあるモノを選ぶ

2018年3月29日にオープンした「東京ミッドタウン日比谷」に誕生した「LEXUS MEETS…(レクサス ミーツ)」は、こうしたラグジュアリー観の変化に対応した空間と言えるだろう。

レクサスのショールームとカフェ、三越伊勢丹と共同でセレクトした食器や文具、ファッション雑貨などを取り揃えたセレクトショップが一体化。単に車の購入を検討するために来店する場ではなく、日常を心地よく過ごせるものを求めて来店する場となっており、数々のアイテムのひとつに車があるという形だ。この商品が好きなら、きっとあの商品も、あの商品が好きならきっとレクサスの価値もわかるはず……と、レクサスを取り巻く暮らし全体の価値観が共有しやすくなっている。

家具はほとんどDIY、それでもレクサスを選ぶ

レクサスCTと写る加古さん

加古さんがチーフエンジニアとして関わった「レクサス CT」。ビビッドなオレンジが美しい。レクサス初のコンパクトラグジュアリーカーで、色の選択肢も増やした。

「2018年冬頃に発売予定の新型クロスオーバー『レクサス UX』の企画を考えていたときに、L.Aに住む、ある30代のご夫妻と出会いました。お宅にお邪魔すると、家具はほとんどDIY。YouTubeを参考に作ったそうです。一方で、アウトドアや旅行が好きな2人は、『車にはお金をかけたい』と言う。テクノロジーに精通したtech-savvy(テックサビー)世代なので、情報を的確に収集し、自分の納得した商品だけを選んでいると感じました。私たちはこうした知識、経験が豊富な方を『エクスペリエンシャル・マスターズ』と呼ばせていただいているのですが、UXはそうした層に選んでもらえるような車を志したつもりです」

コンセプトは、“Creative Urban Explorer” 。好奇心旺盛に創造的な日々を送る人にフィットするクルマをイメージして企画したという。

「クロスオーバーのもともとの意味は『異なる物事を組み合わせて新しい物事をつくる』。そこに遡って、開発メンバーが一丸となり、さまざまなアイデアを出しました。これはレクサスのブランドバリューのベースになっている考え方、『二律双生』にもつながります」

「外観は力強い存在感がありながら、小回りがきき運転しやすい」というのもその一例だ。通常相反することを両立させることによる、良い意味でのギャップ、そこから来る面白さ、驚きがこのクルマの売りなのだと、加古さんは話す。

持っていることで「新しい自分に会える」車に

2005年に日本でレクサスが展開されて13年。米調査会社のJ.D.パワー・アジア・パシフィックによる「日本自動車セールス満足度調査」のラグジュアリー部門では、11年連続で首位を獲得した。高級車が苦戦している時代に支持され続けているのは、前出の軍地氏が語ったようなラグジュアリーの定義の変化を、的確に捉えているからだろう。

「私自身、最初にラグジュアリーカーを買ったとき、この車に合うファッションはどうだろう、この車でどこに行くと似合うだろうと考えてワクワクしました。レクサスはまさに、自分と共にあることで生活が一変するかもしれない、これまでにない経験ができるかもしれないという期待感をお届けするブランドになることを目指しています」

時代とともにラグジュアリーは進化してきた。車もステイタスとしての所有する時代から、シェアの時代を経て、そしてまた、自分を自由に、そしてその時間を豊かにするものとして所有する時代へと移り変わっていくのかもしれない。


軍地彩弓(ぐんじ・さゆみ):大学在学中からリクルートでマーケティングやタイアップを中心とした制作の勉強をする。その傍ら講談社『Checkmate』でライターのキャリアをスタート。卒業後、講談社の『ViVi』編集部で、フリーライターとして活動。雑誌『GLAMOROUS』の立ち上げに尽力し、2008年、現コンデナスト・ジャパンに入社。クリエイティブ・ディレクターとして、『VOGUE GIRL』の創刊と運営に携わる。2014年、株式会社gumi-gumiを設立。現在は雑誌『Numéro TOKYO』のエディトリアルディレクターから、ドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ系)のファッション監修など幅広く活躍。

加古慈(かこ・ちか):奈良女子大家政学部卒業後、1989年トヨタ自動車入社。トヨタモーターヨーロッパ出向などを経て2012年、レクサス「CT」のチーフエンジニア。2018年1月から常務役員とLexus InternationalのExecutive Vice Presidentを兼務。

(衣装協力・ボンマジック 加古さん着用分)

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