「正直なホストがバカを見る」——性善説の制度を悪用したエアビー虚偽登録

Airbnbコミュニティの投稿。

「Airbnbコミュニティセンター」の投稿。民泊新法の届け出に関する情報交換もされている。

出典:Airbnb

観光庁は6月21日、6月15日の 住宅宿泊事業法(民泊新法)施行後も民泊プラットフォーム最大手のAirbnbに“違法”物件が掲載されている事実を、Business Insider Japanの取材に対し明らかにした。Airbnbは民泊新法あるいは旅館業法など法に基づく届出番号などの登録をホストに求め、報道によると、民泊新法施行前に「番号のない物件はすべて非公開にした」としていた。しかし、一部の物件は虚偽の番号を登録し、削除を免れていたという。

京都市から通報、「全国でも同様の事態」か

観光庁によると、京都市から6月15日夕方、違法な民泊物件の掲載が40件以上あると連絡を受けた。確認したところ、民泊新法に基づく虚偽の届出番号の物件が4件、旅館行法に基づく虚偽の番号の記載が5件。他には、違法性が疑われるマンスリーマンションとうたった物件や、届出番号の記載のない物件も確認された。

観光庁は京都市以外にも自治体から同様の情報を受けているといい、「全国的に類似の事態が起きているのでは」(担当者)とみている。観光庁は6月18日、Airbnbに確認と経緯の説明を求めた。

民泊新法によると、仲介サイトは届出番号をホストから確認する義務はあるが、自治体に照会することは義務付けられていない。 観光庁の担当者は「そこまで求めると、海外の仲介サイトが撤退せざるを得ないかもしれない」と理解を示した上で、自治体や仲介サイトが情報を開示したり、観光庁が監視をしたりしていくことで、「ある程度抑止力になると思う」との認識を示した。

ホストからは「虚偽を確認する仕組み」求める声

虚偽の届出番号を登録した物件の存在については、ホストらが自由に投稿できる「Airbnbのコミュニティセンター」でユーザーが指摘していた。あるユーザーは「住宅宿泊事業番号の虚偽を確認する方法がない。公平な仕組みを考えたのか疑問」というタイトルで、虚偽の届出番号の掲載の疑いを指摘している。

Airbnbコミュニティの投稿。

「Airbnbコミュニティセンター」の投稿。「一生懸命番号を取得した者が馬鹿を見る」と書かれている。

出典:Airbnb

ユーザーは、「明らかに取得できない方々が住宅宿泊事業番号虚偽番号を登録して、掲載をする行為が見受けます(本文ママ)」「消防の検査や書類を集めて、一生懸命番号を取得した者が馬鹿を見る」と訴えていた。この投稿に対しては、「『性善説』でやっているんだね」「リスティング上に表示された届出番号を見るとおかしな番号が散見されますね……これで良いのでしょうか……」とコメントがついていた。

別のユーザーは虚偽番号の登録を防ぐために、「リスティング登録時に届出証をアップロードすること」を提案、「届出証取得にかなり面倒を強いられたので正直者が馬鹿を見るような事態だけは早急に是正してほしい」と書き込みをしていた。

営業形態、自治体により異なる許認可の表現

これらの問題を受け、Airbnbは21日、都内で説明会を開いた。同社は、ユーザーが、虚偽が疑われる物件を見つけた場合、同社への情報提供を求めた。

Airbnbのサイト上では、物件のページの「免許番号/登録番号」という欄で、許認可の情報を確認できる。許認可の情報は、民泊新法に基づく届出の場合は、Mと数字9文字の番号だが、旅館業法に基づく営業形態の場合は、自治体により、表現が異なり、一括して虚偽の疑いを見抜くのが難しい。

「免許番号/登録番号」には、このほか、「その他の正当な法的根拠」(賃貸借契約やマンスリーマンションとされる物件)と記載される物件もあるが、Airbnbによると、「一部の指摘で(この分類を)悪用しているという意見があり、削除をしてく方針」。

「免許番号/登録番号」は、ホストが物件情報を編集し、許認可の情報を入力することで、自動更新される。明らかに誤った情報の場合は、自動検知のシステムにより、更新ができない。

(文・撮影、木許はるみ)

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