30億円の買収提案を拒否、デートアプリ創業者の決断は正しかった?

コーヒー・ミーツ・ベーグルの共同創業者ダウーン・カン氏

「正しい決断だったと、本当に確信している」と、コーヒー・ミーツ・ベーグルの共同創業者ダウーン・カン氏は語った。

Noam Galai/Getty Images

  • コーヒー・ミーツ・ベーグルは、2012年にスタートしたデートアプリ。ユーザーに厳選した候補者を紹介する。
  • 2015年、共同創業者たちはテレビ番組『シャーク・タンク』に出演したが、マーク・キューバン氏が提案した3000万ドル(約33億円)での買収を断った。
  • 共同創業者の1人、ダウーン・カン氏は、人々から強欲と言われたが自分の決断は正しかったと語った。

ダウーン(Dawoon)、アルム(Arum)、スー(Soo)のカン(Kang)三姉妹は2015年にテレビ番組『シャーク・タンク』(大物投資家にプレゼンし、出資を得る番組)に出演したとき、5人の投資家のなかで最もテクノロジーに詳しいマーク・キューバン氏から出資してもらえることを期待していた。

三姉妹は、コーヒー・ミーツ・ベーグル(Coffee Meets Bagel)はユーザーに友だちの友だちを紹介し、まず7日間だけ会話できるデートアプリとプレゼンした。三姉妹は投資家たちに同社の5%の株式と引き換えに、50万ドル(約5500万円)の出資を求めた。

そのあとのやり取りは、シャーク・タンクの中で最もドラマチックなエピソードとなった。

キューバン氏は誰よりも先に「アウト(話に乗らない)」と宣言した —— だが、三姉妹がステージを去ろうとしたそのとき、キューバン氏は3000万ドル(約33億円)での買収を提案した。番組史上、最高の額だった。

三姉妹は提案を断った。

「我々は、このビジネスはマッチドットコム(Match.com)と同じ規模になると考えている」とアルム・カーン氏は投資家たちに告げた。そして、マッチドットコムは10億ドル規模の企業になったと付け加えた(2017年、マッチドットコムを運営するマッチ・グループは、ティンダーや他のデートサービスも保有しており、13億ドルの売り上げがある)。

アプトピア(Apptopia)によるアメリカのアクティブユーザー分析によると、現在、コーヒー・ミーツ・ベーグルは最も人気の高いデートアプリとなっている。

「マーク・キューバン氏が3000万ドルと評価したことは、この会社のためにやってきたことがすべて正しかったという大きな証しとなった」とダウーン・カン氏は6月、Business Insiderに語った。

そして「現在はこれまで以上に好調」と同氏。

「正しい決断をしたと、本当に心から確信している」

2018年5月、コーヒー・ミーツ・ベーグルは1200万ドル(約13億円)を調達、2012年にサービスを開始してからこれまでに2000万ドル(約22億円)近くを調達した。集められた資金は、海外展開や独身者を対象としたオフラインのイベントなどにあてられた。

決断する時は自分の勘を信じる

コーヒー・ミーツ・ベーグルは、2015年から比べるとサービス内容が少し変わった。

男性会員は毎日12時に21個の「ベーグル」、つまりマッチング候補者の情報を受け取る。そして興味があるか、パスするかを決める。その後、女性会員に対して、その女性に興味があると答えた男性の中から、マッチングの可能性が高い候補者を厳選して紹介する。

コーヒー・ミーツ・ベーグルのウェブサイトによると、LGBTQなどさまざまな条件に合せて、毎日複数のマッチング候補を紹介する。

2015年、シャークタンクでキューバン氏の提案を断るとすぐに、三姉妹のもとには「クレイジー」「強欲」「愚か」などと書かれたメールが何十通も届いた。だがこれは、三姉妹が会社にとって正しいと考えたことを行おうとしたときに、大勢から否定された例の1つに過ぎないとカーン氏は語った。

他の例をあげると、ティンダーが人気となってきたとき、コーヒー・ミーツ・ベーグルの出資者の多くがティンダーの真似をするようにと三姉妹に言ってきた。

「最終的に我々は真似しないと決断した。なぜなら、我々は真似をするためにコーヒー・ミーツ・ベーグルを始めたのではない」

ティンダーの「スワイプは面白く、エンターテイメント」だが、「そのようなことには興味がない」とカーン氏。

「安全とクオリティを提供するという我々がサービスを始めた、そもそもの理由を守り続けてきて良かった。今は国際的な出会いとリレーションシップを提供している」

カーン氏は、コーヒー・ミーツ・ベーグルを始めた初期の頃なら「『もし自分たちより経験も知識も豊富な人がこちらの方法が正しいと言ったら、それが正しいだろう』と思っていた」と語った。だが、今は考え方が変わった。

「正しい答えは誰にも分からない。私の仕事はできる限り調べ、考えをまとめ、学ぶこと。そして最終的には自分で決断しなければならない」

また同氏は起業家としての決断はどれも、絶対の自信を持ってできるものではないことも学んだ。

「起業家は誰もやったことがないことに取り組んでいる。これが正しいと100%確信できることはないと思う。常にわずかな不安はある」

[原文:When the founders of dating app Coffee Meets Bagel turned down Mark Cuban's $30 million offer on 'Shark Tank' 3 years ago, they got dozens of emails calling them 'crazy,' 'greedy,' and 'stupid' — but they still aren't sorry

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

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