テスラが従業員の9%を解雇、元従業員が明かす当日の様子

テスラ従業員

マスク氏の発表に従業員は驚かされた。彼らは解雇について、事前の通告は全くなかったと語った。

Spencer Platt / Getty Images

  • 6月12日(現地時間)、テスラは従業員の約9%の解雇を発表した。
  • 元従業員たちは、解雇に驚かされたとBusiness Insiderに語った。
  • 2018年5月、マスク氏は収益性を改善するためにオペレーションを再構築すると語った。だがその際、具体的なレイオフの計画には触れなかった。

6月12日(現地時間)、テスラCEOのイーロン・マスク氏はコストを削減し、無駄を省くために、従業員の約9%を解雇すると従業員に宛てたメールで発表し、その内容をツイッターに投稿した

マスク氏の発表に従業員は驚かされた。彼らは解雇について、事前の通告は全くなかったとBusiness Insiderに語った。

5月、第1四半期の決算報告において、マスク氏は収益性を改善するためにオペレーションを再構築すると語った。その際、同氏は請負業者を見直すと語ったが、具体的なレイオフの計画には触れなかった。

元従業員は、レイオフが続くと考えている

テスラ・エナジーの元営業担当者は、同氏のチームは6月12日午前1時にビデオ会議のために、その日の予定を4時間空けておくようにとのメールを受け取ったと匿名を条件に語った。

ビデオ会議は、営業部門のディレクター、ブレント・ボールドウィン(Brent Baldwin)氏と人事部の担当者との会議だった。

会議の中で、研修中の人を含めて、250人がレイオフされると知らされた。ボールドウィン氏はノルマを達成した営業担当者も解雇しなくてはならないことを謝罪したと元営業担当者は語った。

だが謝罪を受けたものの、自分たちが会社を失望させたように感じたと同氏は語った。

マスク氏はメールの中で、今回のレイオフは、今後、二度とレイオフをしないようにするためと述べた。

だが元営業担当者は、今回のレイオフは最後のレイオフにはならないと思うと語った。

「これは第1弾だと思う。抱えている従業員に対して、十分な仕事はないと思う」と同氏。

「仮に今回、私がレイオフされなかったとしても、いつ職を失うかと不安になるだろう」

元営業担当者がテスラで仕事を始めたのは2018年1月。ノルマを達成するために、夜遅くや週末も仕事をしなければならなかったうえに、歩合制の仕組みが変わり、ノルマを達成することはさらに難しくなったと同氏は語った。

「正直に言って、テスラで働き始めてから、災難しか経験していない」

会社は何度も約束を破ったと同氏は語った。営業に使った車のガソリン代の払い戻しは行われず、会社の制服を渡されることもなかった。また、会社は営業担当者の担当地域を明確にしなかったため、担当地域で同僚と出くわすこともあった。

元営業担当者によると4月、テスラ・ソーラーは歩合制度を変更した。営業の段階ごとに受け取っていた歩合給はなくなり、営業が完了した時点でのみ、歩合給が支給されるようになった。

一部の顧客の製品取り付けが完了する前に解雇されたために、本来なら受け取るはずの歩合給も受け取れないだろうと同氏。

「どうすることもできない。彼らはお金を払わないで済むよう逃げ切っただけ」

同氏の主張についてテスラにコメントを求めたが、返答はまだない。

突然だったレイオフ

納車部門で働いていた別の元従業員も匿名を条件に、11日の朝に出社するまで解雇についての会議のことは知らなかったと語った。

出社して1時間後に、同氏の上司2人と地域の人事マネジャーが同僚の1人を会議室に連れていった。部門内に緊張が走った。

「管理職が3人も現れたのは、少し変だと思った」

同僚は会議室から出てくると、私物をまとめ、会社から立ち去った。元従業員は、パフォーマンスが悪いために解雇されたのだと思った。だが、自分も会議室に呼ばれたとき、仕事自体がなくなることを理解したと語った。

11日月曜日まで、事前の通告は全くなかった。直前の2週間は、週6日間、計60時間ずつ働いた。

同氏は2015年からテスラで働いていた。在職期間中、同氏のチームは6倍に増えた納車数に対応、会社からは納車スピードを上げるよう言われていた。また目標値が上がったにもかかわらず、同氏のチームは当初よりも縮小されていったと同時は語った。

「さらに従業員の9%をレイオフするとは、どういうことなのか? 私には理解できない」

まだエンジニアとしてテスラで働いている従業員は、12日火曜日のミーティングに上司が出席しなかったことで、初めて上司が解雇されたことを知ったと語った。同僚が上司にメールを送ろうとしたが、メールは戻ってきてしまった。

会社は間違った人たちを解雇している思うと同氏。

「会社がやっていることは、本当にばかげたことだと思う」

[原文:Ex-Tesla employees reveal the cryptic ways they learned they were getting fired (TSLA)

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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