【大阪北部地震】格安SIMでも通じた ── 各通信環境や無料サービスをチェック

新大阪駅でタクシーを待つ人たち

新大阪駅前ではタクシー待ちなどによる混雑が発生していた。

写真:川村力

2018年6月18日午前7時58分ごろ、大阪北部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生。大阪府を中心に鉄道などの交通網は大きく乱れ、断水などが発生した。

地震発生後からNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクら通信事業者各社は、通信障害への対応や災害伝言板などのサービスを開始。記事執筆時(6月18日21時)にはすでに3キャリアともに発生した通信障害はすべて回復、通信規制等も解除しているという。

一方、昨今では3キャリアの通信設備を借り受け低価格で通信サービスを提供する「格安SIM」のユーザーも増えている。TwitterなどのSNSでは、その安さ故に災害時の格安SIMででの通信環境について危ぶむ声も上がっているが、実際のところはどうなのか。

Business Insider Japanでは格安SIMを提供するMVNO各社の広報に問い合わせた。

“格安SIMだから災害時に通信できない”はほぼ間違い

・IIJmio(インターネットイニシアティブ)

IIJmio

インターネットイニシアティブが提供する格安SIMサービス「IIJmio」。

IIJ広報部によると、18日に発生した大阪北部地震で、通信障害は発生していないという。

「ただ、今回ではないが、大きな災害発生時にキャリア側の障害やMVNO側の設備が理由で、通信障害が発生する可能性はある。

取り組みの1つとして、ネットワーク回線の冗長化などを行い、災害時にも障害が発生しないように設計・構築を行なっている」

・OCN モバイル ONE(NTTコミュニケーションズ)

OCN モバイル ONE

NTTコミュニケーションズが提供する格安SIMサービス「OCN モバイル ONE」。

NTT Com広報室によると、大阪北部地震による設備の障害は発生していない。もしそのような事象があるとすれば、各キャリアのネットワーク障害等の影響が考えられるという。

「ただ今回に限らず、物理的な機器が存在する以上、障害が発生しないとは断言できません。

弊社設備は各基地局などではなく、ネットワークの中枢のみに存在しているので、各キャリアに比べると被災する確率は低い」

回答した2社ともに「可能性は否定できない」としながらも、今回の災害では自社設備が原因の通信障害は発生していないと回答している。


前述のとおり、格安SIMは通信網は大手キャリアのものを利用、ネットワーク設備などを自社で持っている場合が多い。災害によりトラフィックが多くなり、ネットワーク設備のキャパシティーがオーバーする可能性もあるが、それより基地局などキャリア側の設備に問題が発生する可能性の方が高いだろう。

「格安SIMだから、災害時につながらない」と断言はできない。

格安SIMユーザーも災害時伝言板、無料Wi-Fiは使える

スマートフォンでweb171を表示

web 171はキャリアに関わらず利用できる災害用伝言板サービスだ。

撮影:小林優多郎

また、災害時に適用される主要な各種サービスは、格安SIMユーザーでも利用できる。

とくに、NTT東日本とNTT西日本が提供する「災害用伝言ダイヤル(171)」および「災害用伝言板(web171)」は3キャリア間やグーグルなどの事業者間でデータが共有されている。格安SIMの電話番号(090、080、070)も、基本的にはもとはキャリアが発行・管理している番号だ。格安SIMユーザーでも、伝言板への登録や登録者の検索が利用できる。

災害用伝言板サービス(各社間でデータは共有)

災害時は該当地域において、3キャリアとワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)社などの提供する公衆無線LANが無料開放される仕組みとなっている。

今回の地震でも、6月18日夕方ごろから3キャリアおよびWi2、NTT西日本、NTTブロードバンドプラットフォームらの公衆無線LANサービスが随時解放(利用登録手続きなしでの利用が可能)されているので、災害情報や安否情報の確認、報告などに利用しよう。

Facebook、ヤフーらのノンキャリアサービスも活用しよう

Facebook「災害情報センター」

Facebookが同サービス内で設置した「災害情報センター」。

メッセージングサービスを提供するLINE広報によると、今回の地震発生直後である午前8時には日本国内でのトーク送信数が通常時の約5倍、午前8時~午後2時の6時間の間でも通常の約2倍ものトラフィックが発生しており、被災地に住む家族や友人たちと連絡を取り合う人が殺到したことがうかがえる(トラフィック過多によるLINEのサービス障害はなし)。

通信キャリア以外でも、Facebookではユーザー向けに友達の安否確認や災害情報を共有できる「災害情報センター」の設置や、Yahoo! Japanでは同社の完全子会社・Zコーポレーションが出資するOpenStreet社のシェアサイクリング「HELLOCYCLING」の無料開放など、各社が災害時対応を行っている。

気象庁は余震の可能性について警告している。今後も各種サービスなどを把握した上で、警戒して欲しい。

(文・小林優多郎 撮影・川村力、小林優多郎)

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