GMの新たなCFO、ディビア・スリヤデバラ氏。
GM
- メアリー・バーラ(Mary Barra)氏がCEOを務めるゼネラル・モーターズ(GM)の新たな最高財務責任者(CFO)に、ディビア・スリヤデバラ(Dhivya Suryadevara)氏が就任する。
- 自動車大手の中で、2人の女性がこのような企業トップの役職に就いているところはない。
- GMは、2009年の倒産前に見られた男性中心の企業文化を完全に覆している。
はっきりさせておこう。世界中の自動車業界で数多くの女性たちが働き、活躍している。そして、その中の非常にわずかな人数は大きな責任を伴う、指導的地位にある。
しかし、全体としては、自動車業界は長きにわたり"男性中心の社会"だった。だからこそ、GMのCFOチャック・スティーブンス(Chuck Stevens)氏が退任し、その後任に39歳のディビア・スリヤデバラ氏が就くという13日(現地時間)のニュースは驚きだったのだ。
今後はCFOのディビア・スリヤデバラ氏とCEOのメアリー・バーラ氏という2人の女性が、GMのビジネスを率いる。
GMはこれまで、副社長で製品開発の第一人者マーク・ロイス(Mark Reuss)氏と社長で社内フューチャリストのダン・アマン(Dan Ammann)氏が中心となって、クルーズ(Cruise)の自動運転プログラムといった新たなビジネス・チャンスを追求してきた。
ウォール街がバーラ氏とスリヤデバラ氏の2人から話を聞けるのは、現CFOのスティーブンス氏が正式に退任する9月1日以降になる。スティーブンス氏がCFOに就任したのは、バーラ氏が2014年に大手自動車メーカー初の女性CEOとなったのとほぼ同じ時期で、40年をGMで過ごしてきた。
GMのこうした経営幹部のリーダーシップのあり方は、他の自動車メーカーとは大きく異なる。ジェンダーバランスという意味で最もGMに近いのはライバルのフォードで、マーシー・クレボーン(Marcy Klevorn)氏がモビリティー部門のトップを務めている。
フィアット・クライスラー・オートモービルズの経営幹部は全員男性で、フォルクスワーゲン・グループやダイムラー(メルセデス・ベンツを所有)、トヨタも同様だ。自動車会社で重要な役職に就いている女性は数多くいるが、経営トップに昇り詰めるのは難しい。
組織文化を変えるGMの素晴らしい動き
GMのCEO、メアリー・バーラ氏。
Bill Pugliano / Stringer
だからこそ、GMの動きは素晴らしい。現CEOのバーラ氏は、倒産後のGMを指揮し、CEO就任直後からイグニッションスイッチの大規模リコールに対応、赤字続きだった同社のヨーロッパ事業「オペル」の売却といった難しい決断を下してきた、恐らく同社史上最も優れたCEOだろう。
同氏は、自動運転のクルーズの買収や電気自動車シボレー・ボルトの発表を通じて、急速に変化する時代に後れを取らないようGMを推し進めてきた。
スリヤデバラ氏は、2017年からGMの財務部門の副社長を務めてきた。ハーバード大学でMBAを取得した同氏は、投資やM&Aでバーラ氏を支えてきた。
「財務業務におけるディビアの経験とリーダーシップが、ここ数年のわたしたちの好調な業績を支えている」バーラ氏は声明文の中で述べている。
[原文:GM becomes first major auto company in history to have a female CEO and a female CFO (GM)]
(翻訳、編集:山口佳美)