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- アメリカの大手銀行シティ(Citi)の幹部によると、同行では5年以内に最大1万人の雇用がロボットに置き換わる可能性がある。
- シティの社長ジェイミー・フォレス(Jamie Forese)氏は、事務職や技術職の業務内容が「最も機械処理にチャンスがある」と言う。
アメリカの大手銀行シティでは、5年以内に最大1万人の雇用がロボットに置き換わる可能性があると、同行の社長がフィナンシャル・タイムズに語った。
「事務職に2万人が従事している。5年で1万人にできないだろうか? 」シティの社長でシティグループの法人顧客部門のCEOを務めるジェイミー・フォレス氏は、フィナンシャル・タイムズのインタビューに答えた。
フォレス氏は自動化が最も進むであろう分野は、シティの投資銀行部門の従業員の約40%を占める事務職と技術職だと言う。フォレス氏はこれらの業務内容は「最も機械処理にチャンスがある」と言う。
他の主要銀行の幹部もフィナンシャル・タイムズに対し、同様のコメントをしている。ゴールドマン・サックス・インターナショナルのCEOリチャード・ノッド(Richard Gnodde)氏は、自動化が進まない理由はないと話している。
「多くの役割がすでにテクノロジーと置き換わっていて、こうした流れがなぜ近いうちに終わらなければならないのか、わたしには分からない」ノッド氏は言う。
こうした大手銀行のCEOたちのコメントは、2017年9月にドイツ銀行の当時のCEOジョン・クライアン(John Cryan)氏が発した自動化に対する厳しい警告に続くものだ。
ドイツのフランクフルトで開催された会議で、クライアン氏はドイツ銀行が「改革精神」を追求し続ける限り、「数多くの」従業員が最終的にはロボットもしくは他のテクノロジーによって置き換えられるだろうと警告した。
「我々の銀行には、機械的に物事を処理するロボットのように行動する人間がいる。明日には、人間のように行動するロボットが現れるだろう」クライアン氏は語った。
「我々は人間を雇用する新たな手法を見つけなければならないし、人間は自分自身の時間の新たな使い道を見つける必要があるかもしれない。正直なところ、さほど多くの人間は必要なくなるだろう」
銀行をはじめより幅広い雇用市場における技術的進歩は、多くの人々が考えているように、データ入力といったより単純な労働が自動化によってすぐに置き換わることを意味している。
2016年の世界経済フォーラムの報告書は、自動化が2020年までに15の主要先進国および新興国で合わせて500万人の雇用喪失をもたらすだろうと書いている。
銀行業務の一部は、顧客に資産運用のアドバイスを自動で行ういわゆるロボ・アドバイザーの台頭によってすでに影響を受けている。
[原文:Robots could replace as many as 10,000 jobs at Citi's investment bank]
(翻訳、編集:山口佳美)