Fincantieri
アメリカ海軍は2018年2月、次期フリゲート20隻の調達のために、5タイプの艦を候補として検討すると発表した。
6月上旬、我々は5タイプのうちの1つ、イタリア企業フィンカンティエリ(Fincantieri)製のFREMMアルピーノを見学した。アルピーノは対潜型フリゲート。
※FREMM:イタリアとフランスが共同開発を進めているフリーゲート。汎用型と対潜型がある。
「この2年で世界は確かに変化した。ロシアと中国の動きを見れば明らか」と退役した元海軍大将で、現在はフィンカンティエリに協力しているリック・ハント(Rick Hunt)氏は同艦のブリッジでBusiness Insiderに語った。
「率直に言って、そのことが我々がこれまで進めてきたハイローミックス戦略に取り組む理由だと考えている」
さらにハント氏は「我々は駆逐艦と巡洋艦からなるイージス艦隊を持っている」、だが「前線への展開、独立した軍事作戦、護衛能力、さらに空母打撃群の価値を高めるために、イージス艦隊ではカバーできない領域をカバーする、より小型の多用途艦が必要」と語った。
そして、これこそが重装備のアルピーノが提供し得るものとしたうえで、アルピーノは「駆逐艦に匹敵する能力」を備えていると語った。
見てみよう。
全長:約144メートル、全幅:約20メートル、吃水:約5メートル。
Daniel Brown/Business Insider
※吃水:船が沈む深さ。つまり船の一番下から水面までの距離。
出典 : Fincantieri
乗船!
Daniel Brown/Business Insider
見てのとおり、同艦はステルス艦。最新のズムウォルト級ミサイル駆逐艦ほどではないが、ステルス性が期待できる。
Daniel Brown/Business Insider
ブリッジ。艦首方向180度の視界が確保されている。
Daniel Brown/Business Insider
別の角度から。前にあるのは艦長席。
Daniel Brown/Business Insider
ブリッジから艦首を見る。艦首の立ち入りは許可されなかった。オート・メラーラ76ミリ単装速射砲の後方に、16セルの多機能VLS(垂直発射システム)が見える。
Daniel Brown/Business Insider
我々が見学したアルピーノはイタリア海軍所属(フィンカンティエリはイタリア企業)。仮にアメリカ海軍が同タイプを調達する場合には、アメリカ製システムを搭載することになる。
艦首と艦尾にある2門の76ミリ砲を57ミリMk.110CIGC(Close-In Gun System)に変更し、16セルではなく、32セルの多機能VLSを搭載することは決定済み。
他のシステムについては未定。だがハント氏によると、アメリカ海軍は高出力レーザーやレールガンの搭載を検討している可能性がある。
出典 : Fincantieri
機関室。
Daniel Brown/Business Insider
機関は、簡単に言えばハイブリッド。低速・巡航時は4基のディーゼル発電機が2基のモーターを動かす。高速時にはガスタービンエンジンを併用。最大速力は27ノット(約50キロ)。
Daniel Brown/Business Insider
出典 : Fincantieri
アルピーノは対潜型。タレス可変深度ソナーを含め、さまざまなソナーを搭載。可変深度ソナーは後方のドアから水中に展開する。
Daniel Brown/Business Insider
センサー(黄色の部分)とドアが良く分かる。
Daniel Brown/Business Insider
曳航式で、ラジオのアンテナのように水中に伸びる。
Daniel Brown/Business Insider
ソナーに加え、対地、対空、航海用レーダーなども搭載。
最新のダメージコントロール・システム。艦内には複数のカメラとモニター、自動の脱塩水スプリンクラーなどが備えられている。
Daniel Brown/Business Insider
2つある格納庫のうちの1つ。NH-90もしくはEH101ヘリコプターを格納できる。
Daniel Brown/Business Insider
だが、アメリカが求める条件は、MH-60Rシーホーク・ヘリコプターが1機格納できること。もう一方の格納庫には、おそらく無人機が格納されることになる。
フライトデッキ。左に見えるのはNH-90。
Daniel Brown/Business Insider
別の角度から。
Daniel Brown/Business Insider
[原文:We toured the heavily-armed and stealthy warship that may be the US Navy's next frigate]
(翻訳:conyac、編集:増田隆幸)