サービス開始から15時間あまりで、ユーザー数が10万件に達したONEは、買い取りサービスを一時停止した。
現役高校生プログラマーの率いるワンファイナンシャルが2018年6月12日にサービスを開始したレシート現金化アプリの「ONE(ワン)」は、レシート買い取り希望者が殺到し、サービスを一時的に停止させる事態になっている。同社によると、スタートから一夜明けてすでに10万人が登録。山内奏人CEOは「買い取りの再開時期は未定だが、1カ月以内を目指している」と話している。
想像を超える多くのユーザーの方々にご登録いただいており、本人確認完了まで最長1ヶ月ほどかかる見込みです。ご不便をお掛けしまして大変申し訳ございません。今後ともONEをどうぞよろしくお願いいたします。
— ONE (@ONEbyOF) 2018年6月12日
ワンファイナンシャルによると、レシート現金化アプリのONEは6月12日午前6時のサービス開始から、12時間25分で3万ユーザーに達し、その10分後には買い取りレシートが10万枚に到達した。バンクが2017年にサービス開始し話題となった、即時買い取りサービスの「CASH」は16時間34分で約3万ダウンロードを達成しており、ユーザー数の拡大スピードは実質、CASHを超えた。
13日朝の時点で、ONEのユーザー数は約10万人に到達。また、サービス開始初日で、iOSアプリ(iPhone向けアプリ)のダウンロード数で国内1位の記録を叩き出した。ワンファイナンシャルは体制を強化して事態の収集に当たっているが、急増するユーザー登録にビジネスとしての実務が追いつかない状況となった。このため、サービス開始から15時間あまりで、一時停止を余儀なくされたという。
山内CEOは「ユーザー数が本当に伸びていて、(現時点での支払いに)最大3億円かかる計算になる。メーカーからの出稿でどう補うかなど、マネタイズの実証を1週間程度かけてやる」と、サービス運営のためにも、少し時間が必要との見解を示している。
同社は当初、月に1万件程度のユーザー数を想定していたが、わずか半日あまりでその10倍に達することとなった。
即時買い取りサービスのCASHも、想定を上回るサービス利用を理由に、一時的に査定機能を停止した後、約2カ月後にビジネスモデルの調整を経て、サービスを再開した経緯がある。
サービス開始前に「実際にレシートを買い取って、ふたを開けてみないと分からない。まずはやってみる」と話していた山内CEO。IT業界関係者からは「スタートアップのプロダクト(製品)は、最小機能でリリースして改善の繰り返し」との声も聞かれるが、次の一手が、注視されている。
(文・撮影、滝川麻衣子)