上場企業の平均時給トップ10に総合商社5社がランクイン、時給の高い職場から漏れる本音とは?

社員による企業の口コミサイト「Vorkers」が6月14日に公表した「上場企業の時給ランキング2018」によると、トップ10のうち半数を、総合商社5社(三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産、丸紅)が占めたことが明らかになった。5社の時給は5000〜6000円台だった。口コミを元にした5社の月の平均残業時間はいずれも30〜40時間台で、過労死ライン(月80時間)とは無縁の様相。根強い商社人気を裏付ける結果となった。

上位30社の平均時給は5151円で、東京都の最低賃金(958円)の約5.4倍に達している。

上場企業の有価証券報告書の公開情報に加え、Vorkersに投稿された残業時間という独自データにより、時給ランキングをはじき出している。

ranking

上場企業の時給ランキング2018

出典:Vorkers

トップ3は前年に引き続き、M&AアドバイザリーのGCA(7385円)、キーエンス(7083円)、三菱商事(6252円)だった。上位2社は月の平均残業時間はGCA81.4時間、キーエンス64時間と、いずれも他のランクイン企業と比較して長かった。ただし、両社の年収は2140万円、キーエンス1862万円と突出しており、時給で割り出しても時給7000円超えの高額をキープした。

平均時給全体は前年より17円アップし、時給5000円超え企業も前年より3社増えており、全体で底上げ感がある。

商社は働きやすい?

一方、トップ10に5社がランクインした総合商社は、年収が1200万円以上と高額なのもさることながら、月の残業時間が5社最長の伊藤忠で44.3時間、最短は三井物産の33.3時間。他のランクイン企業と比較しても決して多くない。

さらに総合商社で注目すべきは、その口コミから伺える満足度の高さだ。高額なことには自覚的。

「30歳1000万円、35歳1500万円、40歳1800万円。恵まれすぎている。この収入をもらえる企業は日系では伊藤忠商事、野村証券ぐらいであろう。外資系ならコンサル、金融ぐらいであろう。いずれにしても時給換算するとこれほど恵まれた環境はない」(営業、男性、三菱商事)

給与報酬だけでない、福利厚生や社員特典も大きい。

「入社10年目1250万円。賞与の割合が高い。退職金は充実。入社9年目以降は残業代がなく、残業時間に制限がなくなる。住宅補助はないが、福利厚生は充実しているし、社販や複数企業からの割引なども多い」(職能、女性、伊藤忠商事)

転職はなかなできない、という声も。

「30歳900万円。とにかく、月収が毎年上がっていく。月収は、かなり良い。商社は、給与は高い。かなり恵まれた待遇であり、この待遇を経験すると、転職はなかなかできないと思う。転職するとしても上位商社、外資金融、コンサルあたりになるのではない」(管理部門、男性、双日)

働き方改革で下降気味?

新入社員の過労死事件の起きた電通は、働き方の制約で報酬は「下降気味」の声も。

「30代前半、1300万〜1500万円。残業代が占める比重が多く、働き方の制約がある昨今は下降気味であるが、特に何の不満もない。今後、能力や実績で傾斜をかけていけば、より健全になっていくと感じる」(マーケティング、男性、電通)

上位ランキング入りしている会社で、年功序列が基本という声は、少なくない。

「30代後半で1600万円〜1800万円程度。部下あり管理職は2000万円を超える。家族手当もあり、配偶者手当は法令上の扶養家族出なくても配偶者より給与が高ければもらえる。住宅手当は賃貸の場合はあるが、購入する場合はほぼない。基本は年功序列で、年齢と入社年次が基軸となる」(総合職、女性、三井不動産)

ただし、最高時給額を叩き出したGCAからは「実は高くない」という意外な声も。

「1200万円(賞与を除く)。同世代と比較すると絶対額としては高くなる。ただし、人によっては労働時間や職務遂行にかかるプレッシャーなどを勘案すると、見合った金額になっているかは疑問が残る」(アソシエイト、男性、GCA)

(文・滝川麻衣子)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中