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120度の超広角カメラの実力は?「ZenFone 5」2週間レビュー

ZenFone 5

国内SIMフリースマートフォン2位のASUSの新製品「ZenFone 5」。直販価格は5万7024円、直販サイトや家電量販店、各種格安SIMの事業者から発売中。

  • 超広角120度の背面カメラは一見の価値あり
  • au VoLTEユーザーでも格安SIMと併用しやすくなった“DSDV”を採用
  • 端末内のレコメンド機能が強力。その機能を知らなくてもスマートフォンのレコメンドに身を任せれば使いこなせる

台湾のPCメーカー・ASUS(エイスース)は、2014年8月からSIMフリースマートフォンを日本国内で展開し、「格安スマホ」ブームの一翼を担ってきたメーカーだ。

BCNの調査(2017年1月〜12月、国内の量販店及びECサイトの販売数)によるとSIMフリースマートフォン市場の同社のシェア率は、24%と国内2位。1位であるファーウェイ(37.3%)とは距離があるが、この市場では一定の人気を保っている。

ZenFone 5のノッチ

画面は、iPhone Xで認知度を得た、いわゆる「ノッチデザイン」(表示領域をギリギリまで広げてカメラ部分を凹ませる形状)。縦長の画面をさらに広く使える特徴がある。

ASUSが2018年に投入した新型SIMフリースマートフォンが「ZenFone 5(ZE620KL)」(直販価格5万7040円)だ。その実力はどうなのか。2週間ほど実際に使ってみた。

「標準+広角」のデュアルレンズカメラは新鮮

ZenFone 5の背面

背面には2つのカメラとLEDフラッシュ、指紋センサーを備える。

最も注目の機能は、やはりカメラだ。最近はアップル、ファーウェイなど多くのメーカーが背面カメラを2基搭載するデュアルレンズカメラを採用している。ZenFone 5も同様で、1200万画素の標準カメラと800万画素の広角カメラという構成となっている。

この広角カメラが非常におもしろい。広角側のカメラで撮ると単純により幅広い範囲を撮影できるため、その場の雰囲気がより一層伝わるように思える。標準と広角で撮り比べてみるとその効果が明確にわかる。

ZenFone 5作例(標準)

標準カメラで撮影。

ZenFone 5作例(ワイド)

標準カメラと同じ場所で、ワイドカメラに切り替えて撮影。

広角カメラは、写真のとおりかなり歪むので、魅力はあるものの癖のある写真に仕上がる。そのため、例えばホワイトボードや人物にかなり寄った写真にはあまり向かない。一方、風景写真では、臨場感を強調したようなダイナミックな撮影が楽しめる。

ちなみに広角カメラは解像度がやや控えめで、800万画素になる。とはいえSNSに投稿する程度なら画質的に問題はないし、むしろ独特の歪みも効果的に使えるはずだ。

ZenFone 5の広角作例

こちらも広角カメラで撮影したもの。やや歪みは気になるが、青空と建物全体が写真内に収まっている。

au VoLTEユーザーは注目の「DSDV」仕様

ZenFone 5のスロット

ZenFone 5は2つのSIMが入る“デュアルSIM仕様”だ(microSDカード利用時は1枚のSIMカードのみ利用可能)。

SIMフリースマホ派の人に注目のポイントは、デュアルSIM仕様という点だ。デュアルSIM自体は今やそこまで珍しい機能ではないが(ファーウェイなど多くのメーカーが2枚のSIMカードを挿せる仕様のスマホを発売済み)、ZenFone 5は国内で初めてドコモ、au、ワイモバイル(ソフトバンク)の3キャリアのSIMで「DSDV」に対応したスマートフォンである。

※DSDVとは:
Dual SIM Dual VoLTEの略。2枚のSIMカードを挿入でき、どちらのSIMカードの番号でも高音質通話であるVoLTEの待ち受けが可能となる仕様のこと。

国内においてDSDVの恩恵を一番大きく受けられるのは、UQ mobileなどのau回線の格安SIMユーザーだ(もちろん、auのピタットプラン契約者やauスマートバリュー利用者でもいい)。DSDV仕様のZenFone 5であれば、いままでの国内のスマートフォンではできなかった“au系の回線を契約しつつ、ほかの格安SIMも挿入しデータ通信費を抑える”といったことも可能になる。

ZenFone 5のデュアルSIM設定画面

ドコモとインドネシアのキャリア「Telkomsel」のSIMを挿したところ。

残念ながら筆者はau系のSIMを持っていないため、直接的なDSDVの恩恵を受けることはなかった。ただ、レビュー期間中に訪れたバリ島では日本でメインに使っているドコモSIMと現地のプリペイドSIMを挿入。データは現地SIMで格安に使い(3GBで約1100円)、日本からの電話にも即対応することができて非常に便利だった。

「AIスマホ」は言い過ぎだが、スマホの未来の鱗片は感じた

ZenFone 5のカメラアプリ

ZenFone 5は同社の機械学習の効果で、被写体に応じて16種類の撮影モードをリアルタイムに切り替える。

ちなみに、同社はZenFone 5にカメラや充電、着信音など数々の“AI機能を搭載しているスマートフォン”とプッシュしている。

確かに、カメラのシーン識別やギャラリーアプリのアシスタント機能は、機械学習の成果によるものだ。しかし、その他の多くは「正面カメラが顔を識別している間は、スリープにしない」「まわりの騒音レベルに応じて、着信音の音量を変える」などの一定のアルゴリズムで実装された機能で、これらを“AI”と呼ぶにはやや抵抗がある。

ZenFone 5のギャラリーアプリ

ギャラリーアプリは、撮影後に写真のエフェクト機能をレコメンドしてくれる。同社広報によると「はい」か「いいえ」を選ぶことで、ユーザーの“好みのエフェクト”を学習していくという。

しかし、レビュー中には、電池消費の激しいアプリを教えてくれたり、位置情報や日付に応じて写真のアルバム化を勧めてくれるなど、ZenFone 5の目立たないけれど細やかな“おもてなし”には少し感動した。

携帯電話に分厚い説明書が付属しなくなって久しいが、一方で細かな機能に気づきにくくなったのも事実だ。しつこいレコメンドは正直うっとうしいだけだが、ZenFone 5のレコメンド機能は2週間使った限りでは、“ちょうどよい”と感じられた。ユーザーの利用状況を検知し、“不快に思う境界線”をほどよく定めているからだろう。

したがって、ZenFone 5を“AIスマホ”と言うより“いままでよりユーザーに寄り添ったスマートフォン”として評価したい。

(文、撮影・小林優多郎)

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