中国、新車にRFIDチップを搭載 —— 全ドライバー追跡へ

中国の渋滞

China Photos/Getty Images

  • 中国は新車にRFID(Radio Frequency IDentification)チップを搭載する計画を進めている。渋滞解消や公害防止、公共の安全が目的。
  • 車の所有者はチップをフロントガラスに取り付けることになる。同時に中国は国内の半導体産業の育成を図る。
  • 計画は2019年に本格展開され、それまでは希望者を対象に行われるとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた
  • 中国は「監視国家」と言われる環境を作りつつある。車および顔認証テクノロジーが犯罪者の摘発以上の用途に使われることへの懸念が高まっている。

中国はまもなく、新車の移動の追跡を始める。

2019年から中国では、新規登録された全ての車のフロントガラスにRFIDチップを取り付けることが義務化される。渋滞解消や公害防止、公共の安全がその目的。ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた

この計画では、車のナンバープレートとカラーも登録される。道路沿いに設置された読取装置がRFIDチップを検知、通行情報は公安省に送られる。

中国の渋滞は極めてひどい状況、北京では500万台の車が走行している。世界保健機関(WHO)によると、中国では2013年、交通事故で26万人以上が死亡した。

だが、2018年7月1日から希望者を対象に開始されるこの計画には、習近平主席が描くもう1つの狙いがある —— 中国国内の半導体産業の育成だ。

International Business Strategiesによると、中国は「世界の工場」となっているにもかかわらず、中国で使用される半導体の90%が輸入、もしくは中国国内にある外資系企業で製造されている。数百億ドルもの資金が、国内での半導体の研究開発のための投資資金として投入されると伝えられた。

中国のスマートフォンメーカーZTEは、アメリカが同社への半導体等の部品の販売を禁止したことにより、事実上の倒産に追い込まれた。その後、中国政府関係者は、国内半導体産業の急速な育成について何度も会議を開いたと報じられた。

だが中国は、車にコンピューターチップを搭載する最初の国ではない。カリフォルニアでは、チップを埋め込んだナンバープレートのテスト運用が始まっている。ドライバーは自動車の登録更新を自動で行うことができ、一方、警察は盗難車の追跡が可能になる。

交通規則を無視した道路横断を繰り返す歩行者やクラクションをひんぱんに鳴らすドライバーを取り締まるなか、北京の警察は、乗員の顔とナンバープレートを数ミリ秒で認識可能な顔認証メガネの使用を開始した。

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AI(人工知能)を使った顔認証メガネは、乗員の顔とナンバープレートを「ブラックリスト」とリアルタイムで照合、一致したときは赤い警告サインを表示する。

社会信用システムを全土で展開したい中国において、全ての自動車が追跡され、法的あるいは社会的なさまざまなブラックリストと照合されるようになるまで、それほど時間はかからないだろう。

[原文:China wants to track every driver by putting RFID chips on car windshields

(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)

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