テスラは従業員の9%を解雇する。
Hannah Mckay / Reuters
- テスラは、従業員の約9%を解雇する。
- 元従業員の何人かはテスラでの経験をリンクトインに投稿した。ほとんどは前向きなトーンで。
- インスタグラムと同様に、ユーザーはリンクトインに“理想の自分の姿”を投稿してしまう。
6月12日(現地時間)、テスラCEOのイーロン・マスク氏は従業員の約9%を解雇すると発表した。
ツイッターに投稿した従業員宛てのメールで、同氏はテスラにおいて一部の業務が不要となり、余剰が生まれたと述べた。
「我々は各業務の重要度、効率化および生産性の向上が可能かどうかを評価し、さらに従業員ごとのスキルおよび能力を査定したうえで、この決断を下した」
解雇された従業員の中には、テスラでの経験をリンクトインに投稿している人もいる。彼らの投稿は、リンクトインがインスタグラムと同じようになってきたことを浮き彫りにした。
SNSは自画自賛になりがち
ソーシャルメディアの本来のコンセプトは、友だちとのつながりを保ち、ちょっとした知り合いのことをこっそり調べられるようにすることだった。
時間が経つにつれ、写真の投稿をメインとしたFacebook、インスタグラム、スナップチャットなどは、違った衝動を満たすようになった —— 理想的な人生を編み出し、投稿するという欲求を。
インスタグラムは、人気SNSの中で、最もその傾向が強い。インスタグラムではセレブ、インフルエンサー、そしてそのフォロワーたちは、フィルター、アングル、景色の最高の組み合わせ、いわゆる「インスタ映え」を追求して競い合っている。お互いにその努力を悟られないようにしながら。
リンクトインも同じような思想で動かされている。
リンクトインは、ネットワークづくりと仕事探しに特化しており、ユーザーは自分が達成したことや魅力的な個性をアピールするような投稿を競い合う。あくまでも誰かにアドバイスをしたり、自分を評価してくれた人に感謝する形をとりながら。
そして、同僚やリクルーターもユーザーの投稿に褒め言葉のコメントを残し、投稿者にの機嫌を取ったり、自分自身も魅力的な従業員もしくは雇用者であることをアピールする。
つまり、解雇されたばかりだとしても、不満を書き連ねるのではなく、元雇用者にどれだけ感謝しているかを表明しなければならないというプレッシャーを感じるかもしれない。
もちろん、逆境に対して前向きな姿勢を持つことには何の問題もない。そして、未来の雇用者にアピールしたいなら、選択肢はない。
ポジティブなテスラの元従業員たち
3週間あまりで解雇されたと語るテスラの元従業員は、在職中にテスラが世界に与える影響について貴重な学びを体験させてもらったと述べた。
「およそ3週間前、私は長く、有意義で、挑戦に満ちたキャリアを思い描いて、テスラで働き始めた」と同氏。
「外部業者の立場からは見えていなかったことを垣間見ることができた。テスラが取り組んでいることの重要性や、世界を変えようとチャレンジする我々が持つ純粋な情熱……。こうした努力には変化はつきもの。なので私は誰も責めるつもりはない。すぐにまたチャレンジする」
別の元従業員は、他の有能な従業員も同時に解雇されたので、解雇を受け入れやすかったと語った。
「解雇されることは、奇妙な感覚。だが、他のソフトウエア開発者、マネージャー、バイスプレジデントなど、大勢の非常に有能な人材とともに解雇されたことは、さほど悪いことではないかもしれない」と元従業員は投稿した。
「私は非常に楽天的で、次の大きなチャレンジを楽しみにしている」
彼らの投稿は、幸運を祈るユーザーやポジティブな姿勢を称えるユーザー、履歴書の提出を求めるユーザーからのコメントで溢れている。
テスラの最新の株価はこちら。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)